REVIEW

もういちどみつめる【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作

REVIEW

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように、本作には少年院を出所した青年が登場します。1年前に少年院を出所したユウキ(高田万作)は、母の妹である叔母の典子(筒井真理子)が営むキャンプ場に突然やってきます。そして、もう何年も会っていなかったユウキが彼の母である姉の居場所を探していて、父親とうまくいっていないと知った典子は、ユウキと一緒に過ごすことにします。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/にしやま由きひろ/内田周作

ユウキはなかやか他者に心を開かず、大人からするとどう接したら良いかわからない印象です。ユウキに向き合おうとする典子自身も、人と器用に接することができるほうではありません。でも、だからこそ真正面から向き合おうとする典子に、ユウキは徐々に心を開こうとしているように映ります。

映画『もういちどみつめる』中澤実子/リコ/徳永智加来
映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作

本作では、叔母と甥という独特な距離感が絶妙に描かれています。いつの時代も、年頃の若者の理解に困る大人はいて、わざわざ関わろうとする大人のほうが少ないでしょう。ただ、本作を観ていると、親でなくても、人生に迷った若者に手を差し伸べる大人の存在は必要だと感じます。そして、典子にとっても甥とのやり取りを通して、無念だった出来事に区切りをつけられているようにみえて、お互いの存在が癒しとなっている様子に、観ているこちらも癒されます。本作は、人間関係に疲れて、なんとなく孤独感がある方に特にオススメの1作です。

デート向き映画判定

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/にしやま由きひろ

特別デート向きという内容ではないものの、家族や親戚との心の繋がりを描いているので、観た後は自ずと生い立ちなどについて話したくなると思います。また、会話が少なくなっているカップルは、言葉少ななユウキの様子を観ていると、言葉にしないと相手に伝わらないしお互いに理解できないという状況を客観視できるところもありそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『もういちどみつめる』髙田万作

日常を淡々と描いているので、見た目に派手な展開のある作品が好みの方には不向きかもしれません。ただ、ユウキは皆さんと世代が近いので、共感しやすい部分もあるでしょう。言葉の一つひとつや、その言葉を受けたキャラクターの細かい表情に目を向けて、それぞれの心の中がどんな風に動いているかをじっくり観察して欲しいです。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作

『もういちどみつめる』
2025年11月22日より全国順次公開
渋谷プロダクション
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©Aerial Films

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『喝采』ジェシカ・ラング 喝采【レビュー】

ブロードウェイで活躍した伝説の俳優マリアン・セルデスをモデルとした本作の主人公は、ジェシカ・ラングが演じています…

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年12月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年12月】のアクセスランキングを発表!

映画『コート・スティーリング』オースティン・バトラー コート・スティーリング【レビュー】

ダーレン・アロノフスキー監督とオースティン・バトラーがタッグを組んだ本作は…

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  2. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  3. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  4. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン
  5. ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP