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窓ぎわのトットちゃん【レビュー】

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映画『窓ぎわのトットちゃん』

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20以上の国で翻訳され、全世界累計2500万部を超えるベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」は、原作者である黒柳徹子自身の幼少期を綴った自伝的小説です。その小説が、この度初めてアニメーション映画化されました。色彩がとても綺麗で、キャラクター達の表情が豊かな作風は、トットちゃんが過ごした日々の楽しさと温かさを象徴していて、観ているこちらもとても心地よく感じます。
主人公のトットちゃんはとても可愛くて、なんといっても性格がお茶目です。そして、とても真っ直ぐな性格で、何事にも一生懸命、周りの人達を幸せにする姿は、現代の私達がテレビで観ている黒柳徹子の姿とそのまま重なります。また、トットちゃんの同級生達も個性豊かで皆とっても可愛いです。特にキーパーソンとなる山本君とトットちゃんのやり取りは心に残ります。子ども達の素直さ、優しさ、ひたむきさ、すべてが目に焼き付きます。
そんな子ども達の魅力を最大限に引き出している立役者、トモエ学園の小林校長先生も本当に素敵です。小林宗作先生は日本で初めてリトミックを導入し普及させたことで知られていて、劇中でもリトミックのシーンが出てきます。前衛的な教育方針はそれだけに留まらず、電車の車輌を教室にしていたり、授業の仕方やお弁当タイムもユニークで、何よりそれぞれの子どもに合わせた対応をしている姿が印象に残ります。枠にはめることがなく、子ども達の良いところを伸ばす教育法は観ていて微笑ましいし、自分が子どもの頃にこんな学校があったら通いたかったと強く感じます。そして、子どものありのままの思いを受け止め見守る包容力と優しさは、スクリーンから溢れ出し、観客にも幸福感を与えてくれます。
本作は戦時中の物語という点で、戦争の影の部分ももちろん描かれています。さらに、子どもにとってとても辛い出来事も起こります。それでもキャラクター達には優しさが溢れていて、観ているだけで温かい気持ちになれます。月並みな表現ですが、敢えてストレートに言いたい。本作はすごく良い映画です!年齢を問わず、たくさんの方にぜひ観て欲しい1作です。

デート向き映画判定

映画『窓ぎわのトットちゃん』

とても温かい気持ちにしてくれる作品で、クスクス笑えるところもあったり、雰囲気が和みます。初デートで観てもOKでしょう。観ている側にさりげなく人生観を問うてくる内容でもあるので、感想の内容によってお互いに価値観が合うか何となく探れるところもありそうです。涙腺を刺激されるシーンが出てくるので、メイク崩れの心配がある方はハンカチとお直しセットを持参しましょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『窓ぎわのトットちゃん』

キッズやティーンの皆さんにもぜひ観て欲しいです。何でも楽しむし、何にでも全力で挑むトットちゃんの姿は、年齢を問わず良いお手本になります。トットちゃんと友達、学校の先生、家族との何気ないやり取りも観ていて癒されます。何より、ありのままの自分でいいんだということを教えてくれるストーリーです。友達と観るのも、親子で観るのもオススメです。

映画『窓ぎわのトットちゃん』

映画『窓ぎわのトットちゃん』
2023年12月8日より全国公開
東宝
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

TEXT by Myson

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情報は2023年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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