REVIEW
犯罪小説の巨匠、ドン・ウインズロウが書いた原作小説は、収録された短編集「クライム101」(「壊れた世界の者たちよ」から改題)が2020年10月に出版されると、映画化権を巡って争奪戦が起きたそうです(映画公式資料)。そうして映画化が実現した本作には、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、バリー・コーガン、ハル・ベリーといった豪華キャストが名を連ねています。監督、脚本を務めるのは『アメリカン・アニマルズ』で長編映画デビューを果たしたバート・レイトンです。

主人公のデーヴィス(クリス・ヘムズワース)は、痕跡を全く残さず強盗を行うため、警察は同一犯と考えていません。一方、敏腕刑事のルー(マーク・ラファロ)だけは、強盗が101号線上で起きているという共通点から同一犯として捜査を望むものの、同僚達は対面を重視し非協力的なため、独自に捜査を進めます。

徹底した準備によって強盗を行うデーヴィスは、一見冷酷な男に映るものの、ストーリーが展開するにつれ人間味が見えてきます。そして、普通の暮らしを求めているような本心が見えてくると、なぜ彼が強盗をしているのか、金に執着しているのかと、謎が深まります。そうした展開が相まって、複数の結末が頭に浮かんできます。

マーク・ラファロが演じる刑事のルーやハル・ベリーが演じるシャロンにまつわるストーリーも同時進行するので、観る方によって感情移入するキャラクターが異なると思います。一方、バリー・コーガンが演じるオーモンは何をしでかすかわからない怖さがあり、最後までスリルを味わわせてくれます。

本作は、超一流の強盗犯と彼を逮捕しようとする敏腕刑事の対決のように見えて、実は現代社会でもがきながら生きるさまざまな立場の人達の姿を浮き彫りにしています。彼らは人生をやり直せるのかもしくは弱肉強食の社会に押しつぶされるのか、皆さんの目で確かめてください。
デート向き映画判定

デーヴィスは強盗で生計を立てていて、私生活は諦めているのかと思いきや、マヤ(モニカ・バルバロ)に出会い、真っ当な人生への欲望が出てきます。でもすぐに足を洗うことはできず、マヤには裏の顔を見せらないので、マヤとの関係を取るか、強盗をやるかという選択に迫られます。極端な例ではありつつ、人生観を問う面もあるので、感想を聞いてみて、パートナーの人生観を探ってみてはどうでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

大人向けのストーリーでかなり渋めです。一方で、ストーリーはシンプルでスリリングなので、興味を持った方は観てみても良いのではないでしょうか。
本作では、デーヴィスとオーモンという異なるタイプの強盗が登場します。もちろん2人とも強盗犯なので許されないものの、同じ悪事を行う人間でも異なる背景があるとわかるので、人間を多面的に観察する機会になるかもしれません。

『クライム 101』
2026年2月13日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
関連作
「クライム 101」ドン・ウィンズロウ 著/ハーパーコリンズ・ジャパン
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情報は2026年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。




























