REVIEW

太陽は動かない

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『太陽は動かない』藤原竜也/竹内涼真

心臓に爆弾を埋め込まれ、任務から逃げられない運命にある主人公の奮闘を描いた本作は、劇場映画とWOWOWのドラマとで構成されています。監督は“海猿”シリーズや、本作と同様WOWOWが手掛けたドラマと劇場映画で構成された“MOZU”シリーズを手掛けた羽住英一郎。物語の時系列としては、ドラマのエピソードの後に劇場版のエピソードが繋がるといった順番のようですが、まずは劇場版だけ観てみるというのでも十分話にはついていけます。主人公は藤原竜也が演じる鷹野一彦。彼は国や企業などの機密情報を入手し売買するAN通信のエージェントで、24時間毎に本部に連絡しなければ爆発する爆弾を心臓に埋め込まれています。本作では彼が相棒の田岡亮一(竹内涼真)と共に、危険な任務に挑んでいく姿が映し出されると共に、なぜ鷹野がエージェントになったのかが描かれています。鷹野の過去と任務は無関係に見えますが、鷹野の行動や言葉のルーツが過去に紐づいていることが徐々にわかってくる後半では、人間ドラマの部分も盛り上がり、周囲のキャラクターへの興味も膨らみます。
本作は海外を舞台に展開する場面もあり、キャストもグローバルです。そして、本作は何といってもアクションが見どころ。壮大なスケールのアクションシーンはブルガリアで撮影され、日本では撮影不可能なシーンが実現したそうです。監督はアクションシーンは吹き替えなしで全編撮りたいとリクエストしたそうですが、藤原竜也、竹内涼真がどんな形で応えたかぜひ本編を観て確かめてください。あと、ふいに出てくるセクシーなシャワーシーンはスパイ映画あるある的な描写で思わずニンマリしてしまいますが、良い意味でお約束的なシーンを「待ってました!」とばかりに楽しむのもオススメです。

デート向き映画判定
映画『太陽は動かない』藤原竜也/竹内涼真

ラブストーリーはサブ的な要素ではありますが、鍵を握っているとも言えて、共感できる部分もあります。ただ特殊な世界を描いているだけに、自分達に置きかえて観るということはなさそうなので、カップルで観て気まずいこともありません。映像的にも展開的にも派手でエンタテインメント作品として観やすいので、年齢層なども問わずデートで観るのもアリでしょう。ただ、内容的にバイオレンスシーンは付きものなので、相手がそういう描写があっても大丈夫かどうかは配慮したほうが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『太陽は動かない』藤原竜也/竹内涼真

主人公の少年時代も描かれるので、キッズやティーンの皆さんも親近感を持って観られると思います。複数の組織の思惑が絡み合うので、小学生には少し難しく感じるかもしれませんが、中高生以上なら問題なくついていけると思います。常に時間との戦いも強いられるので、テンポも良く、緊張感を保ちながら観られるでしょう。大変な思いばかりする毎日のなかで、主人公がどんな思いで一日いちにちを過ごしているのかというメッセージにも耳を傾けてみると、私達の日常に繋がる部分もきっと見つかりますよ。

映画『太陽は動かない』藤原竜也/竹内涼真

『太陽は動かない』
2021年3月5日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

©吉田修一/幻冬舎 ©2020「太陽は動かない」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『燃えるドレスを紡いで』関根光才監督インタビュー 『燃えるドレスを紡いで』関根光才監督インタビュー

『燃えるドレスを紡いで』の関根光才監督にインタビューさせていただきました。ファッション業界や中里さんのお仕事を通じて、監督が参考にしたいと思った点や、劇映画とドキュメンタリーの監督をする上での違いについて聞いてみました。

映画『ラブリセット 30日後、離婚します』カン・ハヌル/チョン・ソミン ラブリセット 30日後、離婚します

離婚を控えた夫婦が交通事故により同時に記憶を失ってしまい、そのまま離婚協議が進むドタバタ劇が描かれたラブコメディです。口論を繰り返し…

映画『泣いたり笑ったり』アレッサンドロ・ガスマン アレッサンドロ・ガスマン【プロフィールと出演作一覧】

1965年2月24日イタリア、ローマ生まれ。父に俳優のヴィットリオ・ガスマン、母に俳優のジュリエット・メニエルを持つ。主な出演作に…

映画『コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー』フィリス・ナジー監督 『コール・ジェーン −女性たちの秘密の電話−』フィリス・ナジー監督インタビュー

今回は『コール・ジェーン −女性たちの秘密の電話−』の監督を務めたフィリス・ナジーさんにお話を伺いました。

映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章【レビュー】

浅野いにおによる原作「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を映画化した本作は2部作となっており…

映画『四月になれば彼女は』佐藤健/長澤まさみ 四月になれば彼女は【レビュー】

「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」と聞かれたら…

海外ドラマ『ラブ&デス』エリザベス・マーヴェル エリザベス・マーヴェル【プロフィールと出演作一覧】

1969年11月27日生まれ。アメリカ出身。主な出演作に、ドラマ“The District(原題)”『ハウス・オブ・カード』『FARGO/ファーゴ』…

映画『PS1 黄金の河』ヴィクラム 『PS1 黄金の河』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『PS1 黄金の河』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー』エリザベス・バンクス コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー【レビュー】

本作は、人工妊娠中絶が違法だった1960年代後半から1970年代初頭にかけて実在した安全な中絶手術を提供する女性主導の団体“ジェーン”を題材に…

映画『12日の殺人』ルーラ・コットン・フラピエ 感情の矛先はどこへ向ければよいのか【加害者と被害者の物語】特集

加害者と被害者の関係には、想像以上に多面性があります。今回は、そんな加害者と被害者の複雑な関係を描いた映画をご紹介します。

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ティモシー・シャラメ 映画好きが選んだ2023洋画ベスト

正式部員の皆さんに2023年の洋画ベストを選んでいただきました。どの作品が2023年の洋画ベストに輝いたのでしょうか?

映画『テルマ&ルイーズ 4K』スーザン・サランドン/ジーナ・デイヴィス あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『テルマ&ルイーズ』

今回は『テルマ&ルイーズ』のリメイクを作るとしたら…ということで、テルマ役のジーナ・デイヴィスとルイーズ役のスーザン・サランドンをそれぞれ誰が演じるのが良いか、正式部員の皆さんに聞いてみました。

映画『ミステリと言う勿れ』菅田将暉 映画好きが選んだ2023邦画ベスト

正式部員の皆さんに2023年の邦画ベストを選んでいただきました。どの作品が2023年の邦画ベストに輝いたのか、ランキングを発表!

REVIEW

  1. 映画『ラブリセット 30日後、離婚します』カン・ハヌル/チョン・ソミン
  2. 映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
  3. 映画『四月になれば彼女は』佐藤健/長澤まさみ
  4. 映画『コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー』エリザベス・バンクス
  5. 映画『ビニールハウス』キム・ソヒョン

PRESENT

  1. 映画『PS1 黄金の河』ヴィクラム
  2. 映画『ミセス・クルナス vs.ジョージ・W・ブッシュ』メルテム・カプタン
  3. 映画『青春 18×2 君へと続く道』シュー・グァンハン/清原果耶
PAGE TOP