REVIEW

惡の華

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『惡の華』伊藤健太郎/玉城ティナ

「自分は変態なのか?だとしたら、どうすれば良いんだ」と主人公と同じ目線で観るのと、思春期特有の焦燥感の抽象表現として客観的に観るのとで、印象が変わりそうです。描写は極端ではあるものの、誰もが一度はこういう感覚を持ったことがあるのではないかと思える若者達のいろいろな心理を描いていて、親近感は湧いてきます。大人になるとこういった感覚を忘れるかも知れませんが、思春期だったら答えを探すのに必死になるのもわかります。社会的に世間体的に“こうだろう”と思われる方向と、自分の本心が向かう先が違う場合、アイデンティティが形成されつつある中高生の段階なら、本人の中で大きな問題になり得ます。内に閉じ込めていたものが吹き出すシーンがたくさん出てきますが、若者達のあがきの象徴と考えると、この激しさにも納得です。

デート向き映画判定
映画『惡の華』伊藤健太郎/玉城ティナ

ラブストーリーの要素もありますが、自分の気持ちに折り合いをつけられずに悩む主人公のもがきを軸に物語は展開し、さらに何度も主人公がクソムシ呼ばわりされるので、デートのムードが盛り上がるようなストーリーではありません(苦笑)。女子のドロドロした内面が吹き出すシーンも多々出てくるので、デートで観るには不向きでしょう。同性の友達と観るか、1人でじっくり観ることをオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『惡の華』伊藤健太郎

PG-12なので、保護者と一緒なら12歳未満の人も観られますが、親子で観るのは気まずい部分もあるでしょう。なので、キッズは中学生になってから観ると良いと思います。主人公達の中学生から高校生までの出来事を描いていて、ティーンの皆さんは身近に感じるストーリーです。誰にでも人には言えない悩み事があって、それが皆と比べて普通かおかしいかを知りたいお年頃だと思いますが、悩みの種類は違っても、皆同じように悩んでいると心強く思えるはずです。

映画『惡の華』伊藤健太郎/玉城ティナ//秋田汐梨/飯豊まりえ

『惡の華』
2019年9月27日より全国公開
PG-12
ファントム・フィルム
公式サイト

©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP