REVIEW

殺人を無罪にする方法【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン1』ヴィオラ・デイヴィス

シーズン6(ファイナル)

シリーズ開始当初から、この設定でどこまで話が続けられるのかが想像がつきませんでしたが、思った以上にいろいろな展開があって、このシーズン6でファイナルとなりました。意図せず犯した殺人を強引に隠し通して、それが次から次へとさらなる殺人事件を生んでしまう。その渦中にいるアナリーズ達は生きた心地がしない生活をずっと続けているわけですが、これが実話だったらメンタルがやられていると思います(笑)。そこがドラマだからこそ、どんな弁護をするのか、どう法律を使いこなすのかが楽しめて、実用的とは言わないまでも法廷ドラマとして見応えがあります。
また、シリーズを追う毎にやりたい放題加減が増してきたなと思うところもありますが(笑)、追い詰められて冷静さを失い、暴走してしまう面々の行動にはそれなりのリアリティがある点で、人間ドラマとしても惹きつけるものがあります。解決しそうになっては後戻りをするもどかしさと同時にスリルも増して、続きが観たくなる演出はシリーズを通して維持されていたと思います。今シーズンでは仲間の中でもそれぞれの選択が大きな意味を持ち、ハラハラドキドキな展開が最高潮になっている点でもファイナルにふさわしいストーリーと言えるでしょう。最後の最後は力業で片付けた感が若干残る部分もありますが(苦笑)、これが1番綺麗な終わり方だったのかもしれません。そして、何よりアナリーズというキャラクターの変遷から、主演のヴィオラ・デイヴィスがこの作品にそそぐ熱量がうかがえます。いろいろな角度で見どころがあるドラマです。1話完結に近い法廷ドラマも良いですが、続きものとして観るほうがお好きな方は観てみてください。

『殺人を無罪にする方法 シーズン6』
Netflixにて配信中
Netflix公式サイト

TEXT by Myson


シーズン5

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン3』ヴィオラ・デイヴィス/ライザ・ウェイル
上写真:シーズン3より

一難去ってまた一難ということで、前シーズンのラストでは、謎の人物が登場しました。今シーズンはそれが誰なのかというのが鍵となり物語が展開していきます。そしてアナリーズ、ボニー、フランクの過去が紐解かれていき、あの3人がなぜあんなに因縁が深いのかがわかる点で興味深く観られます。アナリーズのためなら何でもやるボニーですが、彼女の意外な一面が見えてくるのも今シーズンの見どころ。さらにボニーの恋愛が波乱を呼ぶことになりますが、理性の塊のようなボニーが感情で揺さぶられるシーンの数々が印象に残るシーズンとなっています。
さらにネイトの父の事件を含めた集団訴訟が進んでいくなかで、新たな敵が浮上。今回は、政治的なストーリーが色濃くなっていて、法廷外での頭脳戦も見ものです。アナリーズ達が優勢となりホッとできたかと思うと、また騙されたり、今シーズンも油断ができず、一気に観てしまいます。ラストまで観て、なんだかんだで結局そこに行き着くのかと思える要素もありますが、そこまで引っ張るほどおもしろいカラクリをまだ用意しているのかもしれないという期待は持てます。

『殺人を無罪にする方法 シーズン5』
Netflixにて配信中
Netflix公式サイト

TEXT by Myson


シーズン4

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン1』ヴィオラ・デイヴィス
上写真:シーズン1より

『殺人を無罪にする方法』というタイトルなので、殺人が起こるのは当然なのですが、前シーズンで衝撃的な展開があったので、今シーズンも誰が亡くなるのかわからない緊張感があります。そして、冒頭から意外な展開で、これまでチームワークで危機を乗り切ってきた彼らが、アナリーズの一存で解散。皆バラバラに活動することになりますが、アナリーズが自分達を見放したと感じて反発したり、復讐じみた行為をしたり、新たな波乱が巻き起こります。とはいえ、過去に囚われている状況は変わらず、なんだかんだで繋がりを保ち続けているのですが、あれだけの信頼関係ができていただけに、誰が敵か味方かわからない点で、これまでとは違った展開が楽しめます。
そして、今回は妊娠していたローレルがドラマを大きく動かす鍵となっていて、子どもは無事生まれたのかどうかというところから、展開が広がっていきます。さらにウェスの事件に関わる新たな事実が出てきたり、生徒一人ひとりのキャラクターもどんどん掘り下げられて、意外な一面が見えてくるので、まだまだ読めない展開が出てきそうだと期待が膨らみます。個人的にコナーの恋人オリバーが癒し系でお気に入りなのですが、今シーズンではメインキャラクターの1人として物語を大きく動かす役割を担っています。チームが解散したことで、別の組織や新たなキャラクターも加わり、新鮮味もあります。今シーズンも一気に観てしまうおもしろさがありますよ。

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン2』ジャック・ファラヒー/カーラ・ソウザ/アヤ・ナオミ・キング
上写真:シーズン2より

『殺人を無罪にする方法 シーズン4』
Netflixにて配信中
Netflix公式サイト

TEXT by Myson

シーズン1〜3のREVIEWはこちら

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン1』ヴィオラ・デイヴィス/アルフレッド・イーノック/ジャック・ファラヒー/カーラ・ソウザ/アヤ・ナオミ・キング

殺人を無罪にする方法 シーズン1
DVDレンタル中・発売中

© 2016 ABC Studios.

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン2』ヴィオラ・デイヴィス/アルフレッド・イーノック/ジャック・ファラヒー/カーラ・ソウザ/アヤ・ナオミ・キング

殺人を無罪にする方法 シーズン2
DVDレンタル中・発売中

© 2017 ABC Studios.

海外ドラマ『殺人を無罪にする方法 シーズン3』ヴィオラ・デイヴィス

殺人を無罪にする方法 シーズン3
DVDレンタル中・発売中

© 2019 ABC Studios.

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』オリジナルグッズ<チャージングパッド&チャージケーブルセット> 3名様プレゼント

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ 『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶 星と月は天の穴【レビュー】

映画に対してというよりも、本作で描かれる男女のやり取りについては、解釈の仕方および、その解釈に伴った好みが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ
  2. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  3. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶
  4. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  5. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP