REVIEW

エンテベ空港の7日間

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『エンテベ空港の7日間』ロザムンド・パイク/ダニエル・ブリュール

1976年に起きた、イスラエル・テルアビブ発パリ行きのエールフランス機ハイジャック事件を映画化。約240名の乗客を人質にしたハイジャック犯は4人で、うち2名はパレスチナ解放人民戦線のパレスチナ人、あとの2人は革命を志すドイツ左翼急進派でした。当時の世界情勢が頭に入っていないと、人物相関図、国同士の関係性を把握するのに少々苦労しますが、国同士の駆け引きに注目して観るのか、ハイジャック犯や人質、政府関係者など個人にまつわる人間ドラマとして観るかによって、作品を観た後の印象も変わってくるでしょう。ハイジャック犯については、革命家としての部分と、1人の人間としての部分が、それぞれの犯人の心の中で葛藤していて、事件解決までの真相を知る以外に、いろいろな立場の視点を想像することもできます。また、ハイジャック犯と人質の間で生まれた交流が描かれることで、余計に「1人の人間同士なら交流できるのに、なぜ?」という思いも増幅させられます。そして、人質の現場と政府関係者の会議の場の対比によって、政治と国民との距離を感じさせられる内容になっています。

デート向き映画判定
映画『エンテベ空港の7日間』ロザムンド・パイク

正直なところテーマというか、背景が複雑で、とっつきやすい作品とは言えません。政治に関心がある人同士なら会話も弾むかも知れませんが、それ以外の人に関しては、デート向きではないでしょう。ある程度知識があるほうが頭に入りやすいので、自分の知識だけでは不安な人は、観終わった後に解説してくれそうな友達と一緒に観るほうが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『エンテベ空港の7日間』ダニエル・ブリュール

近代史を勉強している学生なら、こういった実際の事件をきっかけに歴史を知ると、もっと興味が湧くでしょう。観終わった後に詳細を調べてみるのもありですが、事前に多少調べてから観たほうが、国家間の問題なども頭に入ってきやすくなります。映画を観ながら勉強にもなるので一石二鳥ですね。

映画『エンテベ空港の7日間』ロザムンド・パイク/ダニエル・ブリュール

『エンテベ空港の7日間』
2019年10月4日より全国順次公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト

© 2017 STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

映画『ラ・コシーナ/厨房』ラウル・ブリオネス/ルーニー・マーラ ラ・コシーナ/厨房【レビュー】

イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲“調理場”を映画化した本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  2. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  3. 映画『リライト』池田エライザ
  4. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李
  5. 映画『プレデター:最凶頂上決戦』

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP