REVIEW

プロジェクト・サイレンス【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『プロジェクト・サイレンス』イ・ソンギュン

REVIEW

新感染 ファイナル・エクスプレス』の脚本家パク・ジュソクと、“神と共に”シリーズで監督と脚本を務めたキム・ヨンファが共同で脚本を手掛けた本作は、政界の闇が絡んだディザスター・ムービーです。メインキャストには、『パラサイト 半地下の家族』の故イ・ソンギュン、“神と共に”シリーズのチュ・ジフンが名を連ねています。
次期大統領候補に仕え、大統領選に勝つことを最優先する国家安保室の行政官ジョンウォン(イ・ソンギュン)は、男手一つで育ててきた一人娘ギョンミンが留学するため空港に向かっていました。でも、途中霧が濃くかかった橋の上で、多数の車が玉突き事故を起こし、2人は巻き込まれてしまいます。そして、多くの車が炎上し橋も崩壊しかけているなか、橋の上に残された人々は別の大きな問題を前に恐怖のどん底に陥ります。

映画『プロジェクト・サイレンス』イ・ソンギュン

『新感染 ファイナル・エクスプレス』の脚本家パク・ジュソクが共同脚本ということで、同作のテンションが本作にも入っているのではないかと期待する方も多いでしょう。その期待に応えつつも、本作にはユニークな設定があり、新鮮味があります。映画公式サイトのあらすじにはもう少し具体的な要素が書かれているものの、何も知らずに観るほうが先を読めないハラハラドキドキ感を一層味わえるでしょう。

映画『プロジェクト・サイレンス』チュ・ジフン

唯一チュ・ジフンが演じるキャラクターがユーモア担当ではあるものの、終始緊張感が漂います。ただ、クライマックスで一瞬絶望感を煽りながら、ホッとすると同時に笑えるシーンもあります。こういうスリルとユーモアの絶妙な演出が、韓国映画は上手いなと改めて感じます。
危機的状況に追いやられた人々の群像劇でありつつ、国民の命が危険にさらされるなかで政治家は何を考えているのか、辛辣なメッセージを感じる描写も含まれる点で見応えがあります。日本でもこうした会話が政府で行われているのかもしれないと思うと、2倍ゾッとします。

デート向き映画判定

映画『プロジェクト・サイレンス』イ・ソンギュン/チュ・ジフン

スリル満点のストーリーであるものの、露骨な描写は少ない点で、比較的観やすいスリラーだと思います。お互いの映画の好みがわからない初デートで観るには微妙でありながら、誘った時の反応次第で一緒に観るのもアリではないでしょうか。吊り橋効果があるので、観終わった後は一緒に危機を乗り越えた者同士のような感覚で和んだ会話ができるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『プロジェクト・サイレンス』チュ・ジフン

キッズにはだいぶ怖いと思います。中学生くらいになってから観ると、エンタテインメントと割り切って楽しめる余裕が出てくるかもしれません。上映時間は96分と短めでテンポ良くストーリーが展開し、緊張感が続くのであっという間に観終えるでしょう。自分ならどうやってこの危機を切り抜けるか想像しながら観ると、サバイバル能力がちょっと上がりそうです(笑)。

映画『プロジェクト・サイレンス』イ・ソンギュン/チュ・ジフン

『プロジェクト・サイレンス』
2025年2月28日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ、ショウゲート
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2024 CJ ENM Co., Ltd., CJ ENM STUDIOS BLAAD STUDIOS ALL RIGHTS RESERVED​

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『キャンドルスティック』阿部寛 キャンドルスティック【レビュー】

金融をテーマとした映画に、なぜ“『キャンドルスティック』というタイトルが…

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『夏の砂の上』オダギリジョー/髙石あかり/松たか子/満島ひかり 夏の砂の上【レビュー】

松田正隆による戯曲を映画化した本作は、演出家の玉田真也が監督、脚本を務め、オダギリジョーが…

映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー DROP/ドロップ【レビュー】

主人公のバイオレット(メーガン・フェイヒー)は、幼い一人息子を育てるシングルマザーで、壮絶な過去を乗り越え…

映画『君がトクベツ』畑芽育 畑芽育【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月10日生まれ。東京都出身。

映画『この夏の星を見る』桜田ひより この夏の星を見る【レビュー】

2020年、新型コロナウィルス感染症が世界中に広まった1年目、私達の日常は大きく変わりました。本作では、その2020年に、長崎県、茨城県、東京都に住む中高生達が過ごした日々…

映画『国宝』吉沢亮/横浜流星 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年6月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年6月】のアクセスランキングを発表!

映画『ナチス第三の男』ジャック・オコンネル ジャック・オコンネル【ギャラリー/出演作一覧】

1990年8月1日生まれ。イギリス出身。

映画『ハルビン』ヒョンビン ハルビン【レビュー】

『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』のウ・ミンホが監督と、『ソウルの春』の制作スタッフとタッグを組んだ本作は…

映画『ハルビン』ジャパンプレミア:ヒョンビン、リリー・フランキー、ウ・ミンホ監督 リリー・フランキーがヒョンビンの優しさを感じたエピソードとは?『ハルビン』来日ジャパンプレミア

ヒョンビン主演のサスペンス・アクション映画『ハルビン』が、7月4日より全国公開となります。その公開を記念し、ヒョンビンとウ・ミンホ監督が来日し、さらに本作で伊藤博文役を演じたリリー・フランキーが登壇するジャパンプレミアが行われました。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  2. 映画でSEL:告知1回目
  3. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット

REVIEW

  1. 映画『キャンドルスティック』阿部寛
  2. 映画『夏の砂の上』オダギリジョー/髙石あかり/松たか子/満島ひかり
  3. 映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー
  4. 映画『この夏の星を見る』桜田ひより
  5. 映画『国宝』吉沢亮/横浜流星

PRESENT

  1. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP