REVIEW

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ダニエル・クレイグ

164分という長編ですが、内容がギッシリ詰まっていてあっという間です。序盤から派手なアクションシーンがあり、ある人物の謎の過去もほのめかされ、物語にグッと引きつけられます。個人的にはダニエル・クレイグ版から007にハマったので、以前のシリーズは何作品か観たものの内容があまり記憶にないのですが、ダニエル・クレイグ版はジェームズ・ボンドが良い意味で人間臭い印象があります。スパイとしては凄腕だし、セクシーでモテるというところは他の俳優さんのバージョンと共通していると思いますが、ダニエル・クレイグ版のボンドは人情が厚く、どこかで普通の人としての幸せを求めているようなところにいろいろな意味での危なっかしさがあるからこそ、私達一般庶民にとっても親近感が持てて感情移入しやすいのかなと感じます。
また、今作でも抜群の最新鋭スパイ・グッズや車が登場する点でワクワクし、ジェームズ・ボンドはもちろん、作品全体のカッコ良さが際立っています。ベン・ウィショーが演じるQも相変わらず癒し的な役割を果たしてくれていますよ。そして、007のシンボル的なビジュアルがさりげなくシーンの合間に出てくるところにも、遊び心とこだわりが見えてテンションが上がります。さらに「それって何か重要な前振り??」と次作への想像が膨らむ設定があったり、ファンの好奇心をまだまだくすぐる見どころがあります。
「ここがおもしろい!」「あのシーンがめちゃくちゃカッコ良い!」という話をしたいところですが、伏線を楽しんでいただきたいので我慢します(笑)。ダニエル・クレイグ版ラストにして、ジェームズ・ボンドの新たな一面が物語の鍵を握るという展開も出てくるので、ネタバレに出くわす前に早めに観てください。

デート向き映画判定
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ダニエル・クレイグ/アナ・デ・アルマス

とてもロマンチックで切ない展開もあるので、本作のムードにどっぷり感化されて、隣りにいる大事な人への想いも盛り上がるのではないでしょうか(笑)。上映時間がかなり長いので、時間がたっぷりある日のデートのメニューに入れることをオススメします。初デートにもオススメですし、年代も問わないので、どんなカップルのデートで観ても良いでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ラミ・マレック

スピーディーで豪快なアクションシーンは年齢問わず釘付けになると思いますが、ムードは大人の色気ムンムンなので、せめて中学生以上になってから観たほうがこの世界観含めて良さがわかるのではないでしょうか。上映時間も3時間近いので長めの映画鑑賞に慣れてから観るほうが集中力が保てるかもしれません。とはいえ名作ですので、ぜひ大きくなったら観てください。

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ダニエル・クレイグ/ナオミ・ハリス/レア・セドゥ/ベン・ウィショー/アナ・デ・アルマス/ラミ・マレック

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
2021年10月1日より全国公開
東宝東和
公式サイト

© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP