REVIEW

非常宣言【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『非常宣言』ソン・ガンホ

『JSA』での素晴らしい共演がいまだに印象に残るソン・ガンホとイ・ビョンホンが揃って出演するとなれば、見逃すわけにはいきません。本作は、飛行機でバイオテロに遭遇した乗客と乗務員、地上で捜査をする刑事、被害者の運命を握る決断を下す政府関係者達の混乱と奮闘を描いた物語です。ソン・ガンホは刑事、イ・ビョンホンは乗客、キム・ナムギルが副機長を演じ、国土交通省大臣はチョン・ドヨンが演じていて、名優揃いの最強の布陣となっています。さらに、イム・シワンがテロ事件の鍵を握る人物を見事に演じ、観る者を恐れさせ、苛立たせます。
もうキャストの演技だけでも大満足なことがおわかりいただけると思いますが、ストーリーも抜群におもしろい!一難去ってまた一難で、気を抜く暇がありません。そして、情報が筒抜けになる現代だからこその混乱もリアルで、さらにバイオテロというところでも昨今のコロナ禍の混乱を彷彿とさせ、他人事として観られません。また、展開の仕方と人間ドラマの重ね方が絶妙で、緊張感があるだけでなく、ウルウルさせられます。『新感染 ファイナル・エクスプレス』『奈落のマイホーム』などにもいえますが、韓国映画って、パニック映画と人間ドラマの配合が絶妙なんですよね。今回もその手腕に感銘を受けました。
ラストは映画ファンとして眼福なシーンもあるので、観ないともったいないですよ。

デート向き映画判定
映画『非常宣言』イ・ビョンホン

カップルで観て気まずいシーンもなく、ハラハラドキドキの吊り橋効果も期待できるストーリーなので、デートで観るのもありでしょう。ただし、少々刺激の強いシーンが出てくるので相手の好みやこれまでの映画鑑賞歴を確かめてから誘うほうが無難です。夫婦愛も描かれているので、お互いの存在の尊さにも改めて気付くきっかけになるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『非常宣言』

上映時間が141分と長めですが、あっという間です。子どもも重要な役割で登場するのでキッズも親近感を持って観られそうな部分はありますが、少し刺激が強いかもしれません。せめて中学生くらいになってから観るほうが良いと思います。本作を観ていると、自分の命が危険にさらされた時にどんな行動を取るのかで人間性が表れるのもよくわかります。自分だったらどうするか、どうありたいかを考えるきっかけにもできそうです。

映画『非常宣言』ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/チョン・ドヨン/キム・ナムギル/イム・シワン/キム・ソジン/パク・ヘジュン

『非常宣言』
2023年1月6日より全国公開
クロックワークス
公式サイト

© 2022 SHOWBOX AND MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP