NEWS

『ウルフウォーカー』のトム・ムーア&ロス・スチュアート監督と細田守監督が日本とアイルランドのアニメーション制作手法の違いを語る!スペシャル対談

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ウルフウォーカー』スペシャル対談、細田守監督/トム・ムーア監督/ロス・スチュワート監督

製作した長編すべてが米国アカデミー賞にノミネートしているアニメーションスタジオ“カートゥーン・サルーン”の最新作『ウルフウォーカー』が、10月30日より全国公開となります。その公開を記念し、【東京アニメアワードフェスティバル2021】(=TAAF2021/2021年3月12日〜15日開催)のプレイベントとして、アニメーション映画監督細田守と『ウルフウォーカー』のトム・ムーア&ロス・スチュアート監督とのスペシャル対談が行われました。今回の対談は、2015年にカートゥーン・サルーンの『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』が、TAAFでグランプリを受賞したことをきっかけに、『ウルフウォーカー』のトム・ ムーア&ロス・スチュアート監督から、同じ“狼と子ども”をモチーフにした『おおかみこどもの雨と雪』を手掛けた細田守監督へのラブコールがあり実現しました!日本とアイルランドのアニメーション制作手法の違いや、お互いの作品について熱く語り合っています。

映画『ウルフウォーカー』スペシャル対談、細田守監督/トム・ムーア監督/ロス・スチュワート監督

今回の対談にあたり、事前に『ウルフウォーカー』を観たという細田監督は、「本当に素晴らしい作品でした。『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は誰も観たことのないようなアニメーションで感動しましたが、この作品も期待を上回りました。当たり前なカットがない。1カット1カットが驚きの連続で、森と町との対比が素晴らしかった」と絶賛しました。細田監督から「児童文学的な要素も含まれた、叙事史的な物語がとても力強かった。どんな風にして作ったのですか?」と尋ねられると、ムーア監督は「今回はアクション満載の映画にしたいと思ったんです。これまでの作品で学んだテクニックを詰め込みました」と回答。続いてスチュアート監督は「民話的なムード、古典的なムードは狙って作ったんです。町は檻に閉じ込められているように見せるために平面的に描いて、森では自由な印象を与えるような線を意識して描きました。線にエネルギーを残すということも意識しました」と作品の制作意図を説明しました。

司会より細田監督とムーア&スチュアート監督に共通するのが、オオカミや人が何かに変身するという点があるとの指摘に、細田監督は「オオカミが悪者にされたのはヨーロッパ的な人間中心主義のせいです。人間が発展していく上で動物を森に追いやる必要があった。でも僕は、追いやられたオオカミや動物のほうに興味があるし、肩入れしたくなる。人間中心主義的な傲慢さではない考え方を通して、現代の僕達に本当に必要なものを考え直して行くことが大事なんです」と答えました。ムーア監督は「自然との付き合い方、人間の中にある“野生”をもう1回我々は抱き直す必要があるのかもしれない。またアイルランドと日本は、アミニズムという観点から似ている気がします」と回答し、スチュアート監督は「古い民話には共通点があって、何かしら普遍性があるのかもしれない。アイルランドでは昔からオオカミと人間は共存する関係性だったのですが、キリスト教が浸透してからそれが変わってしまった。古の考え方が今後人間が生き残るために必要なのかもしれない」と話しました。

映画『ウルフウォーカー』スペシャル対談、細田守監督/トム・ムーア監督/ロス・スチュワート監督

細田監督から、カートゥーン・サルーンの今後の制作に関してCGを使っていく予定があるか尋ねられると、ムーア監督は「個人的には手描きにこだわっていきたいが、CGを使うことで表現の豊かさが増えるので必要なところでは使っていきたい。手ではできないことをCGで補う。それは細田監督の作風とも似てますよね」と答え、日本アニメーションからの影響については「世界中で唯一手描きを続けているのは日本とフランスだけですよね。日本のアニメは大変に参考にさせていただいております」と話し、スチュアート監督は「最近のアニメーションはリアリティの追求に向かい過ぎていますよね」と語りました。

映画『ウルフウォーカー』スペシャル対談、細田守監督/トム・ムーア監督/ロス・スチュワート監督

ムーア監督から「アニメを作る上で何を大切にしていますか?」と尋ねられると、細田監督は「家族をテーマに作品を作ることが多いけど、本当に描きたいのは、どうやって子どもは成長していくのかということなんです」と答えました。他にもムーア&スチュアート監督は憧れの細田監督を前に次々と質問を投げかけ、大盛り上がりだったようです。最後に日本のファンに向けて、ムーア監督は「過去の作品を含めて自分たちの作品を受け止めてくれて嬉しいです。ぜいひ最新作『ウルフウォーカー』も楽しんでください!」とコメントし、スチュアート監督は「このような機会が設けられて大変光栄でした。日本とアイルランドのアニメーション産業との交流がこれからも活発になって欲しい」と語りました。細田監督も「彼らの作品はすごく日本人好みだと思う。ぜひ皆さん観てください」と太鼓判を押しました。

なお、今回の対談中にちょうど細田監督が次回作の絵コンテが終わったところだという嬉しい情報も明かしていたそうです!そちらも楽しみですね。『ウルフウォーカー』は10月30日より全国公開!!ぜひ劇場へ足を運んでご覧ください。

映画『ウルフウォーカー』

『ウルフウォーカー』
2020年10月30日より全国公開
配給:チャイルド・フィルム
公式サイト

© WolfWalkers 2020

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』相葉雅紀 4アウト ─もう一度、プレイボール─【レビュー】

平山讓の「4アウト -ある障害者野球チームの挑戦」を原作とする本作は、東京で初めて結成された身体障害者野球チーム“東京ブルーサンダース”創設にまつわる実話を基に映画化されました…

映画『星の教室』桜田ひより 星の教室【レビュー】

『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』『Wの悲劇』など数々の名作を生み出してきた角川春樹が総監督を務める作品です。原作は髙田郁の同名小説、監督は中川龍太郎が務めています…

映画『コットンテール』木村多江 木村多江【ギャラリー/出演作一覧】

1971年3月16日生まれ。東京都出身。

映画『ダビデ ~王になった少年~』 ダビデ ~王になった少年~【レビュー】

旧約聖書「サムエル記」に基づき作られた本作は、イスラエルの王となるダビデを主人公とした物語…

映画『mentor』磯村勇斗/末澤誠也/綾野剛 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年10月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年10月】のアクセスランキングを発表!

映画『てんてん ずっと独身でいるつもり?』森香澄さんインタビュー 『てんてん ずっと独身でいるつもり?』森香澄さんインタビュー

今回は『てんてん ずっと独身でいるつもり?』で初主演を飾った森香澄さんにインタビューをさせていただきました。

映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』「エリィアンズ」 GROTESQQQUE-グロテスク-【レビュー】

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督を務めた錦織敦史が、監督、脚本、キャラクター原案を担当する本作は、「『好き』なものを『好きなだけ』詰め込んだ完全オリジナル・アニメーション映画」…

映画『男ともだち』原作者:千早茜先生インタビュー 『男ともだち』原作者:千早茜さんインタビュー

直木賞作家、千早茜のロングセラー小説を、主演に松岡茉優、共演に成田凌を迎えて映画化した『男ともだち』。今回は原作者の千早茜先生にインタビューをさせていただきました。

映画『ヴェリティ/真実』アン・ハサウェイ ヴェリティ/真実【レビュー】

本作の原作者でありプロデューサーも務めるコリーン・フーヴァーは、2023年にTIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた人物…

映画『見上げてごらん』森田剛 見上げてごらん【レビュー】

夢を追いかける主人公が夢を叶えたり、夢に破れたりするストーリーはこれまで複数映画化されてきました。でも、本作は…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』トム・クルーズ/ブラッド・ピット あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

世界的な超トップスター、トム・クルーズとブラッド・ピットが共演した奇跡の作品『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のパッケージリリースを機に、当部恒例企画「勝手にキャスティング企画!」を実施。

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』相葉雅紀
  2. 映画『星の教室』桜田ひより
  3. 映画『ダビデ ~王になった少年~』
  4. 映画『mentor』磯村勇斗/末澤誠也/綾野剛
  5. 映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』「エリィアンズ」

PRESENT

  1. 映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』アルバ・ロルヴァケル/エリオ・ジェルマーノ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP