REVIEW

ジョーカー

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ジョーカー』ホアキン・フェニックス

良い意味で“バットマン”シリーズ、DCシリーズかどうかはどうでも良いと思えてしまうくらい強烈な映画です。これまでいろいろな作品で観てきたゴッサム・シティを全く別の角度から観られるストーリーになっていて、架空の都市でありながら今の私達の現実社会をすごく生々しく投影していて、他人事として観られません。ジョーカーのキャラクターもこれまでにないもので、共感すら覚えてしまう引力があります。自分の存在がこの世にあるのかわからない、自分の価値がわからない…という状況に追い打ちをかけるように、自分が知らなかった事実が明かされていき、自分のこれまでの人生、そして自分自身が否定されてしまう。何を信じて良いかわからない偽善だらけの社会で、ジョーカーは生まれてしまったのだと思います。もしかしたら人気のあるヴィランだけに、本作のとても人間味のあるジョーカーについては、好みが分かれるのかも知れませんが、こんなキャラクターに昇華させるとは驚きであり、称賛に値します。そして何よりホアキンの演技、役作りは驚異的で、虐げられてきたからこそアーサー(=ジョーカー)の変貌ぶりがいろんな意味で恐怖を煽ります。社会を怖いと思うか、社会が生む悪を怖いと思うか、それとも自分の中の闇に気付くか…、とにかく観た後にしばらく余韻が残る映画です。必見!

デート向き映画判定
映画『ジョーカー』ホアキン・フェニックス

心をえぐるストーリーで、デートを盛り上げてくれるようなテンションはありませんが、一緒に観て気まずいことはなく、とても見応えがあるので、2人とも興味があるのならデートで観るのもアリだと思います。「あれって、○○なの?」「あのシーンって…」と、人と語りたくなる要素もあるので、映画好きカップルには打って付けです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ジョーカー』ホアキン・フェニックス/ロバート・デ・ニーロ

R-15なので15歳未満の人は観られません。社会の闇、人間の闇に焦点を当てたストーリーで、誰の心にも響く内容だと思うので、ぜひ観られる年齢の人は観て欲しいと思います。先入観で人を観たり、見下したり、理解しようとしなかったり、時代や国を問わず私達の日常でよくあることの積み重ねが、人を狂わせていく…。この世の中で本当に怖いものは何か、考えるきっかけになると思います。

映画『ジョーカー』ホアキン・フェニックス

『ジョーカー』
2019年10月4日より全国公開
R-15+
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP