REVIEW

天外者

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『天外者』三浦春馬

土佐の坂本龍馬、岩崎弥太郎、長州の伊藤博文らと共に、明治維新に大きく貢献した五代友厚(元の名:五代才助)の物語。彼は江戸末期にペリーの黒船来航で揺れる日本で、誰よりもはるか先の未来を見据えて、刀ではなく頭を使って、日本を変えようとしていた人物です。タイトルにある“天外者(てんがらもん)”とは、「凄まじい才能の持ち主」という意味だそうですが、前半は日常の場面で才助がずば抜けた頭の良さを発揮する姿にワクワクさせられます。でも、国を変えるとなると次元が違います。後半は身の危険を冒して人々のために貢献しますが、名声やお金のためではなく、純粋に「誰もが夢を見られる国にしたい」と思って地道に行動しているところが、なお彼のカッコ良さを際立てます。そして、“頭を使って”とはいえ、多くの人に疎まれて、命を狙われることもしばしば。それでも人を殺さずに倒していく文武両道である点も魅力的に描かれています。さらに、頭が良く気立てが良いキャラクターが、三浦春馬のイメージにピッタリで、人間味と暖かみのある人物像が体現されています。観ているうちに「こんなに頑張ってるのに…」という気持ちになってきますが、最後の最後にジワッとさせられて、彼の思いや意志が受け継がれていることを知らされます。だからこの映画ができたんだなというところにも繋がってくるのですが、彼のような人が時代に1人でもいてくれたことで今の私達があると思うと、夢を捨ててはいけないなと前向きになれます。

デート向き映画判定
映画『天外者』三浦春馬/蓮佛美沙子

ラブストーリーの要素もあり、時代物としても観やすいので、デートで観るのもアリでしょう。下心ではなく良心から女性に接する才助の態度も、男性にとっては参考になるはず(笑)。まずはお友達から関係を始めたい人も、才助が辿る恋愛を観て、こうやって全然違う世界にいた人同士でも徐々に心は近づいていくんだなと客観視できると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『天外者』三浦春馬/三浦翔平

明治維新に詳しくなくても誰もが知っているレベルの歴史上の人物が出てくるので、今まさに学校で歴史を学んでいるティーンの皆さんなら余計に興味が湧くと思います。日本史に詳しい人と行くなら、鑑賞前か後に解説を聞くと、より一層理解が深まり楽しめるでしょう。もしくは、映画の公式サイトの人物相関図やイントロダクションを事前に見ておくだけでも、だいぶわかりやすくなります。映画自体が歴史の理解の一助になるのはもちろん、五代友厚自身の生き様を観ると、「勉強って大事!」「勉強って役に立つ」「勉強できるって貴重なこと」と思えて、日頃の勉強へのモチベーションも上がるかもしれません。

映画『天外者』三浦春馬/三浦翔平/西川貴教/森永悠希/森川葵/蓮佛美沙子/生瀬勝久

『天外者』
2020年12月11日より全国公開
ギグリーボックス
公式サイト

© 2020 「五代友厚」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『窓ぎわのトットちゃん』 窓ぎわのトットちゃん

原作者である黒柳徹子自身の幼少期を綴った自伝的小説…

映画『イコライザー THE FINAL』ダコタ・ファニング ダコタ・ファニング

1994年2月23日生まれ。アメリカ、ジョージア州コンヤーズ出身。幼少期からテレビドラマやCMに出演。2001年、映画『I am Sam アイ・アム・サム』に出演し…

映画『ウィッシュ』 ウィッシュ

ディズニー100周年を飾る本作には、まさにディズニーが100年間掲げてきた…

映画『ポッド・ジェネレーション』エミリア・クラーク エミリア・クラーク

1986年10月23日生まれ。イギリス、ロンドン出身。HBOのドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリス・ターガリエン役で…

映画『隣人X -疑惑の彼女-』熊澤尚人監督インタビュー 『隣人X -疑惑の彼女-』熊澤尚人監督インタビュー

今回は『隣人X -疑惑の彼女-』でメガホンをとった熊澤尚人監督にお話を伺いました。群像劇だった小説を映画化する上で工夫された点や、上野樹里さん&林遣都さんと久しぶりにお仕事をされた感想を聞いてみました。

映画『ショータイム!』サブリナ・ウアザニ ショータイム!

観ればきっと行ってみたくなるユニークでアットホームな“農場キャバレー”にまつわる実話…

映画『極限境界線 救出までの18日間』ヒョンビン ヒョンビン

1982年9月25日生まれ。韓国出身。ドラマ『私の名前はキム・サムスン』『雪の女王』など…

映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール エクソシスト 信じる者

故ウィリアム・フリードキン監督による1973年製作『エクソシスト』から50年の時を経て作られた本作は…

映画『ファースト・カウ』ジョン・マガロ 『ファースト・カウ』一般試写会 15組30名様ご招待

映画『ファースト・カウ』一般試写会 15組30名様ご招待

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』来日記者会見、オールデン・エアエンライク オールデン・エアエンライク

1989年11月22日アメリカ、ロサンゼルス生まれ。4才の頃から学校やサマーキャンプで劇をし…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』 トーキョー女子映画部正式部員が推す!今観ているアニメシリーズ特集

今回はトーキョー女子映画部正式部員の方々に、「今観ているオススメのアニメシリーズ」について、聞いてみました。

映画『インファナル・アフェア 4K』アンディ・ラウ/トニー・レオン あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インファナル・アフェア』

今回は『インファナル・アフェア』のラウ役のアンディ・ラウとヤン役のトニー・レオンをそれぞれ誰が演じるのが良いか、正式部員の皆さんに考えていただきました。今回はどんなキャスティング案が挙がったのでしょうか?

映画『ヒッチコックの映画術』アルフレッド・ヒッチコック 映画好きが選んだアルフレッド・ヒッチコック監督人気作品ランキング

アルフレッド・ヒッチコックが監督をした作品(1950年以降に制作された作品)について正式部員の皆さんに投票いただきランキングを作成しました。名作揃いのなか、どの作品が1位となったのでしょうか?

TSUTAYA TV

REVIEW

  1. 映画『窓ぎわのトットちゃん』
  2. 映画『ウィッシュ』
    ウィッシュ

  3. 映画『ショータイム!』サブリナ・ウアザニ
  4. 映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール
  5. 映画『VORTEX ヴォルテックス』ダリオ・アルジェント/フランソワーズ・ルブラン

PRESENT

  1. 映画『ファースト・カウ』ジョン・マガロ
  2. 映画『バービー』マーゴット・ロビー/ライアン・ゴズリング
  3. 映画『アクアマン/失われた王国』ジェイソン・モモア
PAGE TOP