ドラマ

『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

  • follow us in feedly
  • RSS
ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

理想の夫婦といわれた2人が騙し合いを繰り広げるドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』。今回はW主演を務める犬飼貴丈さんにお話を伺いました。本作のテーマでもある復讐劇の魅力や、犬飼さんご自身が今後挑戦してみたいことについて直撃しました。

<PROFILE>
犬飼貴丈(いぬかい あつひろ):雨宮柊斗 役
1994年6月13日生まれ。徳島県出身。2012年、第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。2014年、ドラマ『碧の海〜LONG SUMMER〜』で俳優デビュー。2017年、『仮面ライダービルド』でドラマ初主演を飾る。その他、近年の主な出演作に、映画『ぐらんぶる』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』などがあり、ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』では中村ゆりかと共にW主演を飾る。


感謝の気持ちを大事したいと思いました

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈

シャミ:
本作は、理想の夫婦といわれた2人が繰り広げる騙し合いが描かれている作品です。最初に脚本や原作を読んだ時に、物語や柊斗というキャラクターにどんな印象を受けましたか?

犬飼貴丈さん:
典型的にダメな男というのが第一印象でした。物語が進めば進むほどダメなところがたくさん見えてきますが、そのダメな部分がだんだんと滑稽に見えてきてもはや可愛く感じました。もちろん柊斗の行動は肯定しませんし、本当にどうしようもない人物ですが、第一印象から少しずつ印象が変わっていきました。

シャミ:
だんだんと印象が変わったんですね。柊斗は不倫をしていて、さらに成美(中村ゆりか)に対して何か企んでいました。すごく特徴のある役でしたが、実際に演じてみていかがでしたか?

犬飼貴丈さん:
絶対にやってはいけないことをやるという経験は、役だからこそできることなので、楽しく演じることができました。それに、自分の妻に男性をけしかけておいて、いざその場面になるとちょっと嫉妬をするところとか、そういう振り切れていない部分もキャラクターとしておもしろいと感じました。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

シャミ:
1話の冒頭では、柊斗が優しい夫を演じていて、本音では全然違うことを思っているという二面性も見えました。そういった演じ分けで工夫された点はありますか?

犬飼貴丈さん:
実は悪い柊斗のほうが演じやすかったです。僕にとっては、優しくて、明るい元気な役のほうが少し難しいと感じることが多いので、どちらかというと悪いほうがやりやすかったです。誰かに微笑みながら話しかけることがあまり得意ではないので、そういった自分が苦手なところをどう演じるのかは課題でした。

シャミ:
苦手なパートにも挑戦されているんですね。本作は結婚や夫婦というテーマもありますが、本作を通じてご自身の夫婦観や結婚観に変化があった点、何か発見されたことなどはありますか?

犬飼貴丈さん:
いろいろなことに感謝しなくてはいけないと感じました。相手が自分を好きでいてくれること、当たり前のようにご飯を作ってくれることに絶対感謝するべきです。そういった一つひとつのことに感謝をすることが夫婦にとってとても大事なことだと感じました。柊斗にもその感謝の気持ちがあったら不倫をしようなんて思わなかったでしょうし、僕もそういった感謝の気持ちを大事したいと思いました。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』中村ゆりか/犬飼貴丈

シャミ:
本作では復讐も物語のキーとなっています。夫婦関係に関わらず、さまざまな復讐ものの作品がありますが、犬飼さんご自身は復讐劇の魅力はどんな点だと思いますか?

犬飼貴丈さん:
やっぱり爽快感がありますよね。カタルシスを感じられるという点は復讐劇の1番の魅力だと思います。

シャミ:
ご自身でも普段復讐劇をご覧になりますか?

犬飼貴丈さん:
観ます!スカッとするので好きです。最後に復讐するまでの過程も観ていて楽しいです。それをこのドラマでも十分感じていただけるのではないかと思います。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

シャミ:
1話の時点で、今後夫婦が激しく騙し合う展開を予期させる内容となっていました。今後の展開で犬飼さんが特にオススメしたいポイントや注目して欲しいポイントを教えてください。

犬飼貴丈さん:
成美は全部わかっているのに、何もバレていないと思って行動している柊斗の滑稽さはすごくおもしろいポイントです。あとは、瑞希(中村海人)が、どのように成美や柊斗に関わってくるのか、そして莉々花(三原羽衣)は、関係を続けていく上でどうなっていくのかなど、それぞれの人物の動きが見どころになってくると思います。

シャミ:
群像劇的としてさらに盛り上がってくるんですね!

犬飼貴丈さん:
それぞれの関係がどう変化していくのかもそうですし、いろいろと考えながら観られると思います。

30歳からは自分のやりたいことも発信していきたい

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

シャミ:
ここからは犬飼さんご自身について伺わせてください。ジュノンスーパーボーイコンテストのグランプリ受賞をきっかけにこの業界に入られましたが、最初に俳優のお仕事に興味を持ったのはいつ頃でしょうか?

犬飼貴丈さん:
僕は学生時代にバンドをやっていて、その流れでギター1本を持って上京しました。そしたら事務所の方に「君は俳優だよ」と言われて、そこで初めて僕は俳優なんだと自覚しました(笑)。その時がある意味、俳優に興味を持ったきっかけなのかもしれません。それから時が経って、今もこうしてこの環境に身を置かせていただいていることはすごくありがたいです。これからも一つひとつ目の前のお仕事を頑張ってやっていきたいと思っています。

シャミ:
最初はバンドマンを目指されていたんですね!ちなみに音楽の夢は今もお持ちなのでしょうか?

