REVIEW

わたし達はおとな【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『わたし達はおとな』木竜麻生/藤原季節

“劇団た組”を主宰する加藤拓也のオリジナル脚本による監督デビュー作となる本作は、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化する“(not) HEROINE movies<ノット・ヒロイン・ムービーズ>”プロジェクトの第1弾として制作されました。
主人公の優美(木竜麻生)は、恋人の直哉(藤原季節)と仲の良い友人に囲まれて大学生活を楽しんでいますが、ある日妊娠していることが発覚し、優美は直哉に妊娠とある秘密を告げます。秘密については本編をご覧いただくとして、将来の夢に向かって努力している真っ最中だった2人に、妊娠という現実が重くのしかかっていく様子はとてもリアルです。観ているこちらまでヒヤヒヤしてしまう場面もあり、それだけリアルな姿が映し出されているのは、俳優陣の演技力と監督の手腕だと感じます。
また、現在と過去のシーンが行ったり来たりする映像も本作の見どころの1つで、最初は「今はどっち?」と少々混乱しますが、注意深く観ることでだんだんと慣れてきます。恋愛初期の楽しかった過去と、関係がこじれて大変な現在との対比は物語のアクセントにもなっていて、恋愛経験のある方ならどんな人でも共感できると思います。
優美と直哉の行動や言動には賛否がありそうですが、人間ドラマとしての見応えは十分なので、観た人それぞれの反応が気になります。人間の本質がよく見える作品なので、経験は違っても自分にも同じようなところがないか、振り返るきっかけにもなりそうです。

デート向き映画判定
映画『わたし達はおとな』木竜麻生/藤原季節

妊娠にまつわることや、同棲の“あるある”も詰まっているので、カップルにとって参考になる点がたくさんあります。ただ、付き合いたてのカップルにとっては少々重たい内容なので、1人か友人同士で観ることをオススメします。また、優美や直哉の行動から、その場の空気に流されてしまうことの怖さや、節度ある行動の大切さも学べるので、相手を見極める目を養いつつ、皆さんは本当に楽しい恋愛をしてくださいね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『わたし達はおとな』木竜麻生/藤原季節

キッズにとってはピンと来ない内容が多いと思うので、せめて中学生くらいになってから観てください。ティーンなら、恋愛をする人も増えてくると思うので、本作を観て恋愛の楽しい面と大変な面を疑似体験して欲しいと思います。望まない妊娠については、残念ながら現実にもあり得ることなので、未然に防ぐためにも反面教師として観てください。

映画『わたし達はおとな』木竜麻生/藤原季節

『わたし達はおとな』
2022年6月10日より全国公開
PG-12
ラビットハウス
公式サイト

©2022「わたし達はおとな」製作委員会

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司 九龍ジェネリックロマンス【レビュー】

“ジェネリックロマンス”という要素から何を期待するのか、そして本作で描かれる“ジェネリックロマンス”をどう受け取るのかは…

映画『ユニバーサル・ランゲージ』 ユニバーサル・ランゲージ【レビュー】

本作の舞台は、ペルシャ語とフランス語を公用語とする架空の世界のカナダ・ウィニペグで…

映画『ヒックとドラゴン』ニコ・パーカー ニコ・パーカー【ギャラリー/出演作一覧】

2004年12月9日生まれ。イギリス出身。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合 『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ パルテノペ ナポリの宝石【レビュー】

イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督が初めて女性を主人公にして撮った本作の物語は、1950年にパルテノペが生まれるところから…

映画『8番出口』二宮和也 8番出口【レビュー】

観始めてスゴい設定だと驚き、何から何まで巧く作られていて…

映画『ムガリッツ』 『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『太陽がいっぱい』アラン・ドロン アラン・ドロン【ギャラリー/出演作一覧】

1935年11月8日生まれ。フランス出身。

映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン 大統領暗殺裁判 16日間の真実【レビュー】

1979年10月26日、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されました。本作は、その暗殺事件に関わったメンバーのうち、軍人だったために唯一軍法裁判にかけられたパク・テジュ(イ・ソンギュン)と…

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』 『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司
  2. 映画『ユニバーサル・ランゲージ』
  3. 映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ
  4. 映画『8番出口』二宮和也
  5. 映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン

PRESENT

  1. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  2. 映画『ムガリッツ』
  3. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
PAGE TOP