REVIEW

ザ・クリエイター/創造者【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ザ・クリエイター/創造者』マデリン・ユナ・ヴォイルズ

人間は自分達が便利に生きられるようにさまざまなものを生み出してきました。その究極の産物が人間に近い存在のAIです。本作は私達人間が現実的に向き合わなければいけない問題をテーマにしています。本作に登場するAIは、人間に使われる存在としてだけでなく、自立して人間と同じように暮らしています。そんななか、共存か敵対かという問題が浮上し、敵対派の人間によって戦争が起こります。
見応えのあるテーマ、ストーリーに魅力を加えているのはキャラクター達。特にアルフィーがとっても可愛い!というか、アルフィーを演じたマデリン・ユナ・ヴォイルズの名演に驚かされます。ジョン・デヴィッド・ワシントン、渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイといった大物達に囲まれながら、堂々たる演技を披露しています。マデリンはAIらしい仕草と同時に子どもらしさのある表情も豊かで、観る者を惹きつけます。
科学技術は、元々良い目的に使われるために開発されたとしても、必ず悪用する者が出てきます。本作を観ていると、結局のところ、問題の根源は人間の身勝手さにあることを改めて実感できます。また、人間と同じように意思があるAIは単なる機械なのか、それとも人格を持つ存在なのかというテーマを通して、人とは何かを観る者に問いかけるストーリーとなっています。クライマックスはアクションシーンに迫力あり、エモーショナルなシーンもありで見応え抜群です。

デート向き映画判定
映画『ザ・クリエイター/創造者』ジョン・デヴィッド・ワシントン

恋愛と人間愛こそが鍵となっている物語なので、好きな人、大切な人がいる方は一層感情移入できるでしょう。デートで観るなら、隣に座っているパートナーの存在が愛おしく感じられそうです。共感できる内容ながら、特殊なシチュエーションなので、逆に気まずくなることもないはず。初デートでもオーケーでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ザ・クリエイター/創造者』渡辺謙

ストーリーはシンプルなので、洋画を観慣れている小学生なら内容についていけると思います。上映時間は2時間を超えるので、集中力が保てるかどうかは検討したほうが良いでしょう。本作では、子どもの姿をしたAIのアルフィーが大活躍します。彼女は、ジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と過ごすなかでいろいろなことを学んでいきます。彼女はとても頼もしい存在に成長していくので、観ていて爽快です。
AIと人間の違いは一見簡単に説明できそうですが、本作を観ると難しさがわかるはずです。この問いはそのまま人間とは何かという問いとなっています。本作を観ながらその答えを考えてみると、自分の価値観に気付くかもしれません。

映画『ザ・クリエイター/創造者』ジョン・デヴィッド・ワシントン/渡辺謙/ジェンマ・チャン/アリソン・ジャネイ/マデリン・ユナ・ヴォイルズ

『ザ・クリエイター/創造者』
2023年10月20日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2023 20th Century Studios

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『果てしなきスカーレット』
  2. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  3. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  4. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  5. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人

PRESENT

  1. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  2. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP