REVIEW

スキャンダル

  • follow us in feedly
  • RSS

本作は、アメリカで視聴率NO.1を誇るニュース放送局“FOXニュース”のCEOによる、実際に起こったハラスメント事件を映画化したもの。パワハラ、セクハラの当事者だけにフォーカスするに留まらず、その周囲の人々の反応も生々しく描いている点で、こういった問題の根底にあるものが何なのかをより具体的に想像させてくれる内容です。ずっと昔からセクハラは身近にあって、今ほど問題視されずにそれが当たり前だった時代を経てきたわけですが、そういった状況を不本意ながらも切り抜けてきた先人達がいて、今も見えないところで耐えている人がたくさんいます。悲しいかな、なぜかそういう犠牲者のほうが、こういった行為に自分が巻き込まれたことを恥じていて、声に出せない状況を強いられてしまっているのが、とてもリアルに伝わってきます。シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーが演じるキャラクターは、それぞれ違った立場を取りますが、彼女達以外の社内の女性や、CEOの妻など、あらゆる立場の女性の姿勢、価値観も映し出されていて、問題の根深さを実感させられます。でもどんな目に遭うかわからなくても立ち上がった1人から始まり、どんどんと周囲が変わっていく様子は爽快でもあり、それぞれの立場で悩みながら戦う女性達の姿に、パワーをもらえます。シャーリーズ・セロンとニコール・キッドマンは、実在の人物を演じるにあたり、特殊メイクを施していますが、そういった外見の役作りに加えて、やはり2人の演技力が素晴らしいので、映画のクオリティもバッチリです。

デート向き映画判定
映画『スキャンダル』ニコール・キッドマン

セクハラという視点で言うと女性のほうが共感ポイントは多くあると思いますが、広くパワハラという観点で観ると、男女問わず関心が深いところだと思うので、デートで観るのもアリだと思います。女性がこういう状況でどんな風に苦しんでいるのか、そしてそれが明るみになっていないだけで1人で苦しんでいる状況もあるということが、とてもよくわかる内容なので、男性にこそ観て欲しい内容でもあります。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『スキャンダル』マーゴット・ロビー

そういう状況があると思いたくはありませんが、学校でもパワハラ、セクハラ問題がないとは言えません。表に出ないだけで、身近にそういうことがある可能性もあります。自分がパワハラ、セクハラをする側にならないようにというのももちろんですが、そういう状況で苦しんでいる人がいる場合に、本作を機に周囲の良き理解者としてのスタンスを持ってもらえたらと思います。

映画『スキャンダル』シャーリーズ・セロン/ニコール・キッドマン/マーゴット・ロビー

『スキャンダル』
2020年2月21日より全国公開
ギャガ
公式サイト

TEXT by Myson

© Lions Gate Entertainment Inc.

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年12月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年12月】のアクセスランキングを発表!

映画『コート・スティーリング』オースティン・バトラー コート・スティーリング【レビュー】

ダーレン・アロノフスキー監督とオースティン・バトラーがタッグを組んだ本作は…

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  2. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  3. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン
  4. ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈
  5. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP