REVIEW

愛すべき夫妻の秘密【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
Amazon Original映画『愛すべき夫妻の秘密』ニコール・キッドマン/ハビエル・バルデム

アメリカで有名なコメディドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』の舞台裏と、その出演者で実生活でも夫婦のルシル・ボール(ニコール・キッドマン)とデジ・アーナズ(ハビエル・バルデム)の結婚生活の危機について描かれた本作。物語は、月曜日の台本の読み合わせから金曜日の公開収録までの1週間を綴ったもので、「たった1週間で公私共にこんなに大変な出来事が起こるとは…」と驚かされます。また、意外にも社会的な時代背景が関係しており、ドラマ放送当時の出来事を知っている人だとより発見が多そうです。とはいえ、『アイ・ラブ・ルーシー』を観ていなかったり、時代背景に詳しくなくても物語自体には付いていけますし、気になったら鑑賞後に調べてみるのも良いと思います。
ニコール・キッドマンが演じるルシルは本人とそっくりで、今回も役作りに対する熱量を感じられます。デジを演じたハビエル・バルデムも演技力については言うまでもなく、本作では美しい歌声を聴くことができます。2人が演じた夫婦関係はとても絶妙で、結婚経験のある方ならどこか共感できる部分が見つかるのではないでしょうか。ルシルが現場で指揮を執ったり、こだわりを持って仕事に臨む様子も映し出されているので、本作を観た上で『アイ・ラブ・ルーシー』を観るのもオススメです。

デート向き映画判定
Amazon Original映画『愛すべき夫妻の秘密』ニコール・キッドマン/ハビエル・バルデム

ルシルとデジのリアルな夫婦関係が描かれているので、夫婦やベテランカップル向けです。ルシルとデジは夫婦であり、ドラマ共演者でもあるという点は特殊ですが、外(本作の場合は仕事現場)でお互いを上手く尊重している姿は真似したいポイントです。とはいえ、2人の円満な関係がずっと描かれているわけではないので、客観的に本作の夫婦関係を見つめて、パートナーとの関係を振り返るきっかけにして欲しいと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
Amazon Original映画『愛すべき夫妻の秘密』ニコール・キッドマン/ハビエル・バルデム/J・K・シモンズ

夫婦関係や社会的な背景が描かれた作品なので、キッズはせめて中学生くらいになってから観たほうが内容に対する理解が深まると思います。ティーンの場合も夫婦関係については共感が難しそうですが、ドラマ制作の舞台裏や、ルシルのコメディエンヌとしてのこだわりに注目して観てください。時代は違っても仕事現場では本当にさまざまなことが起こるので、職業体験として観るのも良さそうです。

Amazon Original映画『愛すべき夫妻の秘密』ニコール・キッドマン/ハビエル・バルデム

『愛すべき夫妻の秘密』
2021年12月21日よりAmazon Prime Videoにて配信中
作品ページ

© Amazon Studios

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP