REVIEW

ザ・ハント

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ザ・ハント』ベティ・ギルピン

本作は、富裕層が娯楽として人間狩りを楽しむというとんでもない内容で、全米では1度公開中止となった問題作です。ただ、とんでもない内容とは言いつつも、その根底には社会問題に疑問を投げかける意義が感じられて、これまた名プロデューサー、ジェイソン・ブラムが手掛けた作品として期待を裏切りません。そのストーリーはというと、人種差別、格差社会によって、分断されつつあるアメリカの未来に危機感を抱かせる内容で、単純に肌の色やルーツによる差別だけではなく、ネット社会になったことで、個々の思想をSNS等で発信することが危機を招いたり、噂やただの推論が暴走してしまうことで新たな問題を引き起こす怖さを描いています。
でも、テーマがこれだけ社会派でも、それで終わらないのが本作の魅力。「これは主要キャラクターだろう」と予想しながら観ていてもことごとくそれが裏切られるし、豪快でユーモアのあるシーンも満載です。グチャっとなったり、パシャッとなるのはもちろん、グサッ、ズドン…というシーンも容赦なく出てくるので、ビジュアル的にもとても刺激的です。私は時々目を塞ぎたくなりながらも、ところどころ笑いながら観ましたが、どういうスタンスで観ることになるかは個人差があるでしょう。そういう振り幅の大きさも含めて楽しめる作品です。

デート向き映画判定
映画『ザ・ハント』

好き嫌いがはっきり分かれそうな作品ではあると思うので、初デートで誘う人がいたら、かなりのギャンブラーだなと思います(笑)。初っぱなから痛々しいシーンがガンガン出てくるので、相手の苦手分野を確認してから誘うかどうか決めると良いでしょう。でも、これが2人とも楽しめるなら、相性がかなり良いように思います。ご自身が映画好きで、相手にもそれを求める人は、相性を占う1つの指標として一緒に観てみるのもアリかもしれないですね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ザ・ハント』ベティ・ギルピン

R-15なので15歳だったら観られるのですが、かなり刺激的なので、激しい映画を観慣れていない人はちょっと覚悟が必要でしょう。すごい緊張感の中に突如出てくるアホらしさに笑えるシーンもあるのですが、大人向けのブラックジョークかなという感じなので、若い皆さんがどこまでコメディ感も堪能できるかは読めません(苦笑)。でも、このおもしろさがわかってくれたら、いち映画好きとして嬉しいです。

映画『ザ・ハント』

『ザ・ハント』
2020年10月30日より全国公開
R-15+
東宝東和
公式サイト

© 2020 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  3. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ
  4. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  5. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP