REVIEW

コンペティション【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『コンペティション』ペネロペ・クルス/アントニオ・バンデラス/オスカル・マルティネス

サンダンス映画祭で撮影賞を受賞した『ル・コルビュジエの家』(2009)を撮ったガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーンが監督を務める本作は、期待通りクセの強い作品となっています。ある大富豪が世間の自分に対する評価を上げようと、出資して映画を作らせます。監督に抜擢されたのは、数々の映画賞を受賞しているローラ・クエバス(ペネロペ・クルス)。そして彼女が主演に選んだのは、ベテランで演技派のイバン・トレス(オスカル・マルティネス)と、大衆に人気のスター俳優フェリックス・リベロ(アントニオ・バンデラス)でした。イバンとフェリックスは全く正反対のタイプで最初からウマが合いません。それでもローラは風変わりな手法で自分が求める演技を彼等から引き出そうとします。ただ、3人の個性があまりにも強すぎて、なかなかまとまらないなか、時間だけが過ぎていきます。
この後は本編でご覧いただくとして、本作にはブラック・ユーモアがたっぷりと入っています。映画が制作されるなかで起こるさまざまなカオスを映し出していて、それはかなり滑稽です。また、ローラ、イバン、フェリックスのキャラクターがそれぞれ濃くて魅力的です。間に入ってくる、一見どうでもよいシーンも笑いを誘います。個人的に爆笑してしまったのは、“ダンス”のシーン。2回出てきますが、めちゃめちゃシュールですごい角度から笑いのツボを狙ってきます。またメインキャストの3人の演技が最高です。ほぼ3人芝居といってもよい構成なので、これは実力派でないと成立しません。映画制作という真剣勝負を描くと同時に、プライドや野心に駆られた人間のおバカな一面をこんな風に描くとは、スタッフもキャストもお見事です。
映画好きにとっては、本作の題材そのものが興味深いのはもちろん、映画が好きだからこそ、作り手達の裏側を覗いて「この人達、何やってんの(笑)!」という感覚で楽しめます。映画好きの皆さんは特にハマる作品ではないでしょうか。

デート向き映画判定
映画『コンペティション』ペネロペ・クルス

ブラック・ユーモアも好きなカップルなら、一緒に笑いながら観られると思います。映画好き同士なら鑑賞後にいろいろ語りたいことが出てくるでしょうし、そこまで映画に詳しくない方が観ても普通におもしろいので、気楽な気持ちで観るのもアリですよ。クセが強い作品なだけに、2人とも本作が気に入ったならそこそこ相性が良いといえるかもしれないですね(笑)。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『コンペティション』ペネロペ・クルス/アントニオ・バンデラス

いい大人が意地とプライドを張り合う姿はある意味反面教師として見られる部分もあります。ただ、内容的に大人になってから観たほうがツボにハマると思います。でも、映画制作やクリエイティブな仕事に興味がある方は、現場見学の感覚で観てみるのも良いかもしれません。実際の現場はここまでではないことを祈りますが、ショービズ界のクレイジーな一面を垣間見ることはできそうです。

映画『コンペティション』ペネロペ・クルス/アントニオ・バンデラス/オスカル・マルティネス

『コンペティション』
2023年3月17日より全国公開
ショウゲート
公式サイト

©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.


関連作:ガストン・ドゥプラット/マリアノ・コーン監督作

『ル・コルビュジエの家』監督

DVD発売中
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  2. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  3. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  4. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  5. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP