REVIEW

女医フォスター 夫の情事、私の決断

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』サランヌ・ジョーンズ

後半5話(DVD)/シーズン2(Hulu)

ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』サランヌ・ジョーンズ

妻に浮気を暴かれ離婚し、浮気相手と一緒に町を出て行った夫が戻ってくるところから始まる後半5話。前半のドラマだけで十分に盛り上がり、綺麗な終わり方をしたので、これ以上どんな展開があるのかと思っていましたが、後半では夫の反撃が描かれています。でも、あの手強い主人公(元妻)ですから、簡単にやり込められるはずもなく、彼女がいかに狡猾でプライドが高いかが一層わかるストーリーになっています。浮気をされた点や子どもだけは守ろうとする主人公の気持ちには共感できる部分があるものの、やはりこの主人公は怖すぎる!そして、何よりこの夫婦がクレイジーなんだなということが伝わってきて、もう共感するかしないかというよりも、野生動物の対決を観ているような感覚すら覚えます(笑)。でもそうやって対決ばかりに目を向けている鑑賞者の視点を上手に裏切る結末が待っていて、急激に現実を突きつけられてハッとさせられます。「この作品が本当に言いたかったところはこういうことだったのね」と気付かされて、物語の構成の上手さというか、演出の仕掛けの上手さを感じます。10話で完結するし、展開も早いし、一気に観られるのでオススメですよ。


前半5話(DVD)/シーズン1(Hulu)

海外ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』サランヌ・ジョーンズ/バーティ・カーヴェル

「夫が浮気してるかも?」と疑い始めてから、それを突き止めようとしたり、突き止めたと思ったらそこから夫との駆け引きが始まったり、自分の中で関係を続けるか葛藤したり、短絡的に離婚へまっしぐらというわけではなく、紆余曲折する様が観ていて引き込まれます。基本的には男女問題は万国共通だなと思えますが、肉体だけの浮気に対するスタンスはこのドラマに出てくる設定のほうが開き直りが激しい気がして、そこは多少民族の違いみたいなものも感じます。絶対に男は浮気をするものだという理論で進んでいくので、女子の皆さんがこれをどう受けとめるのか、女子トークに華が咲くに違いないドラマです。なので身近な友達にも観て欲しくなるはず。そして、全5話しかなく、すごく展開が早いのですが、4話目の妻のキレっぷりがある意味爽快。そんなシーズン1は綺麗に終わったように見えますが、シーズン2が既に存在しているので、これ以上のややこしい状況ってなんだろうと想像すると観ないわけにはいきません。でも、本当に一気観しやすいドラマなので、とりあえずシーズン1だけでも観てみてください。

『女医フォスター 夫の情事、私の決断』
Huluにて配信中
Hulu公式サイト
2019年8月2日DVDレンタル開始、9月6日DVD-BOX発売
公式サイト

Phil Fisk © Drama Republic 2015

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  2. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  5. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP