REVIEW

カツベン!

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『カツベン!』成田凌

活動弁士(カツベン)は、映画監督であり、翻訳者であり、声優であり、ナレーターであるといった、さまざまな役割を果たしている点がとてもユニークで、生で観てみたくさせる魅力があります。映画をいかにおもしろく見せるかというところで、活動弁士自身のセンスや力量がすごく問われるだろうと想像できて、本作のストーリーにある激しい競争もリアルに感じられます。今でいう映画とライブが融合したライブ・ビューイングのような感覚なのかなとも思えて、時代は違っても、そう遠くない感覚で観られるでしょう。また、サイレント映画が主流だった時代に、日本では活動弁士がいた意味も考えさせられるところがあり、日本文化の良いところに目を向けるきっかけになると思います。ふと浮かぶのは落語などですが、日本の語りの文化というのは、私達日本人が思っている以上に誇れるもので、とても貴重なものなんだなということも実感できます。そして、何より作品から映画愛がひしひしと感じられるので、時代とともになくなるもの、生まれるものがあっても、映画愛は変わらないというところに、いち映画ファンとしてとても共感を覚えます。
豪華キャストも見どころですが、主演の成田凌が活動弁士を見事に好演していて、パフォーマンスのシーンはその場にいる観客のごとく引き込まれます。ぜひたまにはこういった映画の見せ方もやって頂きたいなと思いますが、まずは本作で活動弁士による映画体験を堪能してください。

デート向き映画判定
映画『カツベン!』成田凌/黒島結菜

さわやかで初々しいラブストーリーもありつつ、青春ドラマ、人間ドラマなので、老若男女楽しめます。なので、世代を問わず、関係性を問わず、デートで観やすい作品だと言えます。特に映画好きには共感できるポイントが多いので、お互いに映画好きカップルなら、ぜひ一緒に観て、映画愛を語って欲しいです。「だから、映画が好きなんだ」と思える要素がたくさんあるので、会話が弾むと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『カツベン!』音尾琢真/竹野内豊

今は手軽に誰でも動画を作って世に公開できるので、本作で描かれる世界は逆に皆さんの世代にとっては新鮮だと思います。音がない映像に、人がストーリーや声をあてて語るというところで、活動弁士のキャラクターや才能が活かされ、人気を得ていく様子は、ある種のサクセスストーリーとして観ていて爽快です。幼い頃からの夢を追い続ける主人公にも共感できると思います。親子でも楽しめる作品ですよ。

映画『カツベン!』成田凌/黒島結菜/永瀬正敏/高良健吾/音尾琢真/竹中直人/渡辺えり/井上真央/小日向文世/竹野内豊

『カツベン!』
2019年12月13日より全国公開
東映
公式サイト

TEXT by Myson

©2019 「カツベン!」製作委員会

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「映画アカウントで自分らしい距離感やペースをどう整えていけばいい?」

正式部員さんからいただいたSNSについてのお悩み相談におこたえしました。後半は…

映画『トロン:アレス』グレタ・リー グレタ・リー【ギャラリー/出演作一覧】

1983年3月7日生まれ。アメリカ生まれ。

映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙 盤上の向日葵【レビュー】

“孤狼の血”シリーズの原作者としても知られるベストセラー作家、柚月裕子の同名小説を映画化した本作は…

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『女性の休日』 女性の休日【レビュー】

ちょうど今から50年前の今日、1975年10月24日に…

映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗 爆弾【レビュー】

呉勝浩による同名ベストセラー小説を原作として映画化された本作は、知らぬ間に…

海外ドラマ『エイリアン:アース』海外ドラマ『エイリアン:アース』 シドニー・チャンドラー【ギャラリー/出演作一覧】

1996年2月13日生まれ。アメリカ出身。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン ハード・トゥルース 母の日に願うこと【レビュー】

現代のロンドンを繰り広げられる本作は、対照的な性格を持つ姉妹のそれぞれの日常を…

映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人 ミーツ・ザ・ワールド【レビュー】

この町で出会った、アニメにハマっている腐女子の由嘉里(杉咲花)、キャバ嬢のライ(南琴奈)、既婚の No.1 ホスト、アサヒ(板垣李光人)は、それぞれどこか孤独感、空虚感を…

韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』パク・ヒョンシク パク・ヒョンシク【ギャラリー/出演作一覧】

1991年11月16日生まれ。韓国出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3 トーキョー女子映画部マイソンと学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】(スイーツとお飲み物付)女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ver3

REVIEW

  1. 映画『盤上の向日葵』坂口健太郎/渡辺謙
  2. 映画『女性の休日』
  3. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  4. 映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン
  5. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人

PRESENT

  1. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP