REVIEW

エクソシスト 信じる者【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール

REVIEW

故ウィリアム・フリードキン監督による1973年製作『エクソシスト』から50年の時を経て作られた本作は、1作目との繋がりもありつつ、新しい要素も含まれています。まず、1作目からの大きな繋がりとして、悪魔に憑依された娘リーガンを救うために奮闘したクリス・マクニール(エレン・バースティン)が登場します。どんな風に登場するのかは本編でご覧いただくとして、本作も親の奮闘が見どころの1つとなっている点で、クリスの過去が鍵となっています。一方、新鮮さのある設定としては、2人の少女が憑依される点です。それに付随して、本作には複数の宗教が登場します。信仰する宗教がさまざまなキャラクター達が一緒に問題に向き合う様子は、現代の価値観に合うメッセージだと受け取れます。
そして、“エクソシスト”系の映画が好きな者にとって興味深い点は、悪魔祓いを実施する背景です。特にカトリック教会は厳しい規定があるのがわかります。映画公式資料では、「誰がエクソシスト(悪魔祓いを行う聖職者)なのかを知る者は教区内にいない」と書かれています。これはエクソシストの安全を守るためだそうです。劇中の展開からもカトリック教会の“悪魔祓いは慎重に行うべき”という姿勢が伝わってきます。信じるか信じないかはそれぞれですが、こうした背景を知ると、真っ向から悪魔の存在を否定できないと感じます。また、実在のエクソシストの物語『ヴァチカンのエクソシスト』も観た方は、より現実味を感じながら本作を観られるのではないでしょうか。
本作はエンタテインメントとして観られると同時に、信仰とは何か、子どもを思う親心とはどのようなものかを客観的に観られる物語となっています。さまざまな視点でお楽しみください。

デート向き映画判定
映画『エクソシスト 信じる者』レスリー・オドム・Jr/エレン・バースティン

多くの方がご存知の通り、ガッツリホラーなので、タイトルを伝えて誘ってみれば、OKか無理かはっきりわかりますね。相手がホラーにも興味がありそうなら、試しに誘うのもありでしょう。音でビックリなシーンもあり、アトラクション感覚でも盛り上がれそうです。ただ、見た目にギョエっとなるシーンがあるので、食前食後は避けたほうが無難です。ホラー好きのカップルなら、2人で一緒に1973年製作版も観てはどうでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『エクソシスト 信じる者』ジェニファー・ネトルズ/ノーバート・レオ・バッツ/オリヴィア・オニール

多くの方が子どもの頃に一度は興味を持つであろう“あの遊び”がきっかけとなり、2人の少女が不運に見舞われます。所詮遊びでしょと思いつつ、本作を観るとちょっと怖くなるでしょう。日本とアメリカで宗教観の違いはありつつ、子ども達の好奇心や、思春期の子どもと親の関係は万国共通なので、身近なストーリーに感じられると思います。親子で観るのも良し、友達と観るのも良しの作品です。

映画『エクソシスト 信じる者』オリヴィア・オニール

『エクソシスト 信じる者』
2023年12月1日より全国公開
PG-12
東宝東和
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© Universal Studios. All Rights Reserved.

TEXT by Myson


関連作

『エクソシスト』

Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る  Huluで観る
映画史を物語るクリーチャー映画特集

『エクソシスト2』

Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る

『エクソシスト3』

Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る

『エクソシスト ビギニング』

U-NEXTで観る

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント MELT メルト【レビュー】

いろいろな意味で残酷。絶対起きてはならない出来事…

映画『怪物』黒川想矢 黒川想矢【ギャラリー/出演作一覧】

2009年12月5日生まれ。埼玉県生まれ。

映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ/フィリップ・ン スタントマン 武替道【レビュー】

香港映画に対する誇りと、香港映画や映画作りに関わる人達を守りたい気持ちが交錯する…

映画『スーパーマン』オリジナルトートバッグ 『スーパーマン』オリジナルトートバッグ 2名様プレゼント

映画『スーパーマン』オリジナルトートバッグ 2名様プレゼント

映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド 大切な人ができれば、譲れないことも変わる!?『We Live in Time この時を生きて』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は運命的な出会いを果たし、ぶつかり合いながらもお互いに正直に生きるカップルの物語『We Live in Time この時を生きて』を取り上げます。

映画『雪風 YUKIKAZE』竹野内豊 『雪風 YUKIKAZE』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『雪風 YUKIKAZE』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『IMMACULATE 聖なる胎動』シドニー・スウィーニー IMMACULATE 聖なる胎動【レビュー】

敬虔な修道女のセシリア(シドニー・スウィーニー)は、イタリアの美しい田園都市にある修道院にやってきます…

映画『ストレンジ・ダーリン』ウィラ・フィッツジェラルド ストレンジ・ダーリン【レビュー】

6章からなる本作は、ユニークな構成となっています…

映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー/ブランドン・スクレナー ブランドン・スクレナー【ギャラリー/出演作一覧】

1990年6月26日生まれ。アメリカ出身。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット スーパーマン【レビュー】

ジェームズ・ガン監督らしい表現によって、全く新しい“スーパーマン”が観られます。冒頭の演出からして…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド
  2. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  3. 映画でSEL:告知1回目

REVIEW

  1. 映画『MELT メルト』ローザ・マーチャント
  2. 映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ/フィリップ・ン
  3. 映画『IMMACULATE 聖なる胎動』シドニー・スウィーニー
  4. 映画『ストレンジ・ダーリン』ウィラ・フィッツジェラルド
  5. 映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット

PRESENT

  1. 映画『スーパーマン』オリジナルトートバッグ
  2. 映画『雪風 YUKIKAZE』竹野内豊
  3. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
PAGE TOP