REVIEW

憑依【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『憑依』カン・ドンウォン

REVIEW

『憑依』というタイトルから受ける印象とは異なり、ホラーというよりもダークファンタジーのような世界観となっています。主人公のチョン博士(カン・ドンウォン)は、祈祷師の家系に生まれながら、霊は視えず、心理学を駆使した“トリック”によるインチキな除霊を生業としています。そんななか、ユギョン(イ・ソム)という名の女性から幼い妹に取り憑いた悪霊を除霊して欲しいと依頼を受けます。今回もいつものように悪霊は取り憑いておらずインチキな除霊で済むと高をくくっていたチョン博士でしたが、有能な祈祷師だった祖父から受け継いだ“鈴”が鳴り、突如悪霊と対峙することになります。

映画『憑依』ホ・ジュノ

序盤で描かれる、チョン博士と、助手のインベ(イ・ドンフィ)のインチキ除霊の背景には心理学的な観察と分析があり、どこかシャーロック・ホームズのようなテンションを感じます。チョン博士とインベというバディもホームズとワトソンのような役割分担に見えます。だから、冒頭の不穏なシーンで構えてしまう方がいたとしても、こうしたシーンが挟まれることでただのホラーではないことが伝わるはずです。
また、悪霊が登場するのでそれなりに不気味なシーンはあるものの、ダークファンタジーのような描写かつアクションシーンも豊富なので、目を覆いたくなるようなホラーとは異なります。その先を想像すると痛々しく感じるであろうシーンも露骨な描写を避けて寸止めされているので、ホラー入門者にも観やすいと思います。

映画『憑依』カン・ドンウォン/ホ・ジュノ

キム・ソンシク監督は、ポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』、パク・チャヌク監督作『別れる決心』、ホン・ウォンチャン監督作『ただ悪より救いたまえ』などで助監督を務め、満を持して本作で監督デビューを果たしました。そして、本作は本国の韓国で6日連続第1位を獲得しています。続編も作れそうなラストになっている点でも、期待が寄せられている作品といえるのではないでしょうか。

デート向き映画判定

映画『憑依』カン・ドンウォン/イ・ソム

本当にホラーが苦手という方を誘うのは避けたほうが良さそうですが、お互いに興味があるならデートで観るのもありでしょう。ロマンチックな展開は出てこないので、逆にどんな関係性でも観やすいと思います。インチキ除霊のトリックはコミカルに描かれているので、怖いだけではない感想も出てきて会話を楽しめそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『憑依』パク・ソイ

比較的トライしやすいホラーなので、ホラーは観てみたいけれど1人では怖いという方は、友達や家族を誘って一緒に観ると良いでしょう。キッズはある意味等身大で観てしまうと怖さが増すシーンがあるので、好奇心が旺盛でトラウマにならない自信がある場合を除き、もう少し大きくなって、ホラーに免疫ができてから観るほうが良いかもしれません。

映画『憑依』カン・ドンウォン

『憑依』
2024年9月6日より全国公開
ツイン
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2023 CJ ENM Co., Ltd., FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ ヒックとドラゴン【レビュー】

アニメーションの『ヒックとドラゴン』を観てから大好きで、劇場未公開の続編やテレビシリーズも含めて一通り観てきたファンとしては…

映画『タンゴの後で』アナマリア・ヴァルトロメイ/マット・ディロン タンゴの後で【レビュー】

本作の背景を知らずにタイトルとキービジュアルだけ見ると、素敵なラブストーリーと勘違いする方もいるかも…

海外ドラマ『9-1-1 LA救命最前線 シーズン7』ライアン・グスマン ライアン・グスマン【ギャラリー/出演作一覧】

1987年9月21日生まれ。アメリカ出身。詳しいプロフィールは→IMDb『9-1-…

映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司 九龍ジェネリックロマンス【レビュー】

“ジェネリックロマンス”という要素から何を期待するのか、そして本作で描かれる“ジェネリックロマンス”をどう受け取るのかは…

映画『ユニバーサル・ランゲージ』 ユニバーサル・ランゲージ【レビュー】

本作の舞台は、ペルシャ語とフランス語を公用語とする架空の世界のカナダ・ウィニペグで…

映画『ヒックとドラゴン』ニコ・パーカー ニコ・パーカー【ギャラリー/出演作一覧】

2004年12月9日生まれ。イギリス出身。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合 『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ パルテノペ ナポリの宝石【レビュー】

イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督が初めて女性を主人公にして撮った本作の物語は、1950年にパルテノペが生まれるところから…

映画『8番出口』二宮和也 8番出口【レビュー】

観始めてスゴい設定だと驚き、何から何まで巧く作られていて…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ
  2. 映画『タンゴの後で』アナマリア・ヴァルトロメイ/マット・ディロン
  3. 映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司
  4. 映画『ユニバーサル・ランゲージ』
  5. 映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ

PRESENT

  1. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  2. 映画『ムガリッツ』
  3. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
PAGE TOP