REVIEW

カード・カウンター

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『カード・カウンター』オスカー・アイザック

マーティン・スコセッシ監督作『タクシードライバー』『レイジング・ブル』で脚本を担当したポール・シュレイダーが本作では監督と脚本を務め、マーティン・スコセッシは製作総指揮を務めています。主演にはオスカー・アイザックを迎え、復讐と贖罪の物語が描かれています。元上等兵のウィリアム(オスカー・アイザック)は、ある過去の罪に苦しみながらも、新たにギャンブラーとして出直そうとしています。そんな彼の前にある2人の男が現れ、彼の運命が動き出します。
劇中ではウィリアムがカジノでゲームをプレイする姿が映し出されているので、カジノに詳しい方だと彼のギャンブラーとしての腕も感じられるのかもしれません。もちろんカジノを知らなくても物語には問題なくついていけます。ウィリアムが淡々とゲームをプレイする様子からは、どことなく影を感じ、過去に何があったのかとても気になると思います。
オスカー・アイザックは、過去に苦しむウィリアムを見事に体現しており、その他にもキーパーソンとしてティファニー・ハディッシュ、タイ・シェリダン、ウィレム・デフォーが出演しています。特にタイ・シェリダンが演じたカークは、若者らしい危うさのある人物で、観ていてハラハラします。そんな彼がウィリアムとどう関わっていくのかにも注目です。
華やかなカジノを舞台にウィルアムを中心とした人間ドラマが静かに展開し、終盤になると一気に緊張感があふれ、目が離せなくなります。そんな緩急の作り方にはポール・シュレイダー監督の手腕が光っています。物語全体としてはギャンブラーとしてのすごさよりも、ウィリアムの生き様や、過去との向き合い方が印象に残る作品です。彼の過去に何があったのか予測しながら観ても良いですし、ご自身の過去を振り返りながら観るのもアリです。

デート向き映画判定
映画『カード・カウンター』オスカー・アイザック/ティファニー・ハディッシュ

相手がカジノに詳しい場合は、鑑賞後に劇中に登場したカジノのゲームについて解説してもらうとより楽しめるのではないでしょうか。また、本作にはウィリアムの恋愛模様も描かれています。ウィリアムはある女性と出会いますが、過去の罪への意識が強いため、恋愛感情に蓋をしているように見えます。彼とは状況が違ったとしても、本作を通してなかなか恋愛に踏み出さない相手を振り向かせるヒントが得られるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『カード・カウンター』オスカー・アイザック/タイ・シェリダン

ある程度集中力が必要な作品なので、せめて中学生くらいになってから観てください。ティーンの場合は、それぞれのキャラクターを観察してどんな因果関係があるのか自分なりに考えてみてください。もしカジノに興味を持ったとしても、年齢制限があるので大人になってから行ってみてください。

映画『カード・カウンター』オスカー・アイザック

『カード・カウンター』
2023年6月16日より全国順次公開
トランスフォーマー
公式サイト

© 2021 Lucky Number, Inc. All Rights Reserved.

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『窓ぎわのトットちゃん』 窓ぎわのトットちゃん

原作者である黒柳徹子自身の幼少期を綴った自伝的小説…

映画『イコライザー THE FINAL』ダコタ・ファニング ダコタ・ファニング

1994年2月23日生まれ。アメリカ、ジョージア州コンヤーズ出身。幼少期からテレビドラマやCMに出演。2001年、映画『I am Sam アイ・アム・サム』に出演し…

映画『ウィッシュ』 ウィッシュ

ディズニー100周年を飾る本作には、まさにディズニーが100年間掲げてきた…

映画『ポッド・ジェネレーション』エミリア・クラーク エミリア・クラーク

1986年10月23日生まれ。イギリス、ロンドン出身。HBOのドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリス・ターガリエン役で…

映画『隣人X -疑惑の彼女-』熊澤尚人監督インタビュー 『隣人X -疑惑の彼女-』熊澤尚人監督インタビュー

今回は『隣人X -疑惑の彼女-』でメガホンをとった熊澤尚人監督にお話を伺いました。群像劇だった小説を映画化する上で工夫された点や、上野樹里さん&林遣都さんと久しぶりにお仕事をされた感想を聞いてみました。

映画『ショータイム!』サブリナ・ウアザニ ショータイム!

観ればきっと行ってみたくなるユニークでアットホームな“農場キャバレー”にまつわる実話…

映画『極限境界線 救出までの18日間』ヒョンビン ヒョンビン

1982年9月25日生まれ。韓国出身。ドラマ『私の名前はキム・サムスン』『雪の女王』など…

映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール エクソシスト 信じる者

故ウィリアム・フリードキン監督による1973年製作『エクソシスト』から50年の時を経て作られた本作は…

映画『ファースト・カウ』ジョン・マガロ 『ファースト・カウ』一般試写会 15組30名様ご招待

映画『ファースト・カウ』一般試写会 15組30名様ご招待

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』来日記者会見、オールデン・エアエンライク オールデン・エアエンライク

1989年11月22日アメリカ、ロサンゼルス生まれ。4才の頃から学校やサマーキャンプで劇をし…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』 トーキョー女子映画部正式部員が推す!今観ているアニメシリーズ特集

今回はトーキョー女子映画部正式部員の方々に、「今観ているオススメのアニメシリーズ」について、聞いてみました。

映画『インファナル・アフェア 4K』アンディ・ラウ/トニー・レオン あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インファナル・アフェア』

今回は『インファナル・アフェア』のラウ役のアンディ・ラウとヤン役のトニー・レオンをそれぞれ誰が演じるのが良いか、正式部員の皆さんに考えていただきました。今回はどんなキャスティング案が挙がったのでしょうか?

映画『ヒッチコックの映画術』アルフレッド・ヒッチコック 映画好きが選んだアルフレッド・ヒッチコック監督人気作品ランキング

アルフレッド・ヒッチコックが監督をした作品(1950年以降に制作された作品)について正式部員の皆さんに投票いただきランキングを作成しました。名作揃いのなか、どの作品が1位となったのでしょうか?

TSUTAYA TV

REVIEW

  1. 映画『窓ぎわのトットちゃん』
  2. 映画『ウィッシュ』
    ウィッシュ

  3. 映画『ショータイム!』サブリナ・ウアザニ
  4. 映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール
  5. 映画『VORTEX ヴォルテックス』ダリオ・アルジェント/フランソワーズ・ルブラン

PRESENT

  1. 映画『ファースト・カウ』ジョン・マガロ
  2. 映画『バービー』マーゴット・ロビー/ライアン・ゴズリング
  3. 映画『アクアマン/失われた王国』ジェイソン・モモア
PAGE TOP