REVIEW
松田正隆による戯曲を映画化した本作は、演出家の玉田真也が監督、脚本を務め、オダギリジョーが主演と共同プロデューサーを兼任しています。そして共演には、髙石あかり、松たか子、森山直太朗、高橋文哉、篠原ゆき子、満島ひかり、光石研と豪華な俳優が揃っています。

物語は、息子を亡くした喪失感を抱えた主人公の治(オダギリジョー)と、17歳の姪の優子(髙石あかり)が突然同居するところから始まります。治は父親代わりになろうと優子と向き合い、優子はそんな治に対して次第に心を開いていきます。不器用な2人の姿はとても健気で応援したくなります。

また、本作は雨の降らない夏の長崎が舞台となっており、水不足で困っている状況と登場人物達の乾いてしまった心情が重なります。主人公達の他にもそれぞれのキャラクターにどこか喪失感や孤独感のようなものを感じられ、共感できる部分があるので、自分や周りにいる方の人生と重ねながら観ることもできると思います。

撮影は全編長崎で行われたそうで、何気なく映る小道や階段など、どこを切り取っても美しい景色が印象に残ります。物語の雰囲気とも合っていて、こういう場所に行ってみたいと思えるので、本作を機に長崎旅行に行きたくなる方もいるのではないでしょうか。
デート向き映画判定

夫婦関係や、17歳の優子の淡い恋愛模様がリアルに観られます。ドキドキというよりも現実的な描写が多いので、ムードを盛り上げる効果はあまり期待できません。ただ、一人ひとりの複雑な心情をじっくりと観察することで、相手に寄りそうことの大切さなど、恋愛におけるヒントは得られるかもしれません。
キッズ&ティーン向き映画判定

皆さんの場合は優子の視点で観られると思います。17歳の優子は大人の階段を上り始めつつも、どこか子どもっぽさもあり、複雑な心情を抱えて日々過ごしています。そんな彼女と叔父の同居生活や、アルバイト先の先輩との恋愛模様は同世代なら特に共感できる部分が多く、自分自身を振り返るきっかけにもなりそうです。

『夏の砂の上』
2025年7月4日より全国公開
アスミック・エース
公式サイト
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© 2025 映画『夏の砂の上』製作委員会
TEXT by Shamy
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情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
