REVIEW
朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めています。なお原作は、映像化権をめぐり30社以上からオファーがあったといいます。

青砥健将(堺雅人)は、中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子(井川遥)に偶然再会します。そして、2人は気楽な飲み友達のような関係から、お互いに特別な存在になっていきます。でも、さまざまな経験を経た葉子は、ある思いを抱えていました。

健将と葉子は結婚歴があるものの、再会した時点では独り身です。ただ、お互いに多くを求めておらず、程よい距離感で接するようにしている点が逆に相性の良さを物語っています。また、本作では中学生の頃の回想シーンが併行して映し出され、2人の人となりがよくわかる構成となっています。同時に2人の人となりがわかればわかるほど、なぜ2人はこれまで一緒にいなかったのかという謎に引き込まれます。

本作は、青春ラブストーリーと大人のラブストーリーが融合している点でユニークで,「大人なんだから」という言い訳、足かせを上手く交わす展開に“夢”があります。でも、お花畑になり過ぎず、現実は現実で生々しさがある点で身近な物語として観られます。そして、恋愛至上主義でなくとも、やっぱり愛する人がいるという事実は生きていく上で大きな糧になるのだと教えてくれます。
デート向き映画判定

年齢を重ねるにつれて、どんどん恋愛のハードルの高さを感じる方も少なくないはずです。そして、何となく気になる相手がいても、イマイチ踏み込めないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方にぜひ相手と一緒に観て欲しい1作です。気負い過ぎずゆっくりと関係を吟味する方法としても、ヒントをもらえるのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

青春ラブストーリーの要素もあるので、ティーンの皆さんは中学生の頃の2人のやり取りには親近感が湧くと思います。一方、大人のラブストーリーのシーンは、“今”を逃すとどうなるかという未来のシミュレーションとして観られるでしょう。そして、特に葉子の過去と現在を両方観ることで、生い立ちが恋愛観に及ぼす影響について想像するきっかけにできそうです。

『平場の月』
2025年11月14日より全国公開
東宝
公式サイト
ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも
©2025映画「平場の月」製作委員会
TEXT by Myson
関連作
「平場の月」朝倉かすみ 著/光文社文庫
Amazonで書籍を購入する
本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

- イイ俳優セレクション/安藤玉恵
- イイ俳優セレクション/井川遥(後日UP)
- イイ俳優セレクション/宇野祥平
- イイ俳優セレクション/大森南朋
- イイ俳優セレクション/吉瀬美智子(後日UP)
- イイ俳優セレクション/倉悠貴
- イイ俳優セレクション/堺雅人
- イイ俳優セレクション/でんでん
- イイ俳優セレクション/中村ゆり(後日UP)
- イイ俳優セレクション/成田凌
- イイ俳優セレクション/前野朋哉
- イイ俳優セレクション/栁俊太郎




























