REVIEW

47歳 人生のステータス

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『47歳 人生のステータス』ベン・スティラー/オースティン・エイブラムス

個人的にむちゃくちゃ刺さりました〜。ベン・スティラーが演じた主人公ブラッドの気持ち、オースティン・エイブラムスが演じた息子トロイの言葉、その両方を私もこれまでに何度も感じたことがあります。若かりし頃に抱いていた理想は、大人になるとどんどん現実という結果となって自分の前に突きつけられます。最初は仕事の意義や意味に重きを置いていられたとしても、いろいろな経験を積んでいくと、それだけいろいろなことを考えてしまうようになります。これは誰にでもあることで、大人になるといつかは自分がやっていることに疑問や不安を抱いてしまう時期があると思います。そして、隣の芝生は青く見えて勝手に劣等感や敗北感を覚えてしまう。主人公のブラッドはまさにその状態です。本作には、大人が観てドキッとするくらい、子ども達、若者達は大人の汚い一面、みっともない一面を見ていて、一瞬にして尊敬は軽蔑に変わる様子も描かれています。私も身に覚えがありますが(苦笑)、いろいろな方にみっともない姿をたくさん見せてしまったなと、本作を観ていて辛くなりました。でも、この物語はそれだけで終わらないから素敵なのです。
彼が最終的にどうなるのかは本編でご覧いただくとして、私にはクライマックスのシーンで放たれるトロイの言葉にすべてが集約されているように感じました。私自身もトロイと同じ年頃に全く同じことを考えたことがあって、あの時あの価値観が持てたからこそ今までなんとか持ちこたえてこられたと思っています。だから、本作を観て改めて大切なことを思い出させてもらい、心にズシ〜ンときました。本作に登場する若者達の考え、大人のブラッドの考え、それぞれに頷けるものがあり、自分の人生を見つめ直すきっかけを与えてくれる作品です。若い方は自分の将来像に思いを巡らせることができるし、大人は疲れた心を癒されるので、幅広い層に観て欲しいです。

デート向き映画判定
映画『47歳 人生のステータス』ベン・スティラー/ジェナ・フィッシャー

ブラッドの精神状態がかなり不安定で、彼の頭の中、心の中は乱れています。そんなブラッドの複雑な思いが独白となって飛び交うなかで夫婦関係にも話題が及ぶので、カップルで観ると微妙な空気が流れる時があるかもしれません(苦笑)。自分自身をじっくり振り返るのにオススメの作品なので、どちらかというと1人で観るほうが向いていると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『47歳 人生のステータス』ベン・スティラー/マイケル・シーン

親に対する子どもの視線、若者が世の中の大人を見る視線がリアルに描かれていて、特にティーンの皆さんは主人公の息子のトロイに共感すると思います。本作を観ると、大人って大変だなと思ってしまうかもしれませんが、今は大人の気持ちや事情をわかろうとしなくても良いと思います。大人になれば嫌でもブラッドの気持ちはわかるはずなので、今は素直に感じる気持ちを大事にして、大人になっても忘れないでください。

映画『47歳 人生のステータス』ベン・スティラー/オースティン・エイブラムス

『47歳 人生のステータス』
2021年6月11日よりMIRAIL(ミレール)、Amazon Prime Video、U-NEXTにてオンライン上映
STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト

© 2017 Amazon Content Services LLC and Kimmel Distribution LLC

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『スタントマン 武替道』フィリップ・ン フィリップ・ン【ギャラリー/出演作一覧】

1977年9月16日生まれ。香港出身。

映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル 美しい夏【レビュー】

20世紀のイタリア文学を代表する作家であり詩人チェーザレ・パヴェーゼが、ファシズム体制下の1940年に執筆し、1949年に刊行、翌年にストレーガ賞を受賞した同名小説を映画化…

映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン ジュラシック・ワールド/復活の大地【レビュー】

“ジュラシック”シリーズは、1993年を皮切りに、これまで3部作が2組作られ…

映画『違国日記』伊礼姫奈 伊礼姫奈【ギャラリー/出演作一覧】

2006年2月7日生まれ。群馬県生まれ。

映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン アンティル・ドーン【レビュー】

PlayStation®の人気ゲーム“Until Dawn —惨劇の山荘—”を原作とした本作は、『ライト/オフ』や『アナベル 死霊人形の誕生』を撮ったデヴィッド・F・サンドバーグが監督を務めています…

映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン 『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『バード ここから羽ばたく』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待

映画『入国審査』アルベルト・アンマン/ブルーナ・クッシ 入国審査【レビュー】

スペインからアメリカへ移住するため、飛行機でニューヨークに到着したディエゴとエレナは、入国審査で足止めされて…

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ペドロ・パスカル/ヴァネッサ・カービー/ジョセフ・クイン/エボン・モス=バクラック ファンタスティック4:ファースト・ステップ【レビュー】

新たに作られた本作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』にはどんな斬新な要素があるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう…

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 大友啓史監督と語ろう!『宝島』応援部活 参加者募集

なんと、大友啓史監督に座談会にご参加いただきます!大友監督と直接本作についてお話できる大変貴重な機会です。ぜひ、ご応募ください。 by マイソン

映画『マリリン・モンロー 私の愛しかた』マリリン・モンロー マリリン・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1926年6月1日生まれ。アメリカ生まれ。1962年8月5日逝去。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 大友啓史監督と語ろう!『宝島』応援部活 参加者募集

なんと、大友啓史監督に座談会にご参加いただきます!大友監督と直接本作についてお話できる大変貴重な機会です。ぜひ、ご応募ください。 by マイソン

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  2. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド
  3. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也

REVIEW

  1. 映画『美しい夏』イーレ・ヴィアネッロ/ディーヴァ・カッセル
  2. 映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スカーレット・ヨハンソン
  3. 映画『アンティル・ドーン』エラ・ルビーン
  4. 映画『入国審査』アルベルト・アンマン/ブルーナ・クッシ
  5. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ペドロ・パスカル/ヴァネッサ・カービー/ジョセフ・クイン/エボン・モス=バクラック

PRESENT

  1. 映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン
  2. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』トートバッグ
  3. 映画『パトリックとクジラ 6000日の絆』パトリック・ダイクストラ
PAGE TOP