REVIEW

令嬢アンナの真実【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『令嬢アンナの真実』ジュリア・ガーナー

REVIEW

グレイズ・アナトミー』『スキャンダル』『殺人を無罪にする方法』など、数々の海外ドラマヒット作のショーランナーとして知られるションダ・ライムズが、自称、ドイツの大富豪の娘アンナ・デルヴェイの実話をドラマ化しました。Instagramでセレブ達と並び、華やかな日常を公開していたアンナ・デルヴェイは、複数の巨額の詐欺で逮捕されます。マンハッタン誌の記者ヴィヴィアン・ケントは、アンナが有罪だとして、なぜ多くの上流階級の大人達がアンナに騙されたのか真相を突き詰めようと、上司の指示に背いて独占取材を試みます。

海外ドラマ『令嬢アンナの真実』ジュリア・ガーナー

興味深いのは、アンナがわらしべ長者のように、最初は大富豪の家の居候から、起業家の卵へと着実に階段を上っていく様子です。アンナは、ドイツの大富豪の娘だと周囲に吹聴していながら実質的には両親のお金を使っている様子はありません。だから、どこからお金を引っ張っているのかが本当に不思議で、そのカラクリがヴィヴィアンの取材によって徐々に明かされていきます。でも、真相を知ったら知ったで、そこまで巧妙なカラクリともいえず、本当に口が上手く、どうやったら人のお金で豪遊できるのかという知恵が働いている上に人の何倍も大胆なだけにも思えます。

海外ドラマ『令嬢アンナの真実』ジュリア・ガーナー

アンナがスゴいのは正気の人なら恐ろしくてつけないような嘘を、まるで本人は信じ切っているかのように堂々とでっち上げてしまう点です。ある意味、彼女は本当に自分の大きな夢が叶うと信じているともいえて、もし周囲が彼女を信じて、彼女の事業に投資していたら、嘘が真実になったかもしれません。つまり、彼女の夢が実現したら、彼女が散財したお金も、後から支援されたお金で払えたことになり、詐欺ではなく、”先行投資”のようなものになっていた可能性もあります。

海外ドラマ『令嬢アンナの真実』ジュリア・ガーナー

アンナを見ていると、絶対に関わりたくない相手と思う反面、何だかとっても惜しい人に思えます。彼女が正当な方法で行う事業に頭を使っていたら、どんな逸材になっていたのかとも考えずにいられません。現在アンナは既に刑期を終えているようですが、いつしか事業家として再び名を馳せるようになるのか、現実のアンナの行く末も気になります。アンナを演じたジュリア・ガーナーの演技も見事です。全9話完結ですので、あっという間に観終えます。あと、ディズニープラスで配信中の『エイジ・オブ・インフルエンサー』の1話にアンナ・デルヴェイ(本名アンナ・ソローキン)本人も登場しているので、合わせてチェックしてみてください。

海外ドラマ『令嬢アンナの真実』ジュリア・ガーナー

『令嬢アンナの真実』
2022年2月11日よりNetflixにて配信中
公式サイト

TEXT by Myson

上記の情報は2023年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド Mr.ノボカイン【レビュー】

痛みを感じない疾患を持つ主人公、ネイサン・カイン(ジャック・クエイド)は…

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『Mr.ノボカイン』ジャック・クエイド
  2. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  3. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  4. 映画『リライト』池田エライザ
  5. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP