REVIEW

i ai【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『i ai』富田健太郎/堀家一希

REVIEW

GEZANのフロントマンであり、小説執筆や映画出演、フリーフェス「全感覚祭」や反戦デモの主催など、多岐に渡り活動するマヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督を務めた作品です。監督自身の実体験をもとに、バンドマンのコウ(富田健太郎)と、コウが憧れる地元のバンドマン、ヒー兄(森山未來)、そして仲間達が音楽と共に過ごす日々が描かれています。
コウが憧れのヒー兄と出会い、影響を受ける姿はとても共感できます。そして、ヒー兄やバンド仲間と共に毎日を過ごす様子はまさに青春。若さゆえの純粋さや脆さが丁寧に表現されており、大人目線だと少し懐かしく感じる部分もあります。ヒー兄は一見自由奔放でつかみどころのない人物ですが、自分の気持ちに常に素直で堂々としている姿はとてもカッコ良く見えます。そんなヒー兄が本作においてシンボルとして描かれており、彼が周りの人達に与える影響が観客側にも少しずつ伝わってきます。
キャストはオーディションで主人公に抜擢された富田健太郎をはじめ、森山未來、さとうほなみ、堀家一希、吹越満、永山瑛太、小泉今日子ら豪華な面々が揃っています。森山未來の演じたヒー兄は特にインパクトがあり、本当に彼だからこそ演じられた役だと感じます。
また、本作には出会いと別れというテーマも盛り込まれていて、大切な人を失った経験のある方には特に刺さるものがあると思います。アーティスティックな表現も織り交ぜられている作品なので、人によって受け取るメッセージはさまざまなのではないでしょうか。個人的には生死の境について深く考えさせられ、鑑賞後も余韻に浸りながらあれこれと考えてしまいました。バンドをされている方、アート系の作品が好きな方が観るとまた違う感想が生まれる気がします。ご自身の感覚を研ぎ澄まして本作をご覧ください。

デート向き映画判定

映画『i ai』富田健太郎/森山未來

ムードを盛り上げるタイプの作品ではありませんが、映画やアート好きな相手の場合は一緒に観るのもアリです。観る人によってさまざまな受け取り方ができる作品なので、鑑賞後にお互いの感想を話し合うと相手の新たな一面を発見できるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『i ai』富田健太郎/森山未來

バンドマン達の物語でありながら、人間の生死といったテーマでも考えられる作品です。皆さんの場合は主人公のコウ目線で観られると思います。ヒー兄と出会うことで、彼にどんな心境の変化が訪れるのか注目して観てください。まずは今の感覚で観て、何年か経ってから観直すのもオススメです。

映画『i ai』富田健太郎/森山未來

『i ai』
2024年3月8日より全国順次公開
パルコ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©STUDIO BLUE

TEXT by Shamy

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  2. 映画『果てしなきスカーレット』
  3. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  4. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  5. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP