REVIEW

3つの鍵【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『3つの鍵』マルゲリータ・ブイ

舞台は、ローマの高級住宅地にある1軒のアパート。本作ではそこで暮らす3つの家族の物語が描かれています。アパートにはさまざまな住人がおり、ある夜の交通事故をきっかけに、各家庭の隠されていた部分が少しずつ露わになっていきます。単純に事故の行方が気になると思って観ていたら、こちらの家庭では娘の失踪事件が起き…と物語がどんどん展開するので、最後まで目が離せません。
さまざまな問題を抱える住人がいるなかで、個人的には2階の住人のモニカ(アルバ・ロルヴァケル)が気になりました。彼女の夫は出張続きで留守が多いため、生まれたての子どもを1人で世話しています。ただ、あまりに淡々と子育てをしている彼女の姿を観ているとどこか心配になります。他にもアパートにはいろいろなタイプの住人がいるので、大人ならどこか共感できる部分が見つかるのではないでしょうか。
監督は、『親愛なる日記』『息子の部屋』のナンニ・モレッティで、それぞれの人物が辿る運命を丁寧に描いています。そして、問題だらけの住人をマルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルヴァケル、ナンニ・モレッティらが演じています。本作を観ていると、正直「何でそんなことをしてしまったの!?」と思う場面が多くあります。でも、それこそが本作のポイントで、些細な言動が思わぬ自体に発展していきます。アパートの住人達の生き様を参考に、自分の普段の行動を見直すきっかけにもなると思います。

デート向き映画判定
映画『3つの鍵』リッカルド・スカマルチョ

各家庭の生々しい人間ドラマが展開するので、ベテランカップル向けの作品です。アパートの住人達が抱える問題は皆バラバラで、人間関係を築く上での難しさも痛感すると思います。そんな住人達を反面教師として観て、お互いの関係をより良くするためにはどうするべきか考えてみてください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『3つの鍵』リッカルド・スカマルチョ

問題だらけの大人達の気持ちは、キッズには理解しづらいと思うので、できれば中学生以上になってから観てみてください。ティーンの場合は、人間模様を観察しながら観ることで、日常の何気ない言動の重要さに気づけるのではないでしょうか。

映画『3つの鍵』マルゲリータ・ブイ/リッカルド・スカマルチョ/アルバ・ロルヴァケル/

『3つの鍵』
2022年9月16日より全国順次公開
R-15+
チャイルド・フィルム
公式サイト

© 2021 Sacher Film Fandango Le Pacte

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド Mr.ノボカイン【レビュー】

痛みを感じない疾患を持つ主人公、ネイサン・カイン(ジャック・クエイド)は…

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド
  2. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  3. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  4. 映画『リライト』池田エライザ
  5. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP