REVIEW

雪の花 ―ともに在りて―【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/芳根京子

REVIEW

江戸時代末期に猛威を振るい、多くの人々の命を奪った疱瘡(天然痘)。当時打つ手がないと考えられていたこの病に立ち向かったのが、福井藩の町医者で漢方医の笠原良策(松坂桃李)でした。彼は西洋医学について知り、京都の蘭方医、日野鼎哉(役所広司)に教えを乞い、やがて疱瘡の種痘(予防接種)を実現させることで多くの命を救えると考えるようになります。でも、種痘の苗を海外から取り寄せるのも、それを培養するのも至難の業。技術的な難しさはもちろん、政府や周囲の理解を得るのも難しい状況でした。それでも諦めなかった良策がどうやって種痘を広めることに成功したのかが本作で描かれています。

映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/宇野祥平

現代はさまざまな予防接種が存在しており、コロナ禍にもワクチン開発は関心を集めました。科学技術が進歩した現代でも大変なので、本作の舞台となる江戸時代にどうやって開発したのかはさらに想像がつきません。だから余計に、当時の具体的な方法を知るととても驚かされると思います。良策が並々ならぬ苦労と執念で取りかかったのはもちろん、彼を支えた妻の千穂(芳根京子)や、研究に協力した一般人の尽力にも感銘を受けます。

映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/吉岡秀隆

知識がない者にとって得体の知れないものだった種痘の開発に協力を得るのも一苦労な上に、利害関係によって開発と普及に邪魔が入る様子も見られます。ただ、実話ということで最終的にどうなるかをわかって観るので、安心して観られる部分もあるでしょう。最後には清々しい気持ちになれますよ。

デート向き映画判定

映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/芳根京子

千穂の良妻賢母ぶりも印象的です。一方が大きな課題に取り組む時、パートナーの理解なしには続きません。千穂はただ見守るだけではなく、行動でもサポートします。そして、それを当たり前に思わず感謝を示す良策の姿勢にも好感が持てます。なので、本作はパートナーシップのお手本としても観られるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/芳根京子

本作で描かれる種痘の苗の開発過程を知ると、改めて人間の体の仕組みや治癒力に驚かされるでしょう。また、同じ医者でも、治療するだけでなく予防することで、人の命を救うこともできるとわかるので、1つの職業に対する視野も広がるのではないでしょうか。

映画『雪の花 ―ともに在りて―』松坂桃李/芳根京子/役所広司

『雪の花 ―ともに在りて―』
2025年1月24日より全国公開
松竹
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2025映画「雪の花」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』 ペリリュー −楽園のゲルニカ−【レビュー】

絵は可愛らしいけれど、壮絶な内容です。本作は、武田一義が史実に基づいて描いた同名の戦争漫画を原作としています…

ドラマ『地獄に堕ちるわよ』戸田恵梨香 地獄に堕ちるわよ【レビュー】

本作は、実在した占い師、細木数子の半生を描いています。細木数子の他にも島倉千代子など実在の人物が登場するものの、1話の冒頭では「この物語は事実に基づいた虚構である」という一文が表示されています…

映画『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』ツェン・ジンホア ツェン・ジンホア【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月30日生まれ。台湾宜蘭県出身。

映画『プライベート・ケース』ジョディ・フォスター プライベート・ケース【レビュー】

ジョディ・フォスター初のフランス映画は、もちろん全編フランス語です…

映画『モアナと伝説の海』キャサリン・ラガイア モアナと伝説の海【レビュー】

アニメーションの“モアナと伝説の海”シリーズに魅了された者としては、実写で観てみたいという願いが叶っただけで、まず満足…

映画『スーパーガール』イヴ・リドリー イヴ・リドリー【ギャラリー/出演作一覧】

2011年12月13日生まれ。イギリス出身。

映画『Return to My Blue』吉原壮眞 Return to My Blue【レビュー】

「春休み、小学校の連絡帳に『無人島へ冒険に行ってきました』って書いたら、格好良くない?」という一言から始まった、無人島への冒険…

映画『左利きの少女』ニーナ・イエ/マー・シーユエン 『左利きの少女』一般試写会 10組20名様ご招待

『左利きの少女』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『PEACOCK/ピーコック』アルブレヒト・シュッフ PEACOCK/ピーコック【レビュー】

人間という社会的動物の残念な一面を揶揄する秀逸なストーリーです…

映画『トイ・ストーリー5』 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『死ねばいいのに』『ヌーヴェルヴァーグ』『トイストーリー5』など

今回は、『キングダム 魂の決戦』『チルド』『オブセッション 災愛』『死ねばいいのに』『ヌーヴェルヴァーグ』『トイストーリー5』を取り上げました。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  2. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  3. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以

REVIEW

  1. 映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』
  2. ドラマ『地獄に堕ちるわよ』戸田恵梨香
  3. 映画『プライベート・ケース』ジョディ・フォスター
  4. 映画『モアナと伝説の海』キャサリン・ラガイア
  5. 映画『Return to My Blue』吉原壮眞

PRESENT

  1. 映画『左利きの少女』ニーナ・イエ/マー・シーユエン
  2. 映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP