REVIEW

野性の呼び声

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『野性の呼び声』ハリソン・フォード

本作には、ハリソン・フォード、オマール・シー、ダン・スティーヴンス、カレン・ギランなど豪華キャストが出演していますが、主人公は犬のバックです。冒頭から元気いっぱい、無邪気なバックの姿に癒されますが、本作はバックがいかにして自分らしい生き方を見つけ、居場所を見つけていくかを描いています。原作は1903年に出版されたジャック・ロンドンの「野性の呼び声」。1876年、サンフランシスコの貧しい家庭に生まれジャック・ロンドンは、各地を放浪しながら職を転々としていたそうで、この原作はゴールドラッシュに参加した際の見聞をもとに、故郷に戻って執筆したもの。これまでクラーク・ゲイブル主演作や、チャールトン・ヘストン主演作ほか、テレビ映画化、アニメーション化などもされ、世界中で広く長く愛されている小説です。アメリカでは、小・中学校の教科書に載るほどの人気だそうですよ。それほど愛される理由は観て納得。バックはかなりやんちゃだけど、すごく愛嬌があり、ご主人様に対して忠誠心があり、仲間には愛情いっぱい、時には自分よりも強そうな相手でも立ち向かい、周囲を幸せにしていきます。犬を飼ったことがある人なら共感ポイントやウルウルポイントが満載なのはもちろん、犬を飼ったことがない人でもバックのキャラクターに癒されるはず。メガホンを執ったのは、『アラジン』『ライオン・キング』などで原案を務め、『リロ&スティッチ』や『ヒックとドラゴン』では監督を務めた(ディーン・デュボアと共同監督)クリス・サンダースで、動物達の活き活きとした姿をリアルに再現しています。
主人公は犬のバックですが、自然に触れることで本来の自分の価値、在り方に気付いていく様は、人間に置き換えて考えさせられる部分が多々あります。そういった意味でも、ファミリー映画の域を超えて、大人の心も打つ作品となっています。アドベンチャー大作としては、“インディ・ジョーンズ”シリーズなど数々のアドベンチャー傑作で主演をはってきたハリソン・フォードが、再びアドベンチャー大作に登場しているのも感動ポイントです。

デート向き映画判定
映画『野生の呼び声』ハリソン・フォード

カップルで観て気まずいところはなく、バックの愛嬌と奮闘する姿にとにかく癒されるので、初デートで観るのもオススメです。動物を飼ったことがある人なら、鑑賞後の会話も一層盛り上がるでしょう。癒されるだけでなく、アドベンチャー大作としても見応えがあり、美しい風景なども魅力なので、大人カップルでもオーケーです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『野生の呼び声』オマール・シー

年齢を問わず楽しめる作品で、キッズにもわかりやすいストーリーです。人間だけじゃなく、動物にだって、個々にふさわしい生き方があるのだと語っていますが、それは逆に私達人間にも、自分らしい生き方を選ぶべきだと教えてくれていると解釈できるでしょう。周囲の目や意見ばかりを気にして、知らぬ間に自分らしさを見失ってしまっていたら、そのことに気付かせてくれますよ。

映画『野性の呼び声』ハリソン・フォード

『野性の呼び声』
2020年2月28日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2020 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP