REVIEW

グロリア 永遠の青春【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア/ジョン・タトゥーロ

本作はジュリアン・ムーアが名匠セバスティアン・レリオ監督の『グロリアの青春』(2014)に惚れ込みリメイクされた作品で、ジュリアン・ムーアが自ら主演と製作総指揮を務めています。主人公のグロリアは、離婚経験があり子育ても落ち着いたアラフィフ女性で、昼間は仕事、夜はクラブで踊るといった自由な生活を謳歌しています。こんなにアクティブでいろいろなことを楽しんでいるアラフィフになれたら良いなと憧れる部分もありますが、物語が進むにつれて彼女の家庭の事情や複雑な恋愛模様も映し出されていきます。グロリアを通して人生の楽しい部分と辛い部分の両方が見えてくるので、大人ならどこか共感できる点も見つかるのではないでしょうか。
また、グロリアを演じたジュリアン・ムーアの他、ジョン・タトゥーロが恋人のアーノルド役として出演しており、複雑な大人の恋愛模様を見事に表現しています。グロリアとアーノルドの関係は一見完璧ですが、少しずつお互いの家族の問題などが見えてくる展開はとても秀逸で、決して他人事とは思えません。映画全編を通していくつになっても青春できること、必ずしも順風満帆とはいかない人生の厳しさの両方を感じられるので、自分自身の恋愛や人生を振り返るきっかけにもなると思います。

デート向き映画判定
映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア/ジョン・タトゥーロ

グロリアはアラフィフ女性ですが、世代や性別問わず恋愛経験者ならどこか共感できる部分が見つかると思います。グロリアとアーノルドは情熱的な出会いをして交際に発展していきますが、付き合っていくうちにお互いのいろいろな面が見えてきて関係性に変化が出てきます。今上手くいっているカップルの場合も敢えて本作を一緒に観て、お互いの気になるところを今のうちに解消しておくことをオススメします。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア

大人の複雑な恋愛模様が描かれているのでキッズはせめて中学生以上になってから観たほうがグロリアの心情をより理解できると思います。ティーンの場合もグロリア目線で観るというよりも客観的にグロリアを中心とした人間模様を観察して欲しいと思います。今はピンとこないところも多いかもしれませんが、また大人になった時に観直すとご自身の捉え方に変化があるでしょう。

映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア

『グロリア 永遠の青春』
2021年12月3日より全国順次公開
PG-12
キノシネマ
公式サイト

© 2018 GLORIA FILM DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  2. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  3. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  4. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  5. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP