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映画に隠された恋愛哲学とヒント集73:【恋愛】を越える関係

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映画『こいびとのみつけかた』倉悠貴/芋生悠

ネタバレ注意!

【恋愛】という言葉は馴染み深い言葉として使われています。でも、正しく定義するにはあまりにも難しい言葉です。現実社会でも恋愛関係にある2人といっても、さまざまな関係性が見られ、どこからが恋愛で、どこまでが恋愛なのかは正直なところ本人達にもわからない部分が多いのではないでしょうか。

恋愛関係かそうでない関係の境界線も人によって異なります。わかりやすい境界線の1つに肉体関係の有無が挙げられるとはいえ、逆に肉体関係があっても恋愛関係ではない場合もあります。じゃあ、トキメキの有無かといえば、トキメキがなくなっても恋愛関係にあるカップルはたくさんいるでしょう。そう考えると、これまで私達はステレオタイプの恋愛の型に思考が囚われ過ぎていたように感じます。

そこで今回は、ある意味恋愛よりももっと深いところで繋がった、さまざまな”2人”の物語を取り上げます。

生きていくために必要な関係

映画『愛にイナズマ』松岡茉優/窪田正孝

まずは『愛にイナズマ』の折村花⼦(松岡茉優)と舘正夫(窪⽥正孝)です。2人の出会いは電撃的で、一見オーソドックスな恋愛関係に発展するのかと思いきや、良い意味で意外にサバサバした関係が続きます。花⼦は人生のどん底にいて、自暴自棄になっています。一方、穏やかな性格の正夫はそんな彼女を支えています。2人は恋人のムードになる前に、選手とマネージャーのような関係性になっているようにも見えます。恋愛的なビビッとくる感覚から始まった2人なので、いずれはもっとロマンチックな関係になっていくのかもしれませんが、人間愛でガッチリと結ばれた2人は、ただの恋愛関係よりも強い絆を持っているように思います。

映画『こいびとのみつけかた』倉悠貴/芋生悠

次に『こいびとのみつけかた』です。園子(芋生悠)に恋したトワ(倉悠貴)は真っ直ぐな気持ちをぶつけ、特別な関係になっていきます。トワは変わり者で周囲と噛み合わないことがあっても、園子とだけはすごく通じ合うものがあります。2人の様子を見ていると、本当に運命の相手でソウルメイトに見えます。でも、本作はそう簡単にはいかないストーリーになっています。

映画『こいびとのみつけかた』倉悠貴/芋生悠

詳細は伏せるとして、2人が辿り着く関係はある意味切っても切れない関係といえます。本作は極端な形で描写されているとはいえ、似たような絆で結ばれた2人は世の中にたくさんいるように思います。この2人を見ていると、世の中に助け合う2人がいた時に、何でもかんでも恋愛関係なのかそうでないのかをはっきりさせることってナンセンスなのかもしれないと感じます。いうなれば、2人はどこかの同じ星からやってきた宇宙人同士なのかもしれません。そんな感覚を持っている方なら、この2人の特別な繋がりを理解できるのではないでしょうか。

映画『正欲』新垣結衣/磯村勇斗

そして最後は『正欲』です。本作に出てくる、とある2人には共通点があります。その共通点は人に迷惑をかけるものではないにも関わらず、理解され難く、理解者はお互いに限られています。周囲の人間は彼、彼女の秘密を知る由もないので、無神経に恋愛だの、結婚だのと追い立ててきます。そんな窮屈な世界で平和に過ごす手立てとして、2人は助け合うようになります。この2人はある意味政略結婚のような関係に近いとはいえ、お互いを支え、大切にしている点で、これはこれで恋愛を越える関係にあるといえます。お互いにしか理解できない共通点で結ばれている2人はれっきとした運命の2人であり、【恋愛】と軽々しくいうよりも深い関係にあるといえます。

ここで紹介した3作にそれぞれ登場する2人は一見ロマンチックな関係とは異なります。でも、これこそ運命の相手ともいえる関係です。本来はこういった関係こそ、生きていく上で必要なのではないかと思います。

映画『愛にイナズマ』松岡茉優/窪田正孝/池松壮亮/若葉竜也/仲野太賀/趣里/高良健吾/MEGUMI/三浦貴大/芹澤興人/笠原秀幸/鶴見辰吾/北村有起哉/中野英雄/益岡徹/佐藤浩市

『愛にイナズマ』
2023年10月27日より全国公開
東京テアトル
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

ムビチケ購入はこちら

©2023「愛にイナズマ」製作委員会

映画『こいびとのみつけかた』倉悠貴/芋生悠

『こいびとのみつけかた』
2023年10月27日より全国公開
ジョーカーフィルムズ
公式サイト 

ムビチケ購入はこちら

©JOKER FILMS INC

映画『正欲』稲垣吾郎/新垣結衣/磯村勇斗

『正欲』
2023年11月10日より全国公開
ビターズ・エンド
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

ムビチケ購入はこちら

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会

TEXT by Myson

本ページの情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況は各社サイトにてご確認ください。

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Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

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REVIEW

  1. 映画『進行曲 マーチングボーイズ』ムー・セン(牧森)
  2. 映画『うるわしの宵の月』道枝駿佑/安斉星来
  3. 映画『真実と反逆 〜ナチスと闘った若きレジスタンス〜』ユアン・ホロックス
  4. 映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』ノア・センティネオ/アンドリュー・小路
  5. 映画『クジラに落ちた男』オースティン・エイブラムス

PRESENT

  1. 映画『55 FIFTY FIVE/番号で呼ばれた少年』リズワーン・シェイク
  2. 映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』アルバ・ロルヴァケル/エリオ・ジェルマーノ
  3. 映画『君の話』北村匠海/出口夏希
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