REVIEW
女性初、エベレスト登頂に成功した、登山家の田部井淳子氏による著書「人生、山あり“時々”谷あり」を原案として映画化された本作は、実話を基にしたフィクションです。田部井氏は「生涯で76か国の最高峰・最高地点を登頂。ネパール王国から最高勲章グルカ・ダクシン・バフ賞をはじめ、文部省スポーツ功労賞、日本スポーツ 賞 大賞、朝日体育賞(現在朝日スポーツ賞)など数多く、受賞」しています(映画公式資料)。

物語は、多部純子(青年期:のん)が1975年、世界最高峰といわれるエベレスト登頂に成功したところから始まります。そして、エベレスト登頂に至る過程が振り返られ、女性達の社会進出が遅れていた当時の様子が映し出されます。そんななかでも、純子をはじめとした女性クルー達は、困難な資金集めにも成功し、エベレストの頂上を目指します。

一方、輝かしい功績の裏で,純子が別の苦悩を抱えながら生きていた姿も描いています。初のエベレスト登頂の裏で起きていた女性同士の難しい人間関係に悩む様子や、母としての葛藤、現代の純子(吉永小百合)にはさらなる大きな試練も訪れます。


純子の明るく真っ直ぐな性格に癒される部分もありつつ、本当はすごく辛かったのだろうなという想像もかき立てれます。また、夫の正明(佐藤浩市)、長女の教恵(木村文乃)、長男の真太郎(若葉竜也)にもスポットが当てられていて、各々の苦悩もひしひしと伝わってきます。

本作はラブストーリーであり、家族の物語でもあります。観る方によってどの点が印象に残るかは分かれるでしょう。さまざまなキャラクターの視点でご覧ください。
デート向き映画判定

お互いを尊重しあう多部夫妻はとても良いお手本です。お互いを尊敬し合い、譲り合い、支え合いながら生きている姿が素敵です。それぞれ人間味がある様子もみられ、本心を吐露する場面も参考になるでしょう。優しさの裏で堪えている気持ちがあることも忘れずに、夫婦仲良く過ごす秘訣を本作から得られるのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

偉大な母を持つ子どもの心境も生々しく描かれています。有名人の親を持つことは良いことばかりではない現実を知ることもできます。もし皆さんの家族で親子関係がギクシャクしてしまっていたら、多部親子がそれぞれに悩みながら成長していく過程をみると、視点が変わるきっかけをもらえるかもしれません。

『てっぺんの向こうにあなたがいる』
2025年10月31日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト
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©2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
TEXT by Myson
関連作
「人生、山あり“時々”谷あり」田部井淳子 著/潮文庫
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情報は2025年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。




























