岩田剛典を主演に迎え、『決戦は日曜日』の坂下雄一郎が監督を務める映画『金髪』。今回は本作で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。
<PROFILE>
白鳥玉季(しらとり たまき):板緑(いたろく) 役
2010年1月20日生まれ。東京都出身。2016年、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でドラマ初出演を飾る。同年、西川美和監督作『永い言い訳』で映画デビューを果たす。2022年、李相日監督作『流浪の月』では、約800人の候補からオーディションで役を勝ち取った。主な出演作に、映画『ステップ』、『正欲』(2023)、『からかい上手の高木さん』(2024)、『アイミタガイ』(2024)などの話題作があり、その他にもドラマ『凪のお暇』(2019)、『テセウスの船』(2020)、『極主夫道』(2020)、『0.5の男』(2023)、大河ドラマ『どうする家康』(2023)、『いちばんすきな花』(2023)などがある。また、現在放送中のドラマ『ぼくたちん家』にも出演。
台本の中で役のヒントを見つけるとすごく嬉しい

シャミ:
最初に役が決まった時や脚本を読んだ時に物語や板緑というキャラクターにどんな印象を持ちましたか?
白鳥玉季さん:
板緑は、1聞けば10で返してくるタイプの子だなと思いました。私は1で返せることは1で返すタイプなので真逆だと思ったのですが、普通の子のような気もして、少し難しくて掴みどころのない子だと思いました。
シャミ:
もしご自身の周りに板緑のような子がいたら、お友達になれそうですか?
白鳥玉季さん:
板緑が私のことをどう思うかわかりませんが、私は興味を持つと思います。この子は何なんだろう、どんな感じだろうと知りたくなる気がします。

シャミ:
本作は学校を舞台に社会的なテーマも含まれた作品でしたが、事前に準備されたことや、監督と何か話し合ったことはありますか?
白鳥玉季さん:
台本にはあまり使ったことがない言葉が出てきたので、まずはそういった言葉を調べるところから始めました。劇中、板緑について描かれているシーンはあまりなく、ヒントが少なかったので、板緑はどんなことが好きなのかなど、監督といろいろな話をしました。でも、その掴みどころがないところも板緑の魅力だと思うんです。板緑のことを何も知らない人でも、彼女の話を聞くだけでなぜか説得力を感じてしまうところがあると思いますし、最終的にはそれが魅力なんだという結論に至りました。
シャミ:
そういう掴みどころのないキャラクターを演じる上で工夫された部分はありますか?
白鳥玉季さん:
謎解きをするような感じで台本の中で役のヒントを見つけるとすごく嬉しいんです。なので明確に示されてない分、台本をたくさん読んでここは演じる上でヒントになるなという部分を見つけていきました。その作業がすごく楽しくて嬉しくて、だから全然苦ではありませんでした。

シャミ:
むしろやり甲斐を感じられていたんですね。
白鳥玉季さん:
とてもやり甲斐がありました。
シャミ:
板緑は金髪デモの発案者でしたが、彼女を演じる上で特に意識され部分、特に大変だったところはありますか?
白鳥玉季さん:
今回は長台詞がすごく多くありました。普段の会話はこまめに相槌を挟みますが、今回は相槌の後に長めの台詞が入ることが多かったので、私が一人で喋っていても飽きさせないようにセリフのテンポ感などを意識しました。
シャミ:
長台詞が多いと覚えるのも大変そうですね。

白鳥玉季さん:
そうなんです。先生役の岩田剛典さんとよく大変だねと話していました。
シャミ:
お二人共長台詞のシーンがたくさんありましたよね。本作で岩田さんと共演された感想はいかがですか?
白鳥玉季さん:
やはりお互いに長台詞が多かったので、励まし合っていたことが特に印象に残っています。長台詞のシーンは、本当に何テイクも撮りました。
シャミ:
すごく緊張感がありそうですね。
白鳥玉季さん:
ずっとドキドキでした。

シャミ:
板緑が発案した“⾦髪デモ”は、大きなムーブメントとなっていきました。白鳥さんがもし何かムーブメントを起こすとしたら、何かやってみたいことはありますか?
白鳥玉季さん:
イベントの時に街中で皆が被り物や仮装をする文化を広めたいです!
シャミ:
とても楽しそうですね!劇中の金髪姿もかなりインパクトがありましたが、金髪になったのは今回が初めてですか?
白鳥玉季さん:
初めてです。今回は特注で作っていただいたウィッグを被って臨んだのですが、メイクさんの技術が素晴らしくて、朝から時間をかけてセットしていただきました。すごく軽いし、演技をしていても全く気にならないんです。本当に自分の髪の毛のようでした。自分の髪の毛がある上でウィッグを被るので、毛量が少なめになっていて、触っているとすごく気持ちが良くて、よく手で触っていました(笑)。

