REVIEW

アド・アストラ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『アド・アストラ』ブラッド・ピット

感動という単純な言葉で言い表したくないくらい、いろいろな意味ですごく心に刺さりました。映画そのものもとても素晴らしいし、私自身のパーソナルな部分にもすごく響くところがあって、何とも言えない心境になりました。人生に何かしらのインパクトを与えてくれるくらいの作品で、良い意味で観てから何日も引きずってしまうほどのパワーがあります。そして、ブラッド・ピットの演技が最高で、カッコ良すぎました!壮大な宇宙を舞台にしながらも、1人の男の心の旅を描いていて、アップのシーンがすごく多いんですが、細かい表情が主人公ロイの心の奥を映し出していて、観ているこちらも自然に同調できます。と同時に、ブラピのカッコイイ表情に見とれるわけです(笑)。で、彼の細かい心の動きを映し出すことの重要性でいうと、人間にとって感情がいかに大事かということです。ロイは感情を押し殺していて、それが宇宙飛行士として有能であることの一つの利点にはなっていますが、彼が“人間らしい”幸福な人生を受け入れられずにいる側面を表してもいます。彼が感情を手放してしまった背景には、父との関係が大きな影を落としているわけですが、父と同じく宇宙飛行士になり、宇宙で消息を絶った父を探しに行くことで、長年の彼の問題と向き合うことになります。この物語を象徴するすごく良いセリフがあるのですが、ネタバレになるので敢えて書かないことにしてテーマだけを明かすと、これは人間の孤独とは何かを知る物語になっています。孤独が好きと言えるのは、本当の孤独を知らないからであり、本当の孤独を知ると、人と生きることの尊さを知るんだなと思いました。宇宙の壮大さ、厳しさ、静けさが、人間の個としての存在とのコントラストになっていて、人間という生き物のあるべき姿を浮き彫りにするストーリー、演出も本当に見事です。これから先、何度でも見返したい1作です。

デート向き映画判定
映画『アド・アストラ』ブラッド・ピット

愛する人と生きることについても考えさせられるストーリーで、ぜひカップルで観て欲しい作品です。特にこれから人生を共にしたいと考えるくらいの相手と観て、共有して欲しいテーマが描かれています。正直ど派手な演出はあまりなく、とても静かに展開していくストーリーですが、誰にでも共感できます。オススメの対象は老若男女問わずではありますが、特に大人のほうがリアルな自分の実体験を通じて、心に響くと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『アド・アストラ』ドナルド・サザーランド

キッズにはまだ難しい内容で、いろいろな経験を経て観たほうが、リアルな感覚でいろいろと想像できる部分があると思いますが、主人公が子どもの頃に体験したことが、彼の人生に大きなインパクトを与えていることを考えると、若くして観ても、大人とは違うところで刺さる部分があるように思います。誰かと一緒に観るとしたら、ストーリーからして親子で観ることをオススメします。

映画『アド・アストラ』ブラッド・ピット

『アド・アストラ』
2019年9月20日より全国公開
20世紀フォックス映画
公式サイト

© 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ブゴニア』エマ・ストーン ブゴニア【レビュー】

それぞれに強烈な世界観を持つ作品を作り出してきたヨルゴス・ランティモスとアリ・アスターがタッグを組んだ本作は…

映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス たしかにあった幻【レビュー】

フランス、パリから神戸にやってきたコリー(ヴィッキー・クリープス)を主人公とした本作では、コリーの目線を通して日本人の死生観が…

映画『禍禍女』南沙良 禍禍女【レビュー】

南沙良、前田旺志郎、アオイヤマダ、髙石あかり、鈴木福といった若手実力派が名を連ね、ゆりやんレトリィバァが初監督を務めた本作は、監督自身が経験した実際の恋愛を基に作られた…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』アダム・サンドラー アダム・サンドラー【ギャラリー/出演作一覧】

1966年9月9日生まれ。アメリカ生まれ。

映画『レンタル・ファミリー』ヒット祈願&記者会見:HIKARI監督、ブレンダン・フレイザー、平岳大、山本真理、ゴーマン シャノン 眞陽、柄本明 この作品は孤独、寂しさへのラブレター『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー来日!ヒット祈願&記者会見

『37セカンズ』で世界的な注目を集めたHIKARI監督の最新作『レンタル・ファミリー』の公開を控え、主演のブレンダン・フレイザーが約2年ぶりに来日を果たしました。

映画『FRÉWAKA/フレワカ』クレア・モネリー FRÉWAKA/フレワカ【レビュー】

REVIEWタイトルになっている“フレワカ”は、「現地の言葉<fréamhacha(フレー…

映画『トゥギャザー』アリソン・ブリー/デイヴ・フランコ トゥギャザー【レビュー】

とにかく強烈な作品です(笑)。脚本も担当したマイケル・シャンクス監督は…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ ツーリストファミリー【レビュー】

スリランカでの苦しい生活から逃れるために、インドに密入国した一家が主人公の本作は、新人監督によって低予算で作られた作品でありながら…

映画『喝采』ピアース・ブロスナン ピアース・ブロスナン【ギャラリー/出演作一覧】

1953年5月16日生まれ。アイルランド、ナヴァン出身。

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ローラ・カーマイケル/ミシェル・ドッカリー 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年1月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年1月】のアクセスランキングを発表!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. 映画『ブゴニア』エマ・ストーン
  2. 映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス
  3. 映画『禍禍女』南沙良
  4. 映画『FRÉWAKA/フレワカ』クレア・モネリー
  5. 映画『トゥギャザー』アリソン・ブリー/デイヴ・フランコ

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP