REVIEW
シリーズ3作目となる本作でも、まず映像美と迫力に圧倒されます。物理的に目の前で起こっているように思えるほど、没入感が半端なく、映画館で映画を観る醍醐味をここまで強く訴えかける作品を作ったジェームズ・キャメロン監督やキャストスタッフの方々にまず敬意を表したいと思います。

1作目の劇場公開当時を思い返すと、パンドラの先住民ナヴィの独特のビジュアルから、日本人受けしないのではないかなどの反応があったものの、驚異の映像とストーリーにより多くの観客を虜にしました。そして、2作目では海の雄大さを余すところなく描き、3作目の本作では海に加えて、空中戦の見せ場を多く作るなど、陸、海、空と全空間を使った迫力あるシーンで観客を魅了します。

比類無きスケールで描かれる世界に没入するだけで一定の満足を得られる上に、ストーリーもより盛り上がってくるのが憎いところです。このシリーズのストーリーには、まさに人間の文明が辿ってきた道を振り返る部分があります。本作では、人間の文明を大きく発展させた「火」がテーマとなっており、「火」はパンドラの運命も大きく揺さぶります。


そして、火の力の象徴となる銃器や、パンドラの資源を搾取する科学技術に対するところで、未知の力を秘めたキリ(シガニー・ウィーバー)の存在がかなり重要な役割を果たしています。どのようなメタファーを思い浮かべるかは人それぞれなところ、個人的には“スピリチュアルと科学”という対比で観てもおもしろいと感じました。

スピリチュアルと科学は一見対立しているようでいて、私達が住む世界のあらゆる不思議な事柄は、どちらか一方だけで説明するのは難しいところがあります。なぜなら、いくらあらゆる事象を科学的に解明できたとしても、この世の生物や人間そのものはどうやってどこから生まれたのかという謎は想像はできても完全に解くのは不可能に近いからです。本作でも、パンドラを守る神のような存在であるエイワを信じる力と、武器を手にして戦う必要性の葛藤が描かれており、人間の現実世界で突きつけられている問いがそのまま繁栄されているように映ります。

来日したジェームズ・キャメロン監督は「本当に今ほど世の中が冷たくそして怒りにあふれている時はないと感じています。だからこそ今この映画を作りたいと思いました。我々人間がどういうもので、本来あったのかを思い出せるために」とおっしゃっていました。また、「本作は、曖昧であったり、すごく知的な形で作ってはおらず、皆さんには本当にただキャラクターと共にこの冒険の旅に出ていただきたい」「ぜひ本作をご覧になる時はただ感じていただきたい」とのことでした。なので、まず心のままに感じてご堪能ください。
デート向き映画判定

誰がどう観てもエンタテインメント超大作で、老若男女問わず楽しめるので、デートで観るのにもピッタリです。今回は特に、ジェイクとネイティリ夫婦が特に子ども達を守るために議論をぶつけ合うので、それぞれの考えや思いに共感できる点があると同時に、客観的に観る機会にもなるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

シリーズ2作目と同じく、本作でもサリー家の子ども達が大活躍します。次男のロアク(ブリテン・ダルトン)は自分なりに家族や仲間のために役に立ちたいと奮闘し、キリは自分が皆と違うことで悩みつつ、エイワを信じる思いを貫けるかどうかが試されます。そして、人間では唯一ナヴィと暮らしているスパイダー(ジャック・チャンピオン)が思わぬ展開を巻き起こします。なので、皆さんも特に感情移入できるキャラクターが見つかるのではないでしょうか。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
2025年12月19日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。



























