映画『美食家ダリのレストラン』批評、デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定

REVIEW

美食家ダリのレストラン【レビュー】

REVIEW

20世紀を代表する芸術家サルバドール・ダリと三ツ星レストラン“エル・ブジ”の料理長フェラン・アドリアという2人の天才が、もし同じ時代に活躍していたとしたら？というアイデアから生まれた本作。監督は、サルバドール・ダリとフェラン・アドリアについてのドキュメンタリー映画を制作した実績を持つダビッド・プジョルが務めています。劇中では、ダリのアートを模したさまざまなオブジェや“エル・ブジ”で実際に提供された独創的な料理も登場します。
物語の舞台は、1974年、フランコ政権末期のスペイン。あることをきっかけにバルセロナを追われた料理人のフェルナンド（イバン・マサゲ）とアルベルト（ポル・ロペス）兄弟は、友人の助けによりサルバドール・ダリの住んでいる海辺の街カダケスに身を寄せます。そこでダリをこよなく愛するオーナーのジュールズ（ジョゼ・ガルシア）が営むレストランで働くことになります。
最初はダリに興味のないフェルナンドですが、ダリの才能に触れることで次第に感化されていきます。そんな2人の天才のぶつかり合いはとても見応えがあります。とはいえ、最初フェルナンドは天才扱いされていない点もポイントで、彼が少しずつ実力を発揮し、ジュールズをはじめ周囲から認められていく姿も見どころです。

出演は、ジョゼ・ガルシア、イバン・マサゲ、ポル・ロペス、クララ・ポンソらフランスやスペインの俳優達です。特にジョゼ・ガルシア演じるジュールズが、ダリにレストランへ来て欲しいあまりにとる行動はとてもユニークなので、そんな彼のチャーミングな姿にも注目です。料理やアートへの興味に関係なく、どんな方にもオススメの作品です。落ちぶれたシェフとレストランの再生物語としても楽しめるので、何かに失敗したり、くじけた時に観ると勇気をもらえるのではないでしょうか。

デート向き映画判定

恋愛要素も少しあります。いろいろなところで恋の気配があるので、誰と誰が恋に落ちるのか見守りつつご覧ください。どのキャラクターも情熱的で、相手と一気に距離が縮まる展開もあるので、奥手な方はその技を参考にするのもアリです。また、アートや料理をテーマとした作品なので、次回はアート鑑賞や高級レストランでデートをするのも良いと思います。