犬飼貴丈さん:
音楽はずっとやりたいと思っています。結果としてオーディションを受けるきっかけになったのも音楽ですし。今も趣味で音楽を聞いたり作ったりしているので、今後そういったものを発信したり、発表していけるような土台作りもしていきたいと考えています。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈/三原羽衣

シャミ:
ご自身で作曲や作詞もされているんですか!?

犬飼貴丈さん:
はい、作っています。

シャミ:
すごいですね!今後役でそういった音楽系のキャラクターが来てもピッタリですね。

犬飼貴丈さん:
今まで音楽系の役はやったことがないので、もしそういったお話があったら嬉しいです。

シャミ:
楽しみにしています!実際に俳優のお仕事を始める前と後とで、俳優に対するイメージが変わった点はありますか?

犬飼貴丈さん:
このお仕事を始める前は、ドラマや映画に出ている人というイメージくらいで、あまり深く知りませんでした。でも、自分が実際にやることになって、こんなに大変なんだと驚きました。予想に反して地味な作業が多かったので、そういったところも意外でした。台詞を覚えたり、読み合わせをしたり、衣装合わせや打ち合わせもあり、実は裏での稼働がすごく多いことは想像していなかったので、びっくりしました。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

シャミ:
表のキラキラした部分だけではないということですね。俳優のお仕事を続けていくなかで発見した俳優というお仕事の魅力は何かありますか?

犬飼貴丈さん:
ずっとスタッフや共演者と皆で一緒にいられることです。『仮面ライダービルド』の時は、皆さんと1年以上とずっと一緒にいましたが、普段出演させていただく作品でも3ヶ月くらい一緒にいるので、学生時代の規模と責任感は違えど、文化祭のような雰囲気でずっといられる部分が好きです。文化祭の準備をしている時って楽しいじゃないですか。居残りをして友達とわちゃわちゃしながら、1つのことに向かって準備をするみたいな。それと同じような楽しさがあります。

シャミ:
現場によって集まるスタッフも出演者もどんどん替わっていくというのは、他のお仕事にはあまりない点ですよね。新しい現場に入る時にいつも心掛けていることは何かありますか?

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈

犬飼貴丈さん:
昔は元気良く、ハキハキと笑顔でいようと心掛けていたこともありますが、最近はありのままの自分でいようという風に変わりました。あまり構えずそのまま現場に入るようにしています。2、3ヶ月で環境が変わるので、そこは他の職業の方達と少し違う点で、離れる時は寂しく感じる時もあります。今回のドラマの現場は、すごくセンシティブな題材を扱いつつも、現場は居心地が良くて、皆さん笑顔の現場だったので、すごく助かりました。撮影はすでに終えてしまっていますが、またあのメンバーで集まってお仕事ができたら良いなと思います。

シャミ:
犬飼さんは、映画やドラマでの俳優業はもちろん、情報番組のレギュラー出演、朗読劇の経験などもあり、さまざまなチャレンジをされている印象があります。今後挑戦してみたいことは何かありますか?

犬飼貴丈さん:
やっぱり音楽です。1つ自分で決めていたことがあり、30歳までは与えていただいたこと、目の前のことをしっかりやっていこうと考えていたのですが、30歳からは自分のやりたいことも発信していきたいなと思っていたので、そういった音楽活動もしていけたら良いなと思います。あとは、声優などにも興味があります。今後もいろいろなことに挑戦してみたいです。

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』犬飼貴丈さんインタビュー

シャミ:
では最後の質問です。これまでで1番影響を受けた作品、もしくは俳優や監督など人物がいらっしゃったら教えてください。

犬飼貴丈さん:
『インディ・ジョーンズ』です。幼稚園か小学校低学年ぐらいの時に『インディ・ジョーンズ』を観て、カッコ良いなと思ったんです。当時ディズニーシーができたばかりで、そこに『インディ・ジョーンズ』のアトラクションがあり、そういったことも重なって、いいなと思いました。子どもなのでやっぱり恐竜とかが好きで、博物館で化石を見たり、考古学にすごく興味を持ちました。『インディ・ジョーンズ』に触発されて、当時は将来海外で考古学者として走り回りたいという夢がありました。それが記憶にあるなかでは初めて映画から影響を受けたことです。

シャミ:
本日はありがとうございました!

2024年8月9日取材 Photo& TEXT by Shamy

ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』中村ゆりか/犬飼貴丈/中村海人/三原羽衣

『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』
MBS/TBSドラマイズムにて放送中
監督:湯浅弘章/富田未来/小野田玄
原作:雪村こはる「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」(エブリスタ)
出演:中村ゆりか/犬飼貴丈/中村海人/三原羽衣

仕事も家事もそつなくこなす完璧な妻・雨宮成美と、そんな妻を愛する優しい夫・柊斗は、誰もが認めるおしどり夫婦だった。しかし、あるちょっとした違和感から成美は柊斗の不倫に気づいてしまう。そんななか、柊斗は友人と共にある計画を企み…。

公式サイト

©「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」製作委員会・MBS

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP