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ウエスト・サイド・ストーリー【レビュー】

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映画『ウエスト・サイド・ストーリー』アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をモチーフに、舞台をアメリカ、ニューヨークに置きかえ、人種間の対立の中で恋する2人を描いた“ウエスト・サイド物語”は、1957年9月26日にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生し、1961年には映画化されました。それから長らく多くの人々を魅了してきた作品が、スティーヴン・スピルバーグ監督の手によって映画化されるとあって、期待している方も多いのではないでしょうか。
映画俳優の中にも歌唱力が高い方はたくさんいますが、本作では主演にアンセル・エルゴートを据え、脇はブロードウェイで活躍する俳優が固めていて、ミュージカルファンの期待にも応えようという姿勢が伝わってきます。それぞれのキャストの歌唱力はもちろん、キレキレのダンスに見応えがあり、大勢で踊るシーンも豊富なので、ミュージカルの醍醐味が味わえます。また、舞台だと広さに限界がありますが、映画ということで広々とした場所で踊っている姿を、上空から全体像を観たり、アップで観たり、いろいろな角度から観られるのも嬉しい演出です。そしてマリア役を射止めたのは、オーディションで3万人以上の中から選ばれたレイチェル・ゼグラー。大きくて綺麗な瞳が印象的な彼女は澄んだ歌声も魅力的で、2022年から撮影開始とされている実写版『白雪姫』でも主人公を務めるとのことです。スピルバーグ監督作『ウエスト・サイド・ストーリー』で映画デビュー、続けてディズニーの実写版『白雪姫』で主演とはかなりの大型新人ですね。でもそれも納得の輝きを本作で放っています。
多くの方は、結末を知った上でこの物語をご覧になると思いますが、色褪せないストーリーであると同時に、今も昔も変わらずに憎み合う必要のない人々の間で敵対する状態が続いている悲しい現実が描かれているといえます。だからこそ本作は今再び作られたのだと思います。スピルバーグ監督作はどれもただの娯楽で終わらず、いつも何かしら社会に対する問題提起をしている点は本作にも通じています。私達の身の回りにもこういう不必要な諍いがあるとすれば、見直すきっかけになると良いなと思います。もちろんまずはエンタテインメント作品としても楽しんでください!

デート向き映画判定
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』レイチェル・ゼグラー

とてもロマンチックで切ないストーリーなので、デートの雰囲気にピッタリです。もちろん初デートでもオーケー、交際ホヤホヤのカップルなら余計に気持ちが盛り上がりそうです。ベテランカップルも出会った当時のキュンキュンした気持ちを思い出して、ちょっと気持ちがリフレッシュできるのではないでしょうか(笑)。いろいろなハードルを乗り越えて今交際を続けているカップルなら余計に盛り上がりそうです。デートらしいデートをしたい方はぜひ一緒にご覧ください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』

素敵なラブストーリーだなという観方もできるし、今も続いている社会問題として観ることもできます。なぜ彼らは争っているのかということを考えながら観ると、そこには人種の違いだけでなく、私達の日常でも同じように諍いの原因となっているようなことが浮かび上がってきます。1950年代のアメリカ、ニューヨークが舞台ですが、現代の私達の日常にも通じる物語なので、悪しき風習を変えていける可能性を持つ若い方にもぜひ観て欲しいです。

映画『ウエスト・サイド・ストーリー』アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー

『ウエスト・サイド・ストーリー』
2022年2月11日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

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