REVIEW

コンクリート・ユートピア【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『コンクリート・ユートピア』イ・ビョンホン/パク・ソジュン/パク・ボヨン

REVIEW

設定を聞いただけでもおもしろそうな本作は、まずキャストが魅力的。キービジュアルに写るイ・ビョンホンは意味ありげだし、パク・ソジュンの出演も嬉しいポイントです。物語の舞台は、ソウル市内にある団地です。ある日突然、世界規模の大災害が起き、周囲の建物がすべて倒壊してしまったなかで、一棟のマンションだけが無事に残ります。マンションの周囲では災害で亡くなった人達の遺体、凍死した人達の遺体がゴロゴロ転がっており、生き残った人達がこのマンションに助けを求めて詰めかけます。そんななか、マンションの住民達は住民以外の人達を助けるか、追い出すかを話し合い、ある人物を代表として、投票による決断に基づいた行動を実行に移します。
終末世界を描いた作品ということで、どんな展開になるのか予想できるところがあり、そこが魅力でありながら、当然意外な展開も待ち受けています。まず、自分が生きのびるのも大変な状況で他者を助けるべきか否か、どこまで他人を信用できるのかを、パク・ソジュンが演じるミンソンと、パク・ボヨンが演じるミョンファの夫婦の姿を通して考えさせられます。そして、イ・ビョンホンが演じるヨンタクは謎めいていて多面性があり、彼の素性が見えてくるなかで物語がどっちに転ぶのかわからずハラハラさせられます。
本作は、文明社会が壊れ、それまでの価値観や地位が一掃されると同時に、新しい基準で”こっち側とあっち側”という分断が起きる状況を描いています。その境界線が一見機能しているように見えて、その境界線のせいで救われていたかもしれない人々の命が奪われていく現実を観る者に突きつけます。とはいえ、善悪の境界線が曖昧な点もしっかり描いており、そんな状況で自分ならどうありたいかを考えさせられます。本作は極限のシチュエーションで現実社会を投影しているといえます。エンタテインメントとしても楽しみながら、社会問題にも目を向けさせる秀作です。

デート向き映画判定

映画『コンクリート・ユートピア』イ・ビョンホン/パク・ソジュン

群像劇ですが、パク・ソジュンが演じるミンソンと、パク・ボヨンが演じるミョンファの夫婦を軸に物語が展開します。2人はお互いを守りたい気持ちはありつつ、他者との付き合い方には意見の相違が見えます。平時にはうまくいく関係でも、非常事態では簡単にいきません。そんな様子をシミュレーションできる物語なので、カップルで一緒に観るとお互いにどんな反応になるのか読めないところはありながら、意見を交換するのは有意義でしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『コンクリート・ユートピア』パク・ソジュン/パク・ボヨン

人間の怖さを描いていて、狂気的なシーンはキッズには怖いと感じるでしょう。考えさせられる内容なので、皆さんにも観てみて欲しいですが、刺激が強いシーンもあるので、中学生以上にオススメです。簡単に白黒つけられない要素が多い分、議論のし甲斐があります。家族や友達と観て意見を交換してみてはどうでしょうか。

映画『コンクリート・ユートピア』イ・ビョンホン/パク・ソジュン/パク・ボヨン

『コンクリート・ユートピア』
2024年1月5日より全国公開
クロックワークス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン サヨナラの引力【レビュー】

本作は、超大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』(2004)が持つ韓国での観客動員数記録を塗り替え、260万人を突破する記録的大ヒットを飛ばしました…

映画『スーパーガール』ミリー・オールコック ミリー・オールコック【ギャラリー/出演作一覧】

2000年4月11日生まれ。オーストラリア出身。

映画『ラブ≠コメディ』中島健人/長濱ねる ラブ≠コメディ【レビュー】

キャッチコピーを見ずにタイトルだけを見ると、コテコテのラブコメなのかなと思いますよね。実は…

映画『死ねばいいのに』奈緒 死ねばいいのに【レビュー】

観ているそばから圧倒されつつ、結末で一層圧倒されます。まずは原作者、京極夏彦が生み出したストーリーによる、思考の具現化のレベルの高さに衝撃を受けます…

映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年6月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年6月】のアクセスランキングを発表!

映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ 『トイ・ストーリー5』オリジナルTシャツ(Mサイズ)2名様プレゼント

映画『トイ・ストーリー5』オリジナルTシャツ(Mサイズ)2名様プレゼント

ドラマ『スピナーベイト』制作発表記者会見、加藤清史郎 加藤清史郎【ギャラリー/出演作一覧】

2001年8月4日生まれ。神奈川県出身。

映画『ブリング・ハー・バック』サリー・ホーキンス ブリング・ハー・バック【レビュー】

690万人のチャンネル登録者数を誇る人気YouTuberとして活躍し、『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』で長編映画デビューを果たした双子のダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウが、A24と再びタッグを組み…

映画『マジカル・シークレット・ツアー』塩野瑛久 塩野瑛久【ギャラリー/出演作一覧】

1995年1月3日生まれ。東京都出身。

映画『だぁれかさんとアソぼ?』鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER) 『だぁれかさんとアソぼ?』【学生限定】絶叫上映試写会 5組10名様ご招待

映画『だぁれかさんとアソぼ?』【学生限定】絶叫上映試写会 5組10名様ご招待

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょうか…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  2. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  3. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以

REVIEW

  1. 映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン
  2. 映画『ラブ≠コメディ』中島健人/長濱ねる
  3. 映画『死ねばいいのに』奈緒
  4. 映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン
  5. 映画『ブリング・ハー・バック』サリー・ホーキンス

PRESENT

  1. 映画『スーパーガール』ミリー・オールコック
  2. 映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ
  3. 映画『だぁれかさんとアソぼ?』鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)
PAGE TOP