REVIEW

ハケンアニメ!【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ハケンアニメ!』吉岡里帆/中村倫也/柄本佑/尾野真千子

好きなことを仕事にする難しさと楽しさ、有り難さをとても爽快に描いた作品です。本作を観ると、アニメを作るというクリエイティブな仕事は正解がないからこそ制作に携わる人達の価値観やこだわりがぶつかり合い、それをまとめていくのは至難の業だとわかります。そして、良いものを作りたいという情熱だけで突っ走ってもダメで、どこまで突き詰めるべきかもわかりません。本作の主人公、斎藤瞳(吉岡里帆)は若くして話題作の監督に大抜擢されるものの、自分の思い入ればかりが先走って、なかなかスタッフやキャストをまとめられません。また、制作に専念したいのに宣伝活動に駆り出されるばかりで納得がいかないことを多く感じています。そんな彼女がどんな風に作品を完成させるのかは本編を観ていただくとして、彼女が抱く感情は職種や状況は違えど、誰もが感じたことがあるものだと思います。
仕事に対する思い入れが強ければ強いほど、現実と理想のギャップにがっかりすることは誰にでもあるはずです。でも、自分に見えている景色の奥にまだ見えていないことがあるかもしれません。思い通りにいかない、皆が協力してくれないと嘆く前に、自分の視野を広げてみると、ガラッと景色が変わる可能性を本作は教えてくれます。観終わった後は、「これだから、好きなことを仕事にするのはおもしろい!」と思えます。お仕事映画としてすごく共感でき、励まされる作品となっています。やりたい仕事があり、これから就職をしようとする方は事前の社会見学として観るのもオススメ。既に今壁にぶつかっている方も思考を切り替えるきっかけに観てみてはどうでしょうか。

デート向き映画判定
映画『ハケンアニメ!』吉岡里帆/中村倫也

ロマンチックなムードになるタイプの作品ではありませんが、仕事で悩みを抱えていたり、ただただ悩殺されてコミュニケーションが不足しているカップルは、本作を一緒に観ると、ふっと一息入れられるかもしれません。忙しすぎて見えていなかったことに目がいくことで、リフレッシュできる要素もあるので、2人で気分転換してください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ハケンアニメ!』吉岡里帆

アニメを作る業界やエンタテインメント業界はきらびやかに見えますが、本作ではその裏で多くの人々が大変な状況を乗り越え、作品を作り上げていく様子が描かれています。どんなお仕事にもいえますが、外から見えることは限られていて、多くのことは実際にやってみなければわかりません。これから進路を考える皆さんにとって、なりたい職業が何かにかかわらず、とても参考になるでしょう。

映画『ハケンアニメ!』吉岡里帆/中村倫也/工藤阿須加/小野花梨/高野麻里佳/六角精児/柄本佑/尾野真千子

『ハケンアニメ!』
2022年5月20日より全国公開
東映
公式サイト

© 2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『8番出口』二宮和也 8番出口【レビュー】

観始めてスゴい設定だと驚き、何から何まで巧く作られていて…

映画『ムガリッツ』 『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『太陽がいっぱい』アラン・ドロン アラン・ドロン【ギャラリー/出演作一覧】

1935年11月8日生まれ。フランス出身。

映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン 大統領暗殺裁判 16日間の真実【レビュー】

1979年10月26日、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されました。本作は、その暗殺事件に関わったメンバーのうち、軍人だったために唯一軍法裁判にかけられたパク・テジュ(イ・ソンギュン)と…

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』 『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『愛はステロイド』クリステン・スチュワート/ケイティ・オブライアン 愛はステロイド【レビュー】

本作の原題は“Love Lies Bleeding”で、「愛は血を流す」と直訳されます。一方,邦題は『愛はステロイド』と付けられています…

Netflixリアリティ番組『彼氏彼女いない歴=年齢、卒業します』 映画に隠された恋愛哲学とヒント集79:『彼氏彼女いない歴=年齢、卒業します』『ラブ・イズ・ブラインド ~外見なんて関係ない?!~』にみる恋の見つけ方と見分け方

今回は、トーキョー女子映画部正式部員の方からいただいたお悩み相談を基に、オススメの恋愛リアリティ番組をご紹介します。

映画『終わりの鳥』ジュリア・ルイス=ドレイファス ジュリア・ルイス=ドレイファス【ギャラリー/出演作一覧】

1961年1月13日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。

映画『バレリーナ:The World of John Wick』ジャパンプレミア:アナ・デ・アルマス、レン・ワイズマン監督 チャレンジがあるからこそ、自分達の創造性の燃料になる『バレリーナ:The World of John Wick』ジャパンプレミア

『バレリーナ:The World of John Wick』の公開を記念し、主演のアナ・デ・アルマスとレン・ワイズマン監督が来日し、ジャパンプレミアが開催されました。

海外ドラマ『アイアンハート』 アイアンハート【レビュー】

アーマースーツを作る天才少女リリ・ウィリアムズ(ドミニク・ソーン)は、3歳で最初の発明をし、成長した今ではトニー・スタークの出身校でもあるマサチューセッツ工科大学に通って…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『8番出口』二宮和也
  2. 映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン
  3. 映画『愛はステロイド』クリステン・スチュワート/ケイティ・オブライアン
  4. 海外ドラマ『アイアンハート』
  5. 映画『バレリーナ:The World of John Wick』アナ・デ・アルマス/アンジェリカ・ヒューストン/ガブリエル・バーン/ノーマン・リーダス/イアン・マクシェーン/キアヌ・リーブス

PRESENT

  1. 映画『ムガリッツ』
  2. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
  3. 映画『ファンファーレ!ふたつの音』バンジャマン・ラヴェルネ/ピエール・ロタン
PAGE TOP