REVIEW

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』ミシェル・ロドリゲス

アクションそのものはもちろん、スタントウーマンやアクション監督の皆さんの仕事に対する姿勢や生き様がめちゃめちゃカッコ良くて、こういう方々のおかげで、迫力満点のアクション映画が楽しめるんだなと感動しました。スタントと一言でいっても、格闘シーンやカースタント、すごく高いところから飛び降りるスタントなど、いろいろな種類があって、どれも命がけです。並外れた身体能力だけを求められるわけではなく、命がけでやらなければいけない仕事だからこそ、自分自身で危機管理をできなければダメで、危ないと思ったら別の案を出したり、ノーと言ったり、判断力と強い姿勢も必要で、すごくプレッシャーの大きな仕事だなと改めて知りました。それは自分自身だけのためではなく、周囲の安全も確保するためで、タイミングが少し狂うだけでも命取りなので、すごく集中力のいる職業ということも実感しました。劇中では「あのアクションって、どうやって撮ったんだろう」と思っていたアクション大作も多く出てきますが、やっぱり生身の人がやっていたんだと思うと、感慨深いです。映像技術でできることは増えましたが、やはり人が本当に演じているアクションに勝るものはないですよね。
また本作では、男性優位のスタント界で女性が地位を得るためにいかに闘ってきたかということも語られています。「プロとして尊敬されたい、女としてじゃない。“女性の割りには”ではなく、真の一流になる」というコメントがとても印象に残りましたが、女性だからできないと言われたり、できたらできたで“女性の割りに”と言われたり、どんな世界にも同じようなことがあります。女性がアクション監督として認められるのも難しいという話題も出てきますが、性別は関係なく認められようと努力する彼女達の姿に勇気と元気をもらえます。本作を観たら、次から誰がスタントをやっているかで映画を選びたくなりますよ。スタントウーマン名鑑なんかがあったら良いのにと思います。本作の公式サイトでは、本作に登場するスタントウーマン達のプロフィールが載っているので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

デート向き映画判定
映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

いろいろなアクション映画の背景を知ることができるので、映画好きカップルにオススメなのはもちろん、職業は問わず働く女性の声を代弁してくれている部分が大いにあるので、恋愛も大事だけど仕事も大切にしたいと考えている女子の皆さんはぜひパートナーと一緒に観て、自分の考え、価値観を話す機会にしていただければと思います。交際が浅い人も敢えてデートで観てみると、相手の女性に対する見方が垣間見られるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

彼女達の仕事ぶりがすごくカッコ良くて、見応えのあるアクションシーンが数多く出てくるので、性別問わず楽しめるドキュメンタリーとなっています。スタントの仕事に就いている人の中にも、いろいろな経歴を持つ人達がいて、得意なこともそれぞれ違っていて、世の中にはさまざまな仕事があることを本作を観て知ることができます。命の危険が伴う仕事で、簡単に就ける仕事ではありませんが、身体能力を活かした仕事をしたいと思っている人は、本作を観てみると良い刺激を受けられるでしょう。

映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』
2021年1月8日より全国公開
イオンエンターテイメント
公式サイト

© STUNTWOMEN THE DOCUMENTARY LLC 2020

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『悪い夏』北村匠海 『悪い夏』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『悪い夏』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生 ゆきてかへらぬ【レビュー】

鈴木清順監督の大正浪漫三部作といわれる『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』や、相米慎二監督の『セーラー服と機関銃』などを手掛けた名脚本家、田中陽造のオリジナル脚本『ゆきてかへらぬ』は…

映画『奇麗な、悪』瀧内公美 奇麗な、悪【レビュー】

中村文則による原作「火」を映画化した本作は…

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』アンソニー・マッキー キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド【レビュー】

ファルコンことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)は、元祖キャプテン・アメリカのスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)から盾を託され…

映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-【レビュー】

2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイク”は…

映画『ファーストキス 1ST KISS』松たか子 松たか子【ギャラリー/出演作一覧】

1977年6月10日生まれ。東京都出身。

映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻【レビュー】

REVIEW政治的手腕を発揮しながらも、暴君としてイギリス史に悪名を刻んだヘンリー8世には…

映画『聖なるイチジクの種』ソヘイラ・ゴレスターニ/マフサ・ロスタミ/セターレ・マレキ 聖なるイチジクの種【レビュー】

REVIEWイランでは2022年に、ある若い女性がヒジャブ(髪の毛を覆う布)を付けておらず…

映画『コメント部隊』ソン・ソック コメント部隊【レビュー】

情報社会になった現代、大きな組織による世論操作が行われているのではないかと…

映画『リアル・ペイン〜心の旅〜』キーラン・カルキン キーラン・カルキン【ギャラリー/出演作一覧】

1982年9月30日生まれ。アメリカ出身。

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

映画『ベルヴィル・ランデブー』 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.3

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダーほか トーキョー女子映画部が選ぶ 2024年ベスト10&イイ俳優MVP

毎年恒例のこの企画では、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

REVIEW

  1. 映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生
  2. 映画『奇麗な、悪』瀧内公美
  3. 映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』アンソニー・マッキー
  4. 映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
  5. 映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ

PRESENT

  1. 映画『悪い夏』北村匠海
  2. 映画『ロングレッグス』マイカ・モンロー
  3. 映画『TATAMI』アリエンヌ・マンディ
PAGE TOP