REVIEW

MERCY/マーシー AI裁判【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット/レベッカ・ファーガソン

REVIEW

これまでに作られてきたAIにまつわる映画は、AIを敵としているか、味方としているか、ある程度最初からスタンスが決まっている印象がありつつ、本作の設定から、人間 vs. AIという構図になっているかと思いきや、さらに込み入ったやり取りがあり、意外な展開が楽しめます。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット

AI裁判にかけられるのは、刑事のレイヴン(クリス・プラット)です。気を失っていた彼が目を覚ますと、体は椅子に拘束され、目の前にスクリーンがあり、AI裁判のルールが説明されます。容疑を晴らすために残された時間はわずか90分。レイヴンは、裁判所の法廷で拘束されたまま、無罪を証明できなければ即処刑される状況下で、刑事の直感を働かせて、真犯人を見つけ出そうとします。

レイヴンは自分自身では動けないので、AIが管理しているウェブ上にある情報を駆使して、真犯人を見つけようとします。そうした状況は、シチュエーション・スリラーのようなおもしろさがあります。一方で、外の世界では、空飛ぶバイクで捜査を手伝う警察官がいたり、リアルに描かれる近未来の姿に引き込まれます。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』

本作の舞台は2029年とされていて、かなり近い未来として描かれていると同時に、既に現在の私達の生活にもAIが浸透している状況から、映画で起こる出来事はかなり現実味を帯びているように感じます。また、私達の現実世界で既に議論されている、AIそのものの是非や、AIとの付き合い方が、本作でも大きなテーマとなっています。

本作を手掛けたのは、ロシア出身で『ウォンテッド』や『リンカーン/秘密の書』でスタイリッシュでスリリングな映像で観客を魅了してきたティムール・ベクマンベトフ監督。ベクマンベトフ監督は、全編PC上で展開する“search/サーチ”シリーズではプロデューサーを務めており、本作で描かれる世界観を観ると、改めて得意分野なのだなと感じます。また、製作は『オッペンハイマー』やDC映画を多数手掛けてきたチャールズ・ローヴェンが務めており、強力タッグが実現しています。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』レベッカ・ファーガソン

そして、キャストも豪華です。クリス・ブラットは窮地に追い込まれた敏腕刑事を好演。レベッカ・ファーガソンは、無機質でありつつも、人間に近いところまで進化したAIという複雑な役を見事に演じています。また、『THIS IS US/ディス・イズ・アス』のクリス・サリヴァンや、『9-1-1 LA救命最前線』のケネス・チョイも出演していて、海外ドラマファンにとっても嬉しいキャスティングとなっています。
本作は、AIとの付き合い方を考える機会として観られる上に、エンタテインメントとしても存分に楽しめる1作です。AIに翻弄されるのではなく、上手く付き合う側に立てるよう参考にしつつお楽しみください。

デート向き映画判定

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット

夫婦関係も重要な要素として出てくるものの、ストーリーの軸は、主人公のレイヴンが本当に殺人を犯したのか、別に真犯人がいるのかというところなので、カップルで観て気まずくなることはあまりないでしょう。一方で、夫婦関係を良好に保つ上での反面教師的な要素も描かれているので、一緒に観ると、改めてお互いを気遣う気持ちに繋がるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット

本作で描かれているAI裁判は、人間が常に監視され、その情報がデータ化されている世界があって成立しています。だから、AIに裁かれるという怖さだけではなく、人間が常に監視されているという怖さもあります。世界がそんな状況になるのかどうかは未知数であるものの、いずれにしても人間は自分のプライバシーを守ったり、世の中にある情報の真偽を見極めたり、これまで以上に頭を使い、賢くならなければいけなくなりそうです。本作は、AIのある生活の背景にある、さまざまな側面にも目を向けるきっかけにできそうです。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット/レベッカ・ファーガソン

『MERCY/マーシー AI裁判』
2026年1月23日より全国公開
PG-12
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2026年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『バイオハザード』ザック・クレッガー監督版:オースティン・エイブラムス ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『DIGGER/ディガー』『バイオハザード』『わたしの知らない子どもたち』など

今回もなるべくネタバレせずにお話していますが、何も知らずに観たい方は映画をご覧になってからお聞きく…

映画『クレイフェイス』トム・リス・ハリス クレイフェイス【レビュー】

DCコミックスのヴィランを主人公とした、強烈な描写による本気のホラーです…

映画『ザ・ハウスメAIド 』ミーガン・フォックス ザ・ハウスメAIド <服従>【レビュー】

性能の高いフィジカルAIが続々と誕生している昨今、本作のストーリーは一層現実性を帯びてみえます…

映画『BOSS/ボス』チョ・ウジン/チョン・ギョンホ/パク・ジファン BOSS/ボス【レビュー】

ボスの座を争う話は数あれど、本作はどうしたらボスにならずに済むかというストーリーで…

映画『進行曲 マーチングボーイズ』ムー・セン(牧森) 進行曲 マーチングボーイズ【レビュー】

台湾屈指の進学校でマーチングバンド部に所属する男子高校生を主人公とした本作は、実話に基づいています…

映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク 『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』特別試写会 10名様ご招待

映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』特別試写会 10名様ご招待

映画『うるわしの宵の月』道枝駿佑/安斉星来 うるわしの宵の月【レビュー】

なんとも初々しく、キュンキュンさせられて、観ているだけで20歳くらい若返りました(笑)…

映画『ナギダイアリー』石橋静河 石橋静河【ギャラリー/出演作一覧】

1994年7月8日生まれ。東京都出身。

映画『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』ユアン・ホロックス 『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』【レビュー】

本作は、ナチス政権に言論の力で対抗した少年ヘルムス・ヒューベナーの実話を基にしています…

映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』ノア・センティネオ/アンドリュー・小路 ストリートファイター/ザ・ムービー【レビュー】

原作のゲームに詳しくないとしても一度でもゲームをやったことがある方なら、本作を観れば懐かしさを感じられるでしょう…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』トム・クルーズ/ブラッド・ピット あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

世界的な超トップスター、トム・クルーズとブラッド・ピットが共演した奇跡の作品『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のパッケージリリースを機に、当部恒例企画「勝手にキャスティング企画!」を実施。

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『クレイフェイス』トム・リス・ハリス
  2. 映画『ザ・ハウスメAIド 』ミーガン・フォックス
  3. 映画『BOSS/ボス』チョ・ウジン/チョン・ギョンホ/パク・ジファン
  4. 映画『進行曲 マーチングボーイズ』ムー・セン(牧森)
  5. 映画『うるわしの宵の月』道枝駿佑/安斉星来

PRESENT

  1. 映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク
  2. 映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』アルバ・ロルヴァケル/エリオ・ジェルマーノ
  3. 映画『君の話』北村匠海/出口夏希
PAGE TOP