シャミ:
とても自然な金髪でした!ご自身で初めて金髪姿をご覧になった感想はいかがでしたか?
白鳥玉季さん:
別人かと思いました。見慣れない姿だったので、少し顔の印象も変わった気がして、髪色ってすごいなと思いました。撮影に入る前に地毛を染めるかウィッグにするのか話し合いを重ねて、私はできれば染めたいと思っていたのですが、美容師さんと相談した結果、今回はウィッグでやろうという結論になりました。正直地毛でやりたかったという悔しさがあるので、いつかリベンジしたいです。
シャミ:
地毛バーションの金髪もいつかぜひ見てみたいです!先ほど、板緑とご自身とでは少し違うというお話もありましたが、彼女に共感できた部分はありますか?
白鳥玉季さん:
私も含め同世代の方が観る場合、この作品は共感とは少し違うのかなと思います。なので、この作品を今観る理由としては、大人になって共感するために観るということでいかがでしょう。

シャミ:
とても良いですね!私達大人世代だと、主人公の先生に共感する部分があったり、むしろグサッと刺さる部分も結構ありました(苦笑)。
白鳥玉季さん:
大人の方はそうおっしゃってくださるのですが、私自身はまだ共感できる部分があまりなかったので、まずは今の感覚で観てまた大人になってから改めて観るのも良いと思います。そうやって何度も楽しんでいただけたら嬉しいです。
シャミ:
時間をあけて繰り返し観るとまた新しい発見がありそうですね!では、ここからは白鳥さんご自身についてお伺いします。最初に俳優のお仕事に興味を持ったのはいつ頃だったのでしょうか?
白鳥玉季さん:
俳優のお仕事により興味を持つきっかけになったのは、『流浪の月』です。李相日監督と話して、作品や役について考えたことで意識がガラッと変わりました。その時は準備期間がすごく長かったので、家の中だけで考えるというよりもっと外に出て広い範囲で考えるというか、今までの役作りをしていてはダメだと思ったタイミングでした。

シャミ:
ターニングポイントだったんですね。では今後挑戦してみたい役や作品のジャンルがあったら教えてください。
白鳥玉季さん:
少し悪めの役をやってみたいです。今までは闇があって影のある塞ぎ込んでいるタイプの役が多かったので、むしろそういう塞ぎ込んでしまう子を作り出してしまうきっかけになるような役に挑戦してみたいです。これまでの経験からそういう役も向いているのではないかと実は少し自信があります(笑)。
シャミ:
素晴らしいですね!今後を楽しみにしています。
白鳥玉季さん:
ありがとうございます!

スタイリスト:伊里瑞稀/Mizuki Iri
シャミ:
では最後の質問です。これまでで1番影響を受けた作品、もしくは俳優さんや監督などの人物がいらしたら教えてください。
白鳥玉季さん:
俳優さんや監督に限らず、スタッフの方達からもすごく影響を受けていて、現場での居方や気の遣い方みたいなものも現場で学んでいて、皆さんすごく丁寧で素敵な方ばかりなので、ご一緒してきたすべての方を尊敬しています。
シャミ:
すごく素敵ですね!本日はありがとうございました。
2025年9月24日取材 TEXT by Shamy

『金髪』
2025年11月21日より全国公開
監督・脚本:坂下雄一郎
出演:岩田剛典/⽩⿃⽟季/⾨脇⻨/⼭田真歩/田村健太郎/内田慈
配給:クロックワークス
その⽇、中学校教師の市川の⼈⽣を⼤きく変える出来事が起きた。⼀つは担任クラスの⽣徒数⼗⼈が髪を⾦⾊に染めて登校してきたこと。そしてもう⼀つは、彼⼥から結婚の話を切り出されたこと。マスコミやネット、さらには⽂科省まで巻き込み⼤騒動になる“⾦髪デモ”と、彼⼥からの⾟辣な説教で板挟みになる市川は、窮地を脱するために“⾦髪デモ”を計画した張本⼈の板緑と⼿を組み、ある作戦に打って出るが…。
公式サイト
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©2025「金髪」製作委員会

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