REVIEW

ドリームプラン【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ドリームプラン』ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー

ビーナス・ウィリアムズ、セリーナ・ウィリアムズ、この姉妹はどうやって世界的なテニスプレイヤーとなったのか。その背景には彼女達の父リチャードの存在がありました。父リチャードは、2人が生まれる前から2人の娘をテニスの世界チャンピオンにするという計画書を作っていたそうです。本作はテニス未経験の彼がどうやって娘達を世界チャンピオンに育て上げたのか、実話を基に描いています。
テニスの教育法を独学で研究したリチャード(ウィル・スミス)は、ビーナスとセリーナに熱心にテニスを教え、2人はめきめきと実力をつけていきます。でも、彼等が住んでいる場所は治安が悪く、娘達を安心して練習させることができません。リチャードも危ない目に遭いますが、彼はめげずに娘達を守り、夢を叶えようと奔走します。彼等の計画がどういう結果を迎えるのかは映画を観ていただければと思いますが、驚くのはリチャードの信念の強さです。娘のためならどんな相手でも物怖じせず妥協せずに交渉します。同時に彼は2人の親であることを忘れることがありません。2人は彼にとって選手である前に愛する我が子であり、彼が娘達にとって何が最善なのかをいつも念頭において行動する姿に共感できます。彼は強い信念と深い愛情を持って、娘達をテニスチャンピオンに育てたのではなく、まず立派な人間に育てました。そんな立派な人間になったからこそ、2人は世界チャンピオンになれたのだなと観ていて納得します。
そして、本作は姉妹の物語も見どころの1つ。ビーナスとセリーナはお互いに支え合う存在ですが、2人共何でも同じというわけにはいきません。先に頭角を現した姉ビーナスの物語、姉の姿を見ながら静かに闘志を燃やすセリーナの物語、それぞれの視点でもグッとくるものがあります。世界チャンピオンの話ではありますが、どんな家族にも通じる部分がある人間ドラマなので、ぜひ家族や親子で観て欲しいです。

デート向き映画判定
映画『ドリームプラン』ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー

ウィリアムズ夫婦の関係、父として母としての考え方や行動を観てもいろいろと考えさせられます。夫婦で観て改めて家族のことを話し合うきっかけにするのも良し、将来家族になろうと考えているカップルも自分達に子どもができたら…と、シミュレーションをしてみるのも良いでしょう。夫婦でいつも同じ意見というわけにはいきませんが、そんな時にどうやって折り合いを付けるのか、支え続けるのか突き放すのか、参考になる部分もあると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ドリームプラン』ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー

親の夢と子どもの夢が同じである場合とそうでない場合のどちらもあって、どちらでも良いと思います。本作に登場するウィリアムズ親子は同じ方向を向いていますが、それはお互いに信頼関係が築けているからではないでしょうか。だんだん大きくなってくると、子どもの意思も強くなってきます。時に親と意見が異なる状況も出てきますが、そんな時にどうすべきか、本作を観ると少しヒントが得られるかもしれません。

映画『ドリームプラン』ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー

『ドリームプラン』
2022年2月23日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

©2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ 『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶 星と月は天の穴【レビュー】

映画に対してというよりも、本作で描かれる男女のやり取りについては、解釈の仕方および、その解釈に伴った好みが…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ【レビュー】

REVIEWシリーズ3作目となる本作でも、まず映像美と迫力に圧倒されます。物理的に目の前で…

映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗 新解釈・幕末伝【レビュー】

幕末を描いた本作は、“新解釈”とタイトルにあるように、ユニークな解釈で描かれて…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  2. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶
  3. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  4. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗
  5. 映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP