REVIEW
主人公のバイオレット(メーガン・フェイヒー)は、幼い一人息子を育てるシングルマザーで、壮絶な過去を乗り越え、ようやくデートをする気持ちになったところです。それなのに、デートにでかけたレストランで、見知らぬ者からメッセージを“ドロップ”され、バイオレットは家で留守番をする妹と息子の命と引き換えに、目の前にいるデートの相手ヘンリー(ブランドン・スクレナー)を殺すよう秘かに指示を出されます。

“ドロップ”とは、近い圏内でのデータ共有を指しています。つまり、見知らぬ相手でも通信圏内にいれば勝手にメッセージや画像、動画などを送ることができる機能を使った行為です。だから、バイオレットは犯人が半径 15m 以内にいる誰かであるとわかっています。それでもなかなか正体がつかめず、レストランにいる人物全員が疑わしく見えてきます。

ヘンリーにバレてはいけない状況かつ、犯人は至近距離にいながら、殺人の指示に従わずに息子達を救うにはどうすれば良いのか、本当に切羽詰まったバイオレットの状況を体感できる演出となっています。バイオレットと犯人の間だけではなく、挙動不審なバイオレットがどういう状況に置かれているかを探るヘンリーの立場と、三者で頭脳戦が繰り広げられるので、最初から最後まで目が離せません。

本作は、『屋根裏のアーネスト』の脚本・監督、『パラノーマル・アクティビティ:呪いの印』『ハッピー・デス・デイ』『ザ・スイッチ』と、ブラムハウスのヒット作を手掛けてきたクリストファー・ランドンが監督を務めていて、ブラムハウス作品のファンの期待に応えるスリリングな内容となっています。冒頭はそこそこ怖いけれど、ホラーではないので比較的観やすいでしょう。

途中アクション映画のような展開も出てくるので、一粒で何粒も美味しい作品となっています。クライマックスまではかなり追い詰められるものの、ラストは爽快感があるので、ストレス解消にもオススメです。
デート向き映画判定

本作はデート中の出来事を描いているので、デートで観るとさらに臨場感が増しそうです。最終的に最高のデートだったのかもしれない、なんて感じもするストーリーなので、初デートならなおさら自分達と重ねて観られて、鑑賞後は妙に連帯感が生まれるかもしれません(笑)。念のため、あらすじを伝えて、相手も興味を示したら、初デートで観るのもおもしろそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

数々のホラー映画で話題をさらってきたブラムハウス制作の作品ながら、本作はホラーではなくスリラーで、痛々しいシーンなども露骨に映ることが少なく、比較的観やすい作品となっています。主人公バイオレットの息子がとっても可愛くて、キーパーソンとなっています。小学校高学年以上で、スリル満点の作品にチャレンジしてみたい方なら、彼の目線で映画の世界に飛び込んでみてはどうでしょうか。

『DROP/ドロップ』
2025年7月11日より全国公開
東宝東和
公式サイト
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© 2025 Universal Studios
TEXT by Myson
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情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。