REVIEW

サラブレッド

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『サラブレッド』オリヴィア・クック/アニャ・テイラー=ジョイ

感情がない少女アマンダと、感情的な少女リリー。幼馴染みながら長らく疎遠だった2人が再会し、また徐々に親密になっていくにつれ、2人の関係性が変容していく様がスリリングに描かれています。一見すると、感情がないアマンダは冷静な分、感情的なリリーをリードするのは自然ですが、そんなに単純にいかないところがこのストーリーのおもしろいところ。それぞれのキャラクターに感情移入しながら観るのも楽しめるし、客観的に2人の関係を観て、人間の理性と感情の必要性やバランスを観察するような観方もできます。女子独特の奇妙な絆、共依存もリアルなだけにゾッとしてしまうと同時に、お互いに欲しいもの、必要なものがわかっている2人だからこその独特な結末が予想外の達成感をもたらし、観る側はある種の困惑を味わえます。私はこういう後味の映画が結構好きですが、一般的には好きか嫌いかは分かれそうですね。また本作には、2016年に27歳という若さでこの世を去ったアントン・イェルチンが出演している点も映画ファンに注目して欲しいところ。そして主演のオリヴィア・クック、アニャ・テイラー=ジョイの鋭い演技も見ものです。

デート向き映画判定
映画『サラブレッド』アニャ・テイラー=ジョイ/アントン・イェルチン

女性はすごくわかる部分が多いと思いますが、男性がどんな感想を持つのか、想像しづらいストーリーです。男女のもつれ的な話題ではない分、そういう気まずさはありませんが、鑑賞後にお互いに映画に共感するかどうかは読めません(笑)。なので、女子同士で行くか、1人で行くほうが向いている作品のように思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『サラブレッド』オリヴィア・クック/アニャ・テイラー=ジョイ

キッズやティーンの皆さんには、こういう友人関係がすごく身近に感じられると思います。もう子どもではないけれど、大人になりきってないからこそ自由が利かないフラストレーションや、それをどうぶつけてよいのかわからずに悩んで暴走してしまう感覚は、実際の行動に結びつくところまでいかなくても、誰もが一度は感じたことがあるはずです。アマンダとリリーの関係や、2人が選んだ結末は反面教師的な部分もありますが、苦しんでいるのは自分だけではないと思わせてくれる部分もあるでしょう。

映画『サラブレッド』オリヴィア・クック/アニャ・テイラー=ジョイ

『サラブレッド』
2019年9月27日より全国公開
PG-12
パルコ
公式サイト

©2019 Universal Studios. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『グッドワン』リリー・コリアス 利口な子どもに甘える大人『グッドワン』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は、父と娘、父の友人の3人で出かけたキャンプでの様子を描く『グッドワン』を取り上げ、娘サム、父クリスと、その友人マットそれぞれの視点でどんな思考が働いていたかを想像してみます。

映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ モディリアーニ!【レビュー】

35歳の若さで亡くなったイタリア人の芸術家アメデオ・モディリアーニの人生を変えた3日間を描く本作では、ジョニー・デップが『ブレイブ』(1997)以来約30年ぶりに監督を務めました…

映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ 28年後… 白骨の神殿【レビュー】

おもしろすぎる!テーマが深い上に、遊び心もちゃんとあって、観賞中はテンション爆上がり…

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ ジョン・チョウ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年6月16日生まれ。韓国出身。アメリカ、ロサンゼルス育ち。

映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜 万事快調〈オール・グリーンズ〉【レビュー】

原作者の波木銅は、現役大学生だった21歳の時に、同名小説で松本清張賞を受賞…

映画『長安のライチ』ダーポン(大鵬)/テレンス・ラウ(劉俊謙) 長安のライチ【レビュー】

REVIEW『熱烈』で監督・脚本を務めたダーポン(大鵬/ダー・ポンと表記される場合もある)…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ヒュー・ボネヴィル/ローラ・カーマイケル/ジム・カーター/ラケル・キャシディ/ブレンダン・コイル/ミシェル・ドッカリー/ケヴィン・ドイル/マイケル・フォックス/ジョアン・フロガット/ハリー・ハッデン=パトン/ロブ・ジェームズ=コリアー/アレン・リーチ/フィリス・ローガン/エリザベス・マクガヴァン/ソフィー・マックシェラ/レスリー・ニコル/ダグラス・リース/ペネロープ・ウィルトン ダウントン・アビー/グランドフィナーレ【レビュー】

テレビシリーズ、映画版と全部観てきた者として、15年の歴史を振り返ると、感慨深いものがあります…

映画『恋愛裁判』齊藤京子 恋愛裁判【レビュー】

アイドルは恋愛禁止という風潮が社会に浸透しているなか、改めて本作はその是非を問います…

海外ドラマ『グレイズ・アナトミー シーズン13』ジェシー・ウィリアムズ ジェシー・ウィリアムズ【ギャラリー/出演作一覧】

1981年8月5日生まれ。アメリカ、イリノイ州シカゴ出身。

映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶:カン・ハヌル、ユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督 一緒に仕事をしたい日本人俳優・監督名を告白!『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル、ユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督、来日舞台挨拶

『YADANG/ヤダン』が日本劇場公開された初日、主演のカン・ハヌル、本作を含めさまざまな作品でキーパーソンを演じ、名脇役として活躍するユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督が揃って来日しました。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 昨日よりちょっと賢く生きるための【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  3. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン

REVIEW

  1. 映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ
  2. 映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ
  3. 映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜
  4. 映画『長安のライチ』ダーポン(大鵬)/テレンス・ラウ(劉俊謙)
  5. 映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ヒュー・ボネヴィル/ローラ・カーマイケル/ジム・カーター/ラケル・キャシディ/ブレンダン・コイル/ミシェル・ドッカリー/ケヴィン・ドイル/マイケル・フォックス/ジョアン・フロガット/ハリー・ハッデン=パトン/ロブ・ジェームズ=コリアー/アレン・リーチ/フィリス・ローガン/エリザベス・マクガヴァン/ソフィー・マックシェラ/レスリー・ニコル/ダグラス・リース/ペネロープ・ウィルトン

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
PAGE TOP