REVIEW

ミラベルと魔法だらけの家【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ミラベルと魔法だらけの家』

魔法が登場する作品では、主人公が魔法を使える、もしくは辛い修行の末にすごい魔法使いになるといった設定で描かれていることが多い印象ですが、本作では主人公ミラベルの家族、マドリガル家が皆“魔法のギフト”を授かっているなか、ミラベルだけは授かっていないという設定になっています。このユニークな設定から、まず物語がどう進行していくのか予想できないおもしろさがあります。
そして、物語はある不吉な幻覚の真相を突き止めることを軸に展開していき、ミラベルの宿命が徐々に明かされていきます。ここで新鮮なのは、物語はほぼ“魔法だらけの家”の中で展開されていくことです。主人公が遠くまで冒険をしに行ったり、すごく危ない目に遭うという試練よりも、身近にある人間関係をキーポイントにしている点で私達にとってとても身近な物語だと感じることができると思います。
また、この物語の着眼点が素晴らしいのは、世の中で良しとされている価値観の裏側に目を向けていることです。「あの人は幸せそう」と誰もが思う物事に対して、「本当にそうなの?」「本当はこういう辛さもあるんじゃない?」といった視点を持ち込む内容で、“ギフト(才能)”とは何かという定義から変えていく力を持っています。こんな風に皆が世界を見るようになれば、きっと今私達がいる世界は良い意味で“魔法だらけ”に思えて素敵だなと思います。これまでのディズニー映画ではさまざまな魔法が描かれてきましたが、こういった新しい視点を取り入れてきたというところで時代の変化を感じると同時に、ディズニーが子ども達や社会に与えてきた影響が大きいことを考えると、とても有意義な内容だと感じます。そういう意味でもこの作品を作られた方々もすごく素敵だし尊敬します。ラストは涙腺が崩壊する可能性があるので、ぜひハンカチを手元に置いて観てください。

デート向き映画判定
映画『ミラベルと魔法だらけの家』

誰でも少なからず何かを背負って生きていると思いますが、そんな肩の荷をすっと下ろしてくれるストーリーです。視野が広がることで人に優しくなれる部分もあると思うので、ぜひデートでも観てください。特に仕事や勉強などに追われている時こそ観ると安らげると思います。一緒に、もっと気楽に幸せに生きるための思考の変化ができれば、2人の中も一層安定するのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ミラベルと魔法だらけの家』

キッズやティーンの皆さんはこれから何にでもなれる、何でもできる可能性をいっぱい持っているからこそ、それがプレッシャーに思えたり、何かの才能に恵まれたとしてもいろいろな迷いや悩みが出てきますよね。そんな皆さんにドンピシャなストーリーなのでぜひ観て欲しいと思います。自分が変わっても周囲の人達(特に大人)の考えまで変えることは難しいですが、本当に大切なものは何かを教えてくれるストーリーなので、それを忘れないでいれば周りに振り回されてしまうことも少なくなるはずです。友達と観ても楽しめるし、親の圧力に悩む方は敢えて親子で観るのも良いでしょう。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』

『ミラベルと魔法だらけの家』
2021年11月26日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2021 Disney. All Rights Reserved

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ マスターズ・オブ・ユニバース【レビュー】

いろいろな意味で新鮮!でも、実はメインキャラクターであるヒーマン(He-Man)のルーツは、「バービー…

映画『ひつじ探偵団』エマ・トンプソン エマ・トンプソン【ギャラリー/出演作一覧】

1959年4月15日生まれ。イギリス出身。

映画『アダムの原罪』レア・ドリュッケール/アナマリア・ヴァルトロメイ アダムの原罪【レビュー】

『Playground/校庭』で、子ども達が日々直面している“現実”を生々しく描いたローラ・ワンデル監督(脚本も担当)の長編2作目…

ドラマ『スピナーベイト』制作発表記者会見、加藤清史郎、駿河太郎、萩原護、奥野壮、高橋侃、桃児、吉澤要人、吉村界人 青春が足りてない(笑)!?加藤清史郎、駿河太郎、吉村界人等が登壇、和気あいあい『スピナーベイト』制作発表記者会見

映画、ドラマ、舞台で実写化され大ヒットを記録した漫画「セトウツミ」や、国内外で話題を呼んだアニメ「オッドタク シー」(2021年TX)のオリジナル脚本を手掛け、近年では、「シナントロープ」や「ホウセンカ」の原作・脚本、週刊ヤングジャンプにて連載中の漫画「カミキルKAMI KILL-」(原作)などでも知られる此元和津也の原作漫画がドラマ化されました。今回は、このドラマに出演するキャストが勢揃いし、制作発表記者会見を開きました。

映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年5月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年5月】のアクセスランキングを発表!

映画『アン・リー/はじまりの物語』アマンダ・セイフライド アン・リー/はじまりの物語【レビュー】

アマンダ・セイフライドを主演に迎え、『ブルータリスト』のスタッフが贈る本作は、シェーカー教団の創始者アン・リーの実話を基にして…

映画『モータルコンバット/ネクストラウンド』カール・アーバン モータルコンバット/ネクストラウンド【レビュー】

エド・ブーンとジョン・トビアスが手掛けた同名ビデオゲームを原作とする本作では…

映画『炎上』森七菜/髙橋芽以 心理学から観る映画61:欲求の階層からみるキャラクターの心情『嵐が丘』『炎上』『マテリアリスト 結婚の条件』

今回は、マズローの「基本的欲求」の観点から、キャラクターがどのような心理状態にあるのかを考察します。

映画『TOKYO BURST-犯罪都市-』水上恒司/ユンホ(東方神起) TOKYO BURST-犯罪都市-【レビュー】

REVIEWマ・ドンソクが主演の人気シリーズ“犯罪都市”の初のユニバース作品として作られた…

映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン 『サヨナラの引力』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『サヨナラの引力』一般試写会 5組10名様ご招待

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原 セルフ・モニタリングとモデリングの機会となる映画鑑賞(論文紹介)&映画でSELラボOPEN!

株式会社TSトーキョーは、映画でSELラボをオープンしました!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以
  2. 【映画学ゼミ第8回】「感情は有用か、有害か、映画の場合で考える」参加者募集!
  3. 【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原

REVIEW

  1. 映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ
  2. 映画『アダムの原罪』レア・ドリュッケール/アナマリア・ヴァルトロメイ
  3. 映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』
  4. 映画『アン・リー/はじまりの物語』アマンダ・セイフライド
  5. 映画『モータルコンバット/ネクストラウンド』カール・アーバン

PRESENT

  1. 映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン
  2. Prime Original ドラマシリーズ 『クロエマ』杉咲花/多部未華子
  3. 映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT)
PAGE TOP