REVIEW

佐々木、イン、マイマイン

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『佐々木、イン、マイマイン』藤原季節/細川岳/遊屋慎太郎/森優作

目指すものがあったらあったで、そこに近づけない自分に悶々とする人がいる。一方で、エネルギーもあって、光を放っているように見えて、それは自分に迫る影を追い払うためである人もいる。そういう部分に蓋をして生きることができない不器用な人は、もがいてもがいてもがいても、自分ではどうにもならなくて、力尽きそうになって、大声で心から叫びたくなる。そんなグチャグチャな人間の内側を映像で表現した作品です。社会に放り出されて、その厳しさを知り、自分の小ささ、無力さを知り、それでも這い上がり生き延びるのはとてもしんどいことです。そしてこれは、年齢を問わず、長く“青春時代”を送っている人には常につきまとう心情だと思います。でも、見方を変えると、こういう気持ちを持てている自分は、まだ青春時代を生きているのだということではないかと気付かされます。切ないストーリーではありますが、闘志を奮い立たせてくれる作品。本作を観て、いろいろな感情を掘り起こして、グチャグチャな思いをパワーに変えてください。

デート向き映画判定
映画『佐々木、イン、マイマイン』藤原季節/萩原みのり

恋愛要素はありつつ、苦い展開のほうが印象に残ります。ただ、不器用なキャラクター達は皆それぞれに優しさがあって、こういう感覚が共有できるかどうかで、相性がわかる部分もありそうです。そばにいてくれる誰かの存在を尊く思えるストーリーなので、観終わった後はお互いに優しくなれるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『佐々木、イン、マイマイン』藤原季節/細川岳

負け組のように見えて、芯では輝いている、そんなキャラクター達に共感を持ってくれる人も多いと思います。ティーンの皆さんは家庭のことや進路のことで、いろいろな悩みを抱えていると思いますが、主人公達の姿を観て、等身大で感情移入できるでしょう。また、友達の大切さや今一緒に過ごしている何気ない日々が今後どんなに勇気をくれるかということにも、思いを馳せて観てもらえればと思います。

映画『佐々木、イン、マイマイン』藤原季節

『佐々木、イン、マイマイン』
2020年11月27日より全国公開
パルコ
公式サイト

© 「佐々木、イン、マイマイン」

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也 心理学から観る映画55:推し活がもたらす幸福感『君がトクベツ』

今や「推し活」「推し」という言葉はすっかり浸透しました。なぜ、人が推し活にハマるのかといえば、きっと幸福感があるからでしょう。そこで、今回は推し活が与える幸福感について、『君がトクベツ』のストーリーをもとに考えます。

映画『メガロポリス』アダム・ドライバー/ナタリー・エマニュエル メガロポリス【レビュー】

“ゴッドファーザー”シリーズ、『地獄の黙示録』など、映画史を語る上で欠かせない巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、私財を投じて製作した本作は、40年もの構想を経て完成…

特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉 高畑勲展 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉 1名様 プレゼント

映画『ツイスターズ』オリジナルハンディファン 2名様プレゼント

映画『F1®/エフワン』ブラッド・ピット/ダムソン・イドリス 映画『F1®/エフワン』【レビュー】

“地上版〈トップガン〉”という宣伝文句を謳っている本作は、『トップガン マーヴェリック』と同じく、ジョセフ・コシンスキーが監督を務め、ジェリー・ブラッカイマーが製作を…

映画『#真相をお話しします』桜井ユキ 桜井ユキ【ギャラリー/出演作一覧】

1987年2月10日生まれ。福岡県出身。

映画『秘顔-ひがん-』チョ・ヨジョン/パク・ジヒョン 秘顔-ひがん-【レビュー】

タイトルを見ただけでいろいろな想像が掻き立てられるので…

映画『28年後...』アーロン・テイラー=ジョンソン/レイフ・ファインズ/ジョディ・カマー 28年後…【レビュー】

ダニー・ボイル監督×アレックス・ガーランド(脚本)の最強タッグで制作されてきた“28”シリーズは、2002年『28日後…』、2007年『28週後…』と続き、本作で3作目…

映画『バック・イン・アクション』キャメロン・ディアス キャメロン・ディアス【ギャラリー/出演作一覧】

1972年8月30日生まれ。アメリカ出身。

海外ドラマ『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』アンドリュー・ガーフィールド アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実【レビュー】

本シリーズは、ジャーナリストのジョン・クラカワーが、アメリカのユタ州にあるソルトレイクシティ郊外の平和な街で1984年に実際に起きた殺人事件を基に書いたノンフィクション小説「信仰が人を殺すとき」を原作として…

映画でSEL:告知1回目 自分を好きになるための【映画でSEL(社会性と情動の学習)】第1回ワークショップ女性限定無料ご招待!

長らく温めてきた【映画でSEL(社会性と情動の学習)】のワークショップをいよいよスタートします! 「自分を好きになる」をテーマに、毎回さまざまな映画から、内容を引用しながら進めていきます。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  2. 映画でSEL:告知1回目
  3. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット

REVIEW

  1. 映画『メガロポリス』アダム・ドライバー/ナタリー・エマニュエル
  2. 映画『F1®/エフワン』ブラッド・ピット/ダムソン・イドリス
  3. 映画『秘顔-ひがん-』チョ・ヨジョン/パク・ジヒョン
  4. 映画『28年後...』アーロン・テイラー=ジョンソン/レイフ・ファインズ/ジョディ・カマー
  5. 海外ドラマ『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』アンドリュー・ガーフィールド

PRESENT

  1. